人の夜は悲しいね
幸せになるために不幸になって
幸せを求めて不幸になって
不幸にならないように不幸になって
幸せから始まったのに不幸を選んで
どうあがいても不幸で
不幸であることしか認 ....
オレはさ
まだ自分のことが
よくわからないんだよね
間違ったものを信じてきて
それを人にすすめて
よかれと思ったんだけど
大枠で言えば
何も間違ったものはないんだけどさ
それって遠 ....
{引用=夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ、ほたるの多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし (清少納言 「枕草子」)}
君の夜をやわ ....
君が
君が笑っていられる
明日がほしかった
君が大好きな家族におはようって言える
明日がほしかった
君が大好きな友だちと他愛ない話で盛り上がる
帰り道がほしかった
君が大好きな人と恋 ....
暗闇から
太陽が昇る
一日が
朝がはじまる
担った役割を背負い
体を伸ばす
今日もいい日だ
家の外はまだ肌寒い
柔らかな陽射し
髪をなでていく風
口を開けば
笑み ....
切り捨てた
切り捨てただけ
高くなった
高くなっただけ
赤くなった
爪に赤みがさした
待ちきれなくて
街を切った
花を植えたくて
切り拓いた
花やいだ
やりきれなくて
....
集めた希望を花束に
流した涙を水瓶に
心踊る日々に清冽を
あらゆる悪業を踏み台に
星に立つ人は
あらゆる光を通し
その身をもって
御旗になる
ここは一つの通過点
宿命逆転の
....
田畑さんにお昼を誘われたので、一緒に食べることになったのだけど。
「田畑さん、こっちって、屋上? 屋上は鍵しまってるよ?」
いいから、いいから、と手招きして、僕を呼ぶ。
田畑さんは、ちょっと鍵に ....
なかった
なにもなかった
守りたい自分もなかった
守りたい誰かもいなかった
死んでもいい心情に
生きたい体が抗う
何の役にもたたない生に
居ていいという人がいる
青空ばかり ....
「ケイ、こっちだ」
「どうしたの? おにいちゃん」
「きょうはおかあさんのタンジョウビだから、ケーキをつくるぞ」
「わーい。ケーキだ。ケーキ。おかあさん、よろこぶかな?」
「よろこぶ。ぜったい ....
七夕さん
真夜中に開く本
爪の先まで青を塗った対に来やすく
まくろこすもすとみくろこすもすの医の最善は
宮廷の王と花の夢を映すあまり
青い木が物語を話しだしてしまう
足して13の落ちて落ち ....
今日こそは、花村さんをばっちりエスコートしようと思って、一緒にパスタを食べにきたわけだけど、メニュー選びからつまずいてしまう。
どうしよう。
「私、カルボナーラにするね」
花村さんがそう ....
「ねえ、笹井君って、ねこ好き?」
「ん? ねこ?」
「うん、ねこ。あの動物のねこ」
「好きだけど。それがどうかしたの?」
「今、飼ってたりする? 」
「ううん。ちょっと前まで飼ってたけど、今 ....
暴言の嵐の夜
目を閉じれば
声だけでつながれる
そんな希望にみちていて
指をすべらせ、開くネット
君の発信する信号探しても
近づけない距離だけが横たわる
言葉、交わしたことはなか ....
深夜
夜を割るように窓を開く
月
あられもななくあらわな
月(満月)
みたされたい
わたされたい
こなごなにちりたい
ちるはしからだきとめられたい
ここにいて ....
自分の思うようにしたい、と思った時、人はひどく無力感に包まれる。
でもそれは当然の法則で、人が自由意志でコントロールできるのは、自分と自分の人生だけだから。
自分以外の何か(社会とか世界)や、自分 ....
忌々しいほどに恋しくて、苦々しい
痛々しくて、煩わしいくらい好きで、
赤い、嘘みたいに
儚いくらい、赤い、会いたい
水平線、ずっと先
浮かぶ、青い星ふたつ
さみしい、むなしい
花の時 ....
聡明な月明かりに照らされて
抒情が三番ゲートを離陸します
ホワイトライトの街明かり
滑走路にして飛び立って
神話の住まう星座たち
星図に道を定めたら
たばねた祈りを動力に
さ ....
タイムマシン?
そんなの、もう爆破したよ
いらないんだ
変えたい過去も
見えない未来も
今、この一瞬には追いつけない
勝ち取ってきた虚しさも
選び取ってきた愚かさも
全部背負え ....
くだらない
触れるまえはあれほどまばゆかったのに
手にしたはしからくすんでゆく
体液で汚れたシャツ
濃いめの罪で舌がしびれる午前六時
清潔な朝日にむかって石をなげるバカな人たち
....
息は白く
冷たい空気の中に融けていく
軒先の雪だるまは
物憂げに宙を見つめ
作ってくれた子どもの笑顔を
胸の内にあたためている
雪に包まれた小さな町
窓の明かりがボウっと ....
1 2 3 4
0.13sec.