「 落下笑。 」
PULL.






飛びたくて、飛べなくて、
逃れたくて、逃れられなくて、
おれたちは窓から堕ちてゆく。

毎日と一日と、ありったけの今日。
翼がないおれたちは羽ばたくしかない。
この腕で、この手で、虚しく虚ろに羽ばたくしか、

腹を抱えて、涙を流して、
救われたくて、救われなくて、
おれたちは笑って堕ちてゆく。

この果てになにがあるかも、
砕けた終わりになにがあるかも、おれたちは知っている。

窓の向こうには、いつも笑顔が満ちていて、
今日なら羽ばたけそうな、そんな予感。
だから笑い声は堕ちて砕ける。

信じたくて、信じられなくて、
愛したくて、愛されなくて、
おれたちは今夜、窓から逃げる。

堕ちるよりも、笑っていたいから、











自由詩 「 落下笑。 」 Copyright PULL. 2005-06-11 20:49:53
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