使いすてのミュージック
心にも無いメロディーを歌うかい?
使い捨てのミュージック
ありきたりの言葉で泣いて笑うかい?
きっと悔しいことや
悲しいこと
なんだかんだ思うことなんかを ....
壁中に染み付いた
おんがくのしみ
舌先で舐めてみたら
僕の好きな唄や君の好きな唄の味がする
空っぽになった部屋の真ん中で
鼻を研ぎすませる
君と聴いたおんがくのにおいが
僕を満たす
....
君の手帳の5月のある日に
赤い小さなマークを見つける
素っ気なく見えても
ちゃんと気にかけていてくれた
君のスケジュール表は
僕とであってから毎日のように
予定が詰まっている
仕事の ....
わたしらがきっと
世界で最後の人間やわね
わたしらはもう
子どももこさえへんし
セックスすることもあらへん
だからわたしらがきっと
世界で最後になるんやね
わたしはときどき思うん
....
つんぼになった君の耳に
僕は優しく唄を語りかける
僕たちの周りにいる人々は
みんな一斉に虜になるのに
君は素知らぬ顔で本をめくる
試しに今開かれているページの文を
唄に乗せて歌ってみる ....
歌をうまく歌えなくなったら
僕は喉をかっきった
おかげで声はまったくでなくなったけど
下手な歌を歌うくらいなら
よっぽどまし
声を出せなくなった僕の代わりに
君は鼻歌を口ずさむようにな ....
僕の後ろから明日が僕を追い抜いていく
僕は明日にしがみつこうと
なんとか捕えようとするけれど
ケタケタ明日は笑いながら
どんどん先へと進んでいく
僕は走るのが嫌いだから
と ....
「生まれ変わったら
元気な体で生まれるからね」
あなたは最後の最後までそんなことを言って
私の心を最後まで離さないようにする
私はきっとあなたが死んでも
毎日のように病院に通いつ ....
僕は真っ暗な中を走っていた。それは疑いようもないほどの暗黒の中だった。僕がなぜ走っているのか、当の本人である僕にも分からない。前に進んでいるのか後ろに進んでいるのかも分からなかった。ただ僕は真っ暗な ....
麻薬売りの女の子に道を尋ねた
明日に行くにはどうすりゃいい
麻薬売りの女の子は答えた
これを煎じて飲みなよ
僕は彼女にもらったものを
すり鉢で煎じてお湯に淹れて飲んだ
苦く ....
やたらに明日が眩しいね
明日の光のせいで
今日がほらもう真っ暗さ
僕のいる今日は明日の影
早く日に当たりたいけど
明日はずっと眩しくて
僕はずっと日陰者
ああ早く明日にならないかなあ ....
このまま終わっちまうのもいいのかなァ
ちっともそんなこと思ってもいないくせに
あんたはビール片手にそんなことを言う
どれだけお金がなくたって
ビールだけには金を遣う
だらしないあんたの腹を見 ....
ねェ今日も一日を過ごしたよ
時計の針が12時をまたぐのを
じっと見てたよ
明日に届くようにって
いつもより大き目の声で
昨日の僕は叫んだのに
今日になった僕に
その声なんて聞こえないのさ ....
今朝は朝から革命の鐘がうるさくて
もっとゆっくり眠っていたかったのに
カーテンを開けると町はすっかり革命気分で
至る所で革命が行われていた
昨日まであったはずの赤いポストには
何かの象徴のよ ....
どこに書いても踏み荒らされてしまうから
自分の腕に刻み込んだ「LIVE」
ムラサキの血が青白く細固い腕をなぞるように落ちる
地面に落ちた血がどこかの世界の地図を描く
地が血を飲む音が聞 ....
あるところにえほんつくりのジミーさんがいました
ジミーさんはえほんをつくるのがだいとくい
ひとりひとりにあった
せかいにひとつだけのえほんをつくります
なきむしなぼうやには
ゆうかんなゆ ....
私が1000円で売った脳みそを
あの人は嬉しそうに自分の物と取っ替えた
道端に捨てられたあの人の脳は
行き場もなくもらい手もなく
だけど元気が有り余ってる
少し面白そうだったの ....
死んでいった人の数を
眠る前に数えます
いまだ数えきることができないので
私は眠りを知りません
私の頭の中には
死者たちが溢れており
喧嘩をしたり笑い合ったり
それはとても楽しそう
....
空に二つ目の太陽が咲いた朝
それはきっときれいだったはずでしょう
誰もがその美しさに目を奪われたはずでしょう
咲いたばかりの太陽は
その美しさを誇示するように
空一面に広がりま ....
どこで受精をしたのか
また今日が生み出され
また昨日が殺されて
それでも誰も悲しまず
そうやって日々が生まれて死んでいく
私は今日の始まりに立って
一人昨日を鎮魂する
生まれたばかり ....
世界を救うんは
お前やから
そんな風に惚けたように
言う母親は
年の割には肌がきれいで
触りたくもなる
僕は頷いて
今後のプランを彼女に示すけれど
それにはそれほど興味は持たない
....
あんたの手垢がついたギターが埃を被っとる
もう弾かんからな
だったらなんで
弦の買い置きを置いたままなんかな
だったらなんで
こんなにすぐ手の届くところにあるんかな
仕事を ....
右へ倣えってさ
右にはきっとすごいことが待っているんだ
だから僕はじっと右に倣い続けた
僕はずっと右に倣い続けたんだ
きっとそこにはすごいことが待っているって
僕は左を向くのが ....
そういやこの曲を聴いていたときに
君はすでに死んでたんだね
なんだか不思議だね
僕がこんなに素敵な音楽を聴いているときに
君はとっくにこの世にいないなんて
あのとき僕はどんな思 ....
きっと正しい人たちは
僕のことなんか嫌いだろうな
きっと正しい人たちは
僕なんか見えないだろうな
正しい人たちは
とても偉いから
僕なんかが話せたりする人じゃないんだな
....
道を歩いていると
悲しみが落ちていた
僕はそれを拾うのが嫌だったから
見て見ぬ振りをした
それでも悲しみは
そんな僕に着いてきた
振り払おうと必死で走ったけれど
どうや ....
それは片隅にある
永遠にたどり着けないブラックホールの淵のような
時間の中にいるはずなのに
時間は私の外で動いている
私はそれをただ見ている傍観者で
爆発しては吸い込まれて
ま ....
それはある不幸のお話
不幸が生まれたとき
周りの人間は皆不幸せだった
毎日誰かが自殺をしたり
誰かが誰かを殺していた
みんなは早く不幸から抜け出したかったので
生まれたばか ....
血管取り出してな。中の血全部抜くねん。そのままやったら死んでしまうからな。なんでも好きなもん入れたらええわ。イライラするんやったら牛乳入れてカルシウム摂ったらええし。赤に飽きたんやったら青でも黄でも好 ....
日曜日の淵に立って
顔が鏡の男と出会う
僕を知っているか
男は問う
男の手を引いて
僕たちは日曜日の淵を歩く
君はどうして僕を知った
僕は首を振る
そろそろ帰らなければいけない ....
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