ふと目が覚める
私は生温い液体の中にいる
不思議と呼吸は苦しくない
むしろ心地よい感触
空間は思ったほど狭くなく
壁と思しき部分は脈打っている
暗くもなく明るくもない
....
僕は時々思う
実は丸いのは地球じゃなくて
この空なんじゃないかと
果てしなく続くこの空を
ずっと眺めていると
何故だか曲線めいた立体に見えてくるんだ
そしていつか ....
長い間
暗く重い殻に閉じこもっていた
忘れようとしても
忘れられない記憶と思い出から踏み出せないでいた
私はまるで悟ったような顔で
他人を怖がって
自分を傷つけないように
冷静 ....
穏やかな悪魔は
とてもゆったりゆらゆら揺れながら
人々の心臓を体内から引きちぎっていく
たくさんの悲鳴と
飛び散った体液でそこら中が真っ赤に染まる
それはまるで戦場のようだ ....
儚く揺れている空に導かれて
失くした想いを抱えたまま
ただ歩き続けるこの世界の何処かに
キミを見つけるまで……
ずっと一人だった
どんな時でも
それが当たり前と思ってた
でも ....
摩天楼の一画に、とても素敵な景色の見える部屋がある。
私はこの部屋のテラスで、夜風を感じながらあなたと過ごすの好き。
まずは赤と白のワインで乾杯するの。
この時は決まってあなたが白で、私 ....
鮮やかなその紅色の
君が魅せた微笑みから
僕は今も抜け出せないまま
深い哀へと堕ちていく
いつも通りの道
意識の外を流れる光たちが眩しくて
君の面影を何処か探して
彷うようで ....
目の前をまやかしが通り過ぎる
風よりも音よりも
僕の瞬きよりも速く
それはストロボのように断続的に
僕の網膜に焼き付いて
意識は360度の振れ幅でひっくり返る
もっと駆け巡って ....
0.09sec.