2005 12/21 14:28
佐々宝砂
うーん、ひとはそれぞれでいいんだ。言い切れる人は言い切ったらいい。
私にとってよいものであるからって、他人にもよいわけではない。
ただそれだけのこと。私にとってよいものを他人に押しつける勇気が私にはない。
マラリアではない人間にキニーネを盛る勇気が私にはない。
別なたとえを使おうと思う。私の好きなものは、いうなりゃワサビだ。コーヒーだ。
それは別に悪いものではない、かもしれない。悪い面もあり良い面もある。
それを必要とする人もいれば、必要としない人もいる。
中には中毒する人もいる。一方で、苦すぎたり辛すぎたりするので食べられない人もいる。
そして断言できることがひとつある。人はワサビとコーヒーだけでは生きられない。
米でも小麦でもトウモロコシでもいいがとにかく主食が要る。
主食は絶対に必要だ。誰にとっても必要だ。詩の世界にとっても必要だ。
誰かが主食のような詩を書くべきなのだ、と私は数年以上前から思っている。
私が好きなのはワサビでコーヒーで、でも人はそんなものなくても生きられる。
深刻に必要なのは主食になりうる詩だ。ワサビ好きの私にすらそれは必要だ。