ノート(ひとつ つながる)/木立 悟
 



まぶしさのなか
音は途切れ
夜を忘れてゆく夜に
寒さだけがあたたかく鳴る


壊れた光の波が
足もとを流れる
行くところなく
巡りを描く


小さな眠りが
触れかけては消える
静かに沈み 戻る陰影
やわらかさのみを伝え来る


手のなかの木が
片目に香る
あふれるものに混じりこぼれ
芽を呼び覚ます


金が
緑の糸を結ぶ
ずっとむこうの
冬につながる


水の底の鈴
波たちが聴く
糸を重ねる曇
輪のかたちにひらく















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