「 君よ、チ玉を守れ!。 」
PULL.







三発目のライダーキックが、
不発に終わった時。
ジューの命運は尽きていた。

だが、
ここで敗北を、
認める事は出来ない。

来る金目鯛星人の襲撃を、
眼前に控えた今。
その先兵である、
右ヒラメ将軍ごときに、
敗北を喫する事は許されぬのだ!。

新必殺技、
酷電パンチを撃つ余力は、
もう残っていない。

おへそのハラータイマーは、
ひよこ色に変わり、
点滅している。
三時のおやつが近い!。

チ玉の存亡の危機が迫った、
午後三時前。
ホットーケーキのバターには、
雪印がいいだろうか?。

きゅるるぅ。
おなかが唸り、
握りしめた拳に力が宿る。

あれしかない。

一か八か十八か、
覚悟を決めたジューに、
もはや怖いものは、
まんじゅうしかない。

イィィィーーー。

雄叫びを上げ、
ジューは怪鳥になった!。

サソリ式、
ローリング袈裟蹴り、
ギャラクティカ・マグナム。

クリティカルヒットは、
ベホイミの味。

 「左ヒラメに、
  右カレイ。
  あなたの好みはどっち?。
  ・・・、
  ぐごふぅ。
  金目鯛王朝に栄光あれ!。」

誇り高き右ヒラメ将軍は、
右手で敬礼をして爆発した。

ィー。

コックリと地面に膝を付き。
ジューは、
きっかり八十八回、
この激闘を噛みしめた。

八十六、八十七、八十八。

その瞬間、
ジューのおさいふ携帯に、
ビジンダーからのメールが入った。

大変だ!。
ビジンダーの、
ブラのワイヤーが切れた!。
乳房流出の危機が差し迫る!。

がんばれジュー。
まけるなジュー。

今夜も、
君の撫で肩には、
チ玉の運命がぶら下がっている!。




嗚呼。
そこの君よ、
今すぐチ玉を守れ!。













自由詩 「 君よ、チ玉を守れ!。 」 Copyright PULL. 2005-09-02 14:07:32
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