ねえ聞いてる
聞いていない
ねえちゃんと聞きなさいよ
聞かない
彼女は歌唄い
彼だけのために
歌を歌う
彼女は歌う
誰にも聞かせない
美しい声で ....
そこのけ、そこのけ
彼女が通る
男前のあんたらも
富を振りまく殿方も
国を動かす権力者も
彼女の前に道をお作り
一人いれば可憐の花
二人そろえば羨望の眼差し、道が空 ....
彼は世界を作った
新しい世界を作る前の日に
彼から久しぶりに連絡があった
元気かい
久方振りだね
今度新しい世界を作ろうと思うんだ
そうかい
世界を ....
世界は終わった
何十年か生きてきた僕も
昨日生まれたばかりの彼も
世界と一緒に終わった
やっと終わったね
待ちくたびれたよ
少し寂しいかい
そうでも ....
世界が終わる日に出会った人は
世界が終わる日に生まれた人だった
残念だけど君は今日一日しか生きられないよ
知ってるさ
彼は答える
一日ありゃ十分さ
世界なんて ....
「生」
飾りつけられた
私は
多くの輝きを
人という世界の中で
見せつけた
誰かに
伝う思い
流れ
掴めぬ物に魅せられる
仄かだ、仄かだ
....
お前みたいにようできた妹を持つ秘訣はな
兄ちゃんみたいな駄目な兄貴を持つことや
何やってもあかん
お父ちゃん、お母ちゃんに
心配ばっかりかけよる
こんな駄目な兄ちゃん見てる ....
「メイク・ラブ唄」
然し其れ即ち
恋する乙女の
啼き声夢の如し
操り操られている私
何処に行つても
此処好きと云ふ
御好きでせう
夢に狂う
少女の ....
憂い顔の蝶が舞う
襖に描かれた青、赤、緑
添い手を離せば
連れて行ってしまわれる
あちら
こちら
ひらり
舞う蝶
停まり葉は枯れ落ち
夜雨(よさめ)に羽根が ....
年を経り我を育てた人は我を見離す
己の欲望を満たさんとし
理想の女に育てた彼の人は
遺恨の場所に我を遺し
嗚呼何処へ
周りを見渡せど
雄の臭いを振り回す獣以下の殿方が
....
あやおかしな男とはいるもので
月水金になりゃ
どっかに行っちまう野郎がおりまして
火木、土日は
わたしの寝床で
愛を囁くんですが
他日は何処へか行くんですよ
ある日 ....
月 :「私は絶えてしまったのです。もう貴方の光も受け止められません。」
太陽:「私の光が強すぎたのだ。貴女を憐憫の炎で焼き尽くしてしまった・・・。」
月 :「そんなこと仰らないで。幾年を経た私 ....
あはれ女の妖かしは
されど現の恋か知らん
まるで豚の子を産んだ
素知らぬ顔の母の様
嗚呼待てど暮らせど来ない人
足が地へとへばり付く
そこから地下へと根が生えて
私の血が水 ....
なんでかねェ
止められへんもんてあるんやねェ
唖っという間のことで
なんや悲しむ暇もありゃせんわ
痛かったやろねていうても
苦しかったやろねっていうても
後の祭りっちゅうのはこ ....
【ア段】
愛していると仰るの
買われましたと言い返す
去り行く今夜違う背中
たちんぼの我を見つめよ
泣き言啼き声なんでも出せる
はめられるのかはめ ....
コンシェルジュリーに棲む女
人は醜女の心を持つと言う
不能の旦那の種で生まれた
愛しき結晶を抱いている
コンシェルジュリーに棲む女
愛した人が手を差し伸べる
掴めぬのか
....
青の彼女は
すべての醜きモノを
浄化する
阿婆擦れ女は
処女のような透明さに
汚れた世界は
誰もいない世界に
青の彼女は
すべてを浄化してくれる
最後の人 ....
もりのおくにはしたいがありました
あたしはしたいをみるのは
はじめてだったから
ちょっとドキドキしました
おかあさんは
したいにはさわってはいけないと
いいましたが
し ....
女は金を持ち
有力な血縁を持ち
権力を持ち
奴隷を連れては
男を自由に取り替えていた
女はボロボロの服を纏い
両親は何一つ残さず死に
奴隷のような毎日を送った
彼女 ....
お腹を痛めて7人目までは頑張った
8人目は途中で力尽きたから
中途半端な形で生まれた
8人目の小人さん
なんにもできないおばかさん
母さんが悪いわけじゃないのよ
何人も ....
「女の人生はまるで芝居だ」と云ふ貴方
貴方は分かったように云ふけれど
命を賭けた名演技
貴方に添うその女も
科白をなぞっているだけよ
乞い買われて
飼いならすかのような錯覚 ....
水面に浮かぶ頭部が一つ
どっかで見たなと思ったら
あんたの首に乗ってたやつだ
森に潜む首三つ
どっかで撫でたと思ったら
あんたの種で産んだ子だ
ろくな人生歩めない
....
なあ、お前
鼠や牛や虎や兎や龍や蛇や
馬や羊や猿や鳥や犬が
時間の調教師に
追い立てられてきたけど
やっぱりお前のことは
忘れられないよ
あの時まだお前のことを
よ ....
月を見ながら死ぬ君は
夜明けの太陽を
むしろ恨むことだろう
君のいない明日を
やつは何かの始まりみたいに
照らし出す
君が死ぬ時間に
起きている人は
ただ眠れない夜 ....
久しぶりに目覚めた無限は
世界中の空気を吸い込むように
息をした
どこまでもどこまでも
果て無き肺へたどり着くまで
空気たちは無限の中を彷徨った
無限はときおり
ほ ....
目隠し鬼さん
手の鳴る方へ
おばかさん
後ろの正面は誰
あの子が欲しい
十五夜お月様
ぺったんぺったん
ウサギを殺せ
(うんざり)
あの子はいらない
....
第一幕
(開幕)
私と
操り人形の
パパ
ママ
お前
ブランコを漕ぎながら
どこまで飛ぶか競う
靴とばし
お前は操られ
遠くまで靴をとばす ....
アタシとあなたが
まるで夫婦のように呼応するから
嫉妬した太陽が
あなたを真っ黒に
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黒い月
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愛しいあなたと
....
毎日毎日
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自分で自分を殺してる
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受験
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止めようとしても
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借金は雪ダル ....
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