「 ナツメ。 」
PULL.







少し遠出をした気分で、
これを書いてる。
実際にはまだこの足じゃトイレに行くのだって、
一苦労だけど、
ナツメのことを考えてるといつも、
遠くに行けるような気がする。
誰も知らない誰も行ったことのない、
地図にもないどこかへ。
ナツメとならいつでも行ける。
そんな気がしてる。

だからさ、
このおんぼろの足が動くようになったらさ、
海に行こう。
ナツメの瞳みたいに青い、
海に行こうよ。
そして浜辺で一日中ヤドカリと、
かくれんぼしよう。

今度は、
おれが先に隠れるから、
ナツメがおれを見つけてくれ。
くれぐれもヤドカリよりも早く、
見つけてくれよ。
約束だぜ。

おれはいつまでも、
ナツメを待ってるからさ。












           了。



自由詩 「 ナツメ。 」 Copyright PULL. 2007-08-15 00:47:15
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