天使の子供が羽を織る
世の中天使があぶれすぎ
予備の羽も足りなくなった
トンテントンテントンテンテン
羽織り音が天から墜ちる
天下り先を探す親天使
神のご機嫌取りの毎日
....
一ヶ月を少し切った頃
そろそろ準備を始める
今年も彼はきっと大忙し
彼の相棒も毎日筋トレに励む
昔は一人一人の好みに合わせて
プレゼントを選ぶのが大変で
親に資金を援助して ....
一途なんてお人は嫌よ
一つの道しか知らない人に
アタクシ、興味はございませんの
薔薇の花束なんてお人は嫌よ
まるでアタクシが
花に劣っているとでもおっしゃりたいの
料理 ....
無口な男がもてる時代は
もうとっくに終わったかい
遠くを見つめて
佇む姿は
もう飽きたかい
一瞥すれば寄ってきた雌たちも
今では面白い奴が
好きなんだとよ
....
縫い合わせた
淫らな皮膚と皮膚
涙は縫い目に
よく滲みる
襞と襞
不可能な合体を
溢れ出る液の交換が
互いを癒すのだろう
赤く腫れ上がった
皮膚と皮膚
....
黒いカラス、黒い羽
世界の果てを見に行こう
神様は死んじゃった
つまりは神様は存在していたと言うこと
足跡を残したぬかるみは
ほどよい弾力で有る限り
アタシの痕を残しつづけ ....
悪魔の嘆き投げキッス
伝う唇の歌に惑う
涙の味はレモン味
皮肉の背中を伝う味
優しさ色した太陽の
翳りに見つけし君の顔
天使の仮面を作るのは
職にあぶれた天使の子
....
今日は夕陽がきれいから
明日はきっと晴れでしょう
朝には霧が立ちこめて
蒸気で喉をやられそうになっても
明日はきっと晴れるでしょう
そして今この場所は夜だから
きっと、 ....
ショッキングピンクに彩られた図書館で
同じ色の目をした受付嬢がこう言った
あなたの瞳は黒いわね
あなたの服も黒いわね
きっとあなたの子供も黒いのね
ショッキングピンクの壁や床 ....
夢の国に囚われた
彼の名前はミッキーマウス
どこにも行けない
ワンダーランドの迷い人
ミニーに身代わり赤子を生ませ
排水溝から脱出さ
ここが彼のねぐら
本来いるべき
....
あたしはデイジー
みんなを愛す
無邪気という
悪魔のような
言葉を纏い
あなたが好きよ
でもあの人も
この人も好きなの
それは仕方ないわね
だからお許し ....
朝起きて
自分が権力者であることに
また
憂鬱を覚える
従属されたし者は
勝手に集う
募集をかけずとも
勝手に集う
更なる批判
とりあえずの反論
分刻み ....
朝目覚めの時も
一日の休息の真昼も
ゆったりとした空気に染まる
夕暮れも
私は貴女とキスをする
夜は気まぐれ坊やが
時折仲間に加わりながら
いつもの三人と乱交パーテ ....
やつらの罠に はまっちゃいけねえ
混乱 欲望 慈愛 浄化
深みにはまればはまるほど
やつらの脳に迷い込む
標識なんてありゃしない
矢印が正しいとは思わないこった
右 ....
憂う雨しとしと泣いている
身に染みいるような
寄生虫(むし)の様
紛う影あの人が近づく
そして通り過ぎる
それだけの人
夢しんしんと
うるさい雪の様に
積もり積 ....
太陽はつまり私の奴隷である
私が生まれるよりも前から
その輝きを絶やすことなく
私に認められるように
地上を照らし続けた
私を見つけるように
ただひたすらに
奴隷と ....
あたしは操られマチガイ人形
見た目は可憐な花を背負う女
道行く人は振り返る
信号待ちのあの人は
本当はあたしをずっと待ってる
事故らないでね
決別の青が光るまで
ず ....
ほれよくご覧じろ
誰も助けてくれんだろう
気休めの言葉も
かけてくれんだろう
それが仲間という者ぞ
それが人という者ぞ
気の利く言葉が浮かぶ者
ほれほとんどおらんだ ....
右目が溶ける
まだ見える
左目が溶ける
もう見えない
右耳が溶ける
まだ聞こえる
左耳が溶ける
もう聞こえない
鼻が溶ける
口が溶ける
もう嗅げない
....
二匹の子猫を喰ったのさ
生まれたての赤ちゃんさ
どうしてだかは分からない
分からないけど喰っちまった
婆さんネコが言っていた
黒猫を食べると幸せになれるって
確か黒猫だった ....
ピンクの木馬に乗ったのよ
とがってて
おしりがとっても痛いけど
とびきりピンクが
好きなわけでもないけれど
ピンクの木馬に乗ったのよ
不思議の国の入り口で
王様の目をし ....
幸せです
あなたがいて
私がいて
食事をできることが
幸せです
あなたが食す物と
同じ物を
私も胃の中に
入れている
本当はそれはとても好きだけど
あな ....
朝起きて
ミドリ色になった体を見て
本当は少し安心したよ
これでもう
苛められても
蔑まれても
虐げられても
『僕の体がミドリだから』
そうやって言い訳できる ....
残りの生の
カウントダウンが始まった朝に
目覚めるとそこには無限がいた
大きな黒い影が
部屋を重い色にしたけれど
今の私にはそんなことはどうでもよかった
ただ側に誰かい ....
きれいな物はなんでも好きよ
雪が積もった時の睫毛や
私の口づけを求めるときの
少し荒めの白い吐息は
まるで水蒸気の妖精の舞
歩いた後にほわっと匂う薫りや
私を抉るときの指の ....
アタシが出会った無限は
大きな声で歌を唄ってた
どこの国の言葉か分からないけど
とても優しい音だった気がする
素敵な歌声ね
よかったらリクエストしても
いいかしら
....
命からがら逃げて参りました
どこにもゆく当てなどはございませんが
走れるだけ走って
時に歩いて、
また走って
ここまで辿り尽きました
しかしここはゴールなのでしょうか
....
俺の夢を喰って消化不良を起こした
そんな貘を捕らえるのは簡単さ
よっぽど腹が減っていたのか
喰い終わってすっかり夢の中
起こさないように
そっと近づいたら
両手足を縛って ....
昨日久々に出会った無限は
疲れ切った顔をしていた
巨大な影を携えて
途切れ途切れの息でこう言った
歴史はどんどん積み重なるだろう?
例え世界が有限であったとしても
時間は永 ....
日だまりの中に飛び込む
パシャンと光が飛び散る
明日やあの人の背中へと
破片が突き刺さって行く
昨日たくさん照りつけた
残り日がまだほのかに香る
ママが干してくれた布団のよ ....
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