デザート
未有花

三ヶ月の月日がたったら
僕を食べておくれ
きっとうまい具合に熟れて
おまえを喜ばすことができるだろう
何だって!食べたくないだって!
嘘を言うのじゃないさ
おまえはいつだって舌なめずりして
僕が熟れるのを待っているのさ
おまえは気が短いから
酸っぱい僕を食べるだろう
そうして後悔するのさ
だから僕の言うことをお聞き

三ヶ月の月日がたったら
僕を食べておくれ
できればゼリーにして
青い僕の肌はひんやりして
おまえを喜ばすことができるだろう
何だって!僕が可哀想だって!
僕に同情はいらないさ
おまえは今にも僕をもごうと
準備をしているくせに
僕はそれでもかまわない
地面に落ちてべちょべちょになる前に
僕は喜んでおまえの餌食になろう
だから僕の願いを聞いておくれ

三ヶ月の月日がたったら
僕を食べておくれよ
そのくらいあればきっと
おまえも忘れてしまうだろうから
その時は喜んでデザートになろう!


自由詩 デザート Copyright 未有花 2006-09-18 13:38:26
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