逃避行
未有花
朝焼けのプラットホームで
始発の列車を待つ間
陽炎の向こうに
見知らぬ土地の幻を見た
二人をはばむ世界から
飛び出した鳥たちは
今ここから飛び立って行く
自由な巣を求めて
泣かないで愛しい人よ
僕らはここから出て行くよ
もうふたりは戻れない
もう 戻れない
朝焼けのプラットホームで
始発の列車を待つ間
陽炎の向こうに
見知らぬ土地の幻を見た
これからの二人の行き先は
誰も知らないけれど
今ひとつの道を目指して
列車は動き始める
泣かないで愛しい人よ
僕らの
生活
(
くらし
)
が待っている
もうふたりは帰れない
もう 帰れない
朝焼けのプラットホームで
始発の列車を待つ間
陽炎の向こうに
見知らぬ土地の幻を見た
自由詩
逃避行
Copyright
未有花
2006-10-03 10:23:30
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