キッチンカーの日替わり丼
いつも行列ができている
社内では手作り弁当持参が多数
外食や買い出しは少数
少数派の僕はキッチンカーの列に並ぶ
順番が来るまで
まるで今までそこになかったかのよう ....
故人の手紙を何度も読み返しては
そこから滲み出る慈しみに
自分を抱きしめさせて
水曜日
逝ってしまった時の空気が
毎週巡って心を冷やすのを
線香一本分の煙で温める

繰り返す

毎 ....
日暮の空は劫火
暗い雲で煙り
雨を予告していた

あなたが乾いた唇
開いた途端

どうしようもなく土砂降り
とびきりの笑顔
雨に打たれ
化粧が崩れて歪んだ
雨に紛れ
こぼしてい ....
最低ラインにぶら下がって
落ちてきた距離を見上げる
最高だったあの頃は
過去の星の煌めき
急に落ちたわけではない
少しずつずり落ちていた
気づかない速度で

やっと地球の上に立つ
気 ....
雪降る寒さに紛れて
一緒のポケットに手を入れて歩いた
絡まる指が僕に歩く勇気をくれた

ずっと一緒にいられると思っていた
けれどいつの間にか
同じ空の下で違う星を見ていた

春の大三角 ....
外に出る時は仮面にマント
オレの正体は誰も知らない
家に帰って気づく
マントからはみ出たガーターベルト
誰かに見られていたかもしれない
仮面を外せば
瞳が見えないくらいのつけ睫毛
そんな ....
破壊と再建の繰り返しで
歴史は編まれている

恐怖 ショック 残念
悔しさ 闘志 アクション

様々な編み方が共存しながら
延々と編まれ続け
時点時点の結果がそこにある

今日は三 ....
逃げても逃げても追って来る
明日という時間に
悪い想像ばかりしてしまう
明日に捕まったら
地獄が待っているきっと

きっときっとはカットしよう
KitKatを食べながら
どうにかなるは ....
図星がストライクゾーンに入る
黒目がおたまじゃくしとなって
白目の中を慌ただしく泳ぎまくる
いっそここから抜け出し
白目剥き出したぁい
手足よ早く生えろ
奇跡と奇跡が重なって
僕は芽生えた
勾玉のような魂と肉体
トンネル抜けて
命の泣き声をあげた

今は暗闇で泣いている
八方が塞がって
どこにも居られない焦燥感
僕が僕を否定する
鏡 ....
君が去って行った方角から
雪の匂いがする
さようならと引き換えに
雪雲を連れて来る
笑い合った日の空気は
すっかり消えてしまった
どんなに懐かしんでも
現実に戻ることはない
儚い夢のよ ....
世の中に切れ目はなく
絶え間なく変化する
グラデーション

僕が生きてる限りは
一日の中でも変化する
グラデーション

世の中の色と僕の色
馴染む時馴染まない時
重なり混ざり合う色 ....
書に少し重ねて
僕の筆跡とは異なる
朱色の字が書かれる

僕の黒の否定
朱形の強要

求められるのは
誰が書いても同じ字

僕の書は大出血していた
仕事を教えてやるよと
レトロな喫茶店に連れていかれた
ノートパソコンより新聞が似合い
年上の人ばかりがいた

テーブルに置かれた
丸い占いのマシンに百円玉を入れると
丸まったおみくじみた ....
私は私
蛇は蛇

どちらも支配してはいけない

欲望の首輪をつけて引いていくような
関係性は破滅を招く凶

それぞれの厄災はいくらでもあり
各々の環境を整えるのが吉

生態系のバ ....
はらいたまえ
きよめたまえ
かむながらまもりたまえ
さきわえたまえ

こうするしか為す術がなく
こうすることはできる

垂れる頭は重く
祈れば祈るほど
涙が込み上げる

復元で ....
冷たい雨がボトボトと傘を打つ
自然と俯きがちになる
温かなものが恋しい
こんな日に限って一人きり
水たまりを避けながら
家路を急ぐ
いっそ雪になってくれたなら
空を見上げて
頬に触れた ....
やわらかな時間は終わり
余韻も断ち切れて
再び張り詰めた糸が交差する

ドアノブの静電気が痛い
痺れたまま社交辞令のご挨拶
感情の伴わない顔の筋肉の動き

心はかつての時間に置き去り
 ....
         大         
         吉

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎
長い連休はポリネシアン
重要なのは精神の結びつき
毎朝起きがけに軽い口づけ
慈しみを込めた愛撫
それ以上は何もしないと
同じ空間にいるだけで癒され
5日目の朝にはパワースポットが発現する
 ....
今だけを走る
死なないように
食べること眠ること
延々と繰り返し
疾走する
追い抜かれても
大丈夫
背中を押すのは
生きる力
食べること
眠ること
延々と繰り返す
やがてそれは ....
子供の頃の習い事は
どれも壁が出現した時
手折ってしまった

しまった

諦めが早すぎた
選択肢が多かった時期に
自ら摘んだ芽の根っこは
まだ生きていて
芽吹けない土壌を
地底か ....
龍だった体はゴワゴワと
一年分の出来事に塗れて
空を飛ぶには重くなった
カレンダーを新しくして
つるんと剥けてスルスルと
元気に走れよ 僕
大きな蛙は呑み込んで
栄養にしてしまえ
蛇行 ....
UMAがゆらりゆうらりと
こちらへ向かっている
新月がその姿を曖昧にする
心の中に抱いている
あんなことやこんなことを結びつけ
その姿を見ようと頭の中を巡らせた

心に浮かびあがる月とU ....
ぼくが
ぼくが
兄弟揃って母へ伸ばす手
引っ張り合いをして
母を困らす

大人になっても

おれが
おれが
兄弟揃って母の気を引き
マウントをとり合い
母に苦笑いさせる

 ....
君の鼻歌を引き出すために
何を話したらいいだろう
緊張を含んで発した言葉は
白々しい空気となって
沈黙の中に霧散してしまう
きっと些細で単純なことと思うのは
僕だけなのかな
意思を感じる ....
隙間から光のこぼれる
カーテンは閉めたまま
布団の中
隣の温かい曲線をなぞり
指や足を絡め
パズルのピースを探り合い
ピッタリ嵌めて
繰り返し
もう少し
繰り返し
あともう少し
 ....
予定になかった支出
出血大サービス
足りない分はキャッシング
賑やかな時間はあっという間
その後の静けさに
血に染まった数字が付き纏い
なんだか寒気がする

赤赤赤赤赤赤赤
赤▲27 ....
なぜ悪いなぜ悪い
ステレオステレオ
この世はこの世は
地獄地獄地獄地獄
茶々茶々茶々茶々
嗚呼残念嗚呼残念
バキバキバキバキ
打ち砕く打ち砕く
ズキュンズキュン
リバティリバティ
 ....
喪服の人たちが蠢いている
涙も出ない
感情がわからない
現実を受け入れない代わりに
不思議な出来事を受け入れる
それに救われながら
不思議な世界の隙間から見える現実を
少しずつ引き寄せて ....
(537)
タイトル カテゴリ Point 日付
木曜日の丼自由詩10*25/1/23 18:51
水曜日の手紙自由詩825/1/22 18:44
劫火の後自由詩5*25/1/21 18:49
The Earth自由詩425/1/20 18:49
スピカ自由詩4*25/1/19 19:04
正体自由詩6*25/1/18 18:41
永遠の編み物自由詩5*25/1/17 19:26
KitKat自由詩425/1/16 19:36
おたまじゃくし自由詩5*25/1/15 18:45
顔を失って自由詩6*25/1/14 18:50
雪の匂い自由詩10*25/1/13 18:49
グラデーション自由詩5*25/1/12 18:35
朱墨自由詩4*25/1/11 18:44
喫茶店の水自由詩8*25/1/10 18:53
私と蛇の運勢自由詩4*25/1/9 18:40
神頼み自由詩4*25/1/8 19:04
冬の雨自由詩625/1/7 18:39
正月明けの日常自由詩4*25/1/6 19:10
おみくじ自由詩4*25/1/5 18:57
ポリネシアン自由詩6*25/1/4 18:35
疾走自由詩4*25/1/3 18:50
思い出話にしない自由詩6*25/1/2 19:18
蛇になる自由詩6*25/1/1 18:37
月とUMA自由詩724/12/31 18:29
延々と綱引き自由詩324/12/30 19:02
空気自由詩424/12/29 19:00
休日の朝自由詩624/12/28 18:35
赤い数字自由詩324/12/27 18:44
歌わせろ自由詩524/12/26 18:51
メルヘン自由詩524/12/25 18:56

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