リアルタイム会議室ログ9月5日
片野晃司


片野晃司 [23:21:54]
凪いだ8月/霜天
結彩 [23:22:51]
描写が凄く、綺麗ですよね。
片野晃司 [23:23:40]
終戦記念日だ
結彩 [23:24:46]
なんだか、懐かしい感じがする。
片野晃司 [23:25:01]
終戦記念日って、うちのほうではサイレン鳴らしたりしないな。こないだの防災の日は鳴らしてたけど。
川村 透 [23:25:17]
うん、鮮烈だね
結彩 [23:25:34]
うん。私も。<サイレン鳴らしたりしない
結彩 [23:26:11]
あぁ、昔なんだって思うだけじゃなくて、どこか、経験したことがあるような。
片野晃司 [23:26:40]
「戦後詩」ってのが現役だった時代は、こういう詩の裏にどんなイデオロギーがあるかがすごく重要だったけど、もうそういう時代じゃないね
結彩 [23:27:10]
あぁ、いわれてみれば、そうですね<イデオロギーが
片野晃司 [23:27:24]
高校野球だと、終戦記念日にサイレンならして黙祷するよね。あの印象があるな
川村 透 [23:27:52]
うん。抑制が効いていて、良い詩だと思う。詩に関わっていない普通の人にも何かを響かせるしみいる力があるような気がする
結彩 [23:28:17]
うん。受け入れやすい詩だと思う。<ふつうの人でも
結彩 [23:29:26]
変わった間があるわけではないから、とても読みやすい。
川村 透 [23:29:56]
>君からの手紙はサイレンの中届く
>教わった通りの黙祷じゃなく
>うつむいて目を閉じた
感情のゆらめきが、印象的に響く
片野晃司 [23:30:06]
「教わった通りの黙祷じゃなく」っていうのが、僕には意味がわからないな
結彩 [23:31:04]
形ばかりの形式的なものではなくて、自分なりのって感じでしょうか?<教わった通りの…
片野晃司 [23:31:43]
つまり、本来の黙祷は、戦争で死んだ人たちを悼むものだけど、そうじゃなくて、べつのことに対して目を閉じて想う、ってことかな
川村 透 [23:33:24]
失われたものへの哀悼を表現する黙祷、死んだ名もしらぬ人々への黙祷は、悼むべしと教わった公式?のもの
川村 透 [23:34:59]
それと重なるように思いもかけず私的な思いを掘り起こされ、悼む、ふりをしてごまかしていたあの頃の感情の襞にとらわれる
川村 透 [23:35:51]
しん、としてから、ゆらっ、と目を閉じたんだろう
片野晃司 [23:35:59]
毎年、サイレンが鳴ると思い出す、ってこともあるんだろうね
川村 透 [23:36:49]
初めてついたうそ、のあまやかさ
片野晃司 [23:37:01]
http://kiri.jblog.org/archives/000894.html
片野晃司 [23:37:33]
このページ、終戦記念日は毎年大掃除の日と決めていて、掃除したら昔のラブレターが出てきたんだそうだ
片野晃司 [23:37:58]
シチュエーション的には共通する雰囲気だね。
結彩 [23:38:18]
逆に…戦争と私的なことが一緒になってて、思い出すことといえば私的なことの方が大きくて、でも、人々を悼まなければならない…という感じは…(ないですかね(汗
川村 透 [23:38:37]
ふむ
片野晃司 [23:38:53]
うん、そういう後ろめたさみたいなのもあるような気もするね
結彩 [23:38:56]
で、自分に嘘をつく…みたいな(汗
川村 透 [23:40:16]
15日、夏、サイレン、黙祷をしなさいという父、教師、作法も教わる反射的に悼む所作は身につく
片野晃司 [23:40:17]
さて、そろそろ次でしょうか
結彩 [23:40:17]
さざ波も立たずに
いつまでも動き出さない8月に

は恋心が今まで続いていることと共に、戦争を考えることの低迷化みたいな…
片野晃司 [23:40:41]
ああすいません、続けてどぞ。
結彩 [23:40:52]
あ、はいw<次
結彩 [23:41:04]
あ、いえ、私の意見はこれで…
片野晃司 [23:41:06]
透けるさん、どうですか
川村 透 [23:43:02]
けれど覚えた所作をなぞるはずの心はうつむいて目を閉じて、それも嘘。悼んでいない自分。ほんとうの気持ちを封印していた自分。夏、セミ時雨の空白
川村 透 [23:43:26]
みたいな、ゆらめき。
片野晃司 [23:43:44]
ふむふむ
結彩 [23:44:03]
うん、そんな感じもあるような気がする。
川村 透 [23:44:36]
ただ、もう少し謎がほしい、という僕のないものねだりでポイントはいれなかった。
結彩 [23:44:37]
とても、作者の感情が上手く表現された詩ではないかと思いますねw(複雑な心情の変化
結彩 [23:45:17]
なるほど〜<ポイント
片野晃司 [23:45:39]
はい、では次へ。
川村 透 [23:45:45]
はいはい
片野晃司 [23:45:53]
スイッチ/たもつ
片野晃司 [23:46:53]
いつものたもつさんの世界ですね。面白い
川村 透 [23:47:10]
ふむ、justたもつ的論理ひとひねり着地姿勢よし決めポ―ズそつなし。
結彩 [23:48:02]
途中までは布団の話なんだけど、
そこから、スイッチへ行く発想が面白い。
片野晃司 [23:49:44]
細かいところだけど、自分の妻のことは「奥さん」ってあまり言わないよね。でも、たもつさんが詩に仕上げると、なんかあんまり気にならない
川村 透 [23:49:45]
うん回路を微妙にずらすんだ。きちんとコンパクトにらせん状にずらしながら着地する
結彩 [23:49:51]
その布団からスイッチへ行く思考はかなり突飛なように感じるんだけど、自然に納得がいくというか、すんなり読めてしまうような気がする。
結彩 [23:50:11]
うんうん<回路を微妙に
川村 透 [23:50:18]
けれど、たもつさんにしては、「ラフスケッチ」だなと思った
結彩 [23:50:51]
それは日常のことを中心にしているからでしょうか?<ラフスケッチ
結彩 [23:51:33]
(私はたもつさんの掲載した詩の中でごく一部しか読んでいないので…)
川村 透 [23:52:40]
というよりも、うまくいえないんだけど、親のかたき、のもって行き方とか、コント的なところにとどまっているように思う
片野晃司 [23:53:03]
話者が状況にオロオロしている詩が多いね
片野晃司 [23:54:03]
>親のかたきにくるまれ
>毎日寝なければいけないことの痛み
っていうのが、僕はこの詩の一番のミソだと思った
結彩 [23:54:15]
とても、インパクトに布団を持ってきてる感じありますよね、読んでお。と思わせるために、それから、奥さんのキャラを分かりやすくするために、親のかたき、を持ってきた感じがありますよね<コント
川村 透 [23:54:44]
ナンセンスな飛躍を「生活」の中で「日常」として生きている、というのがたもつさんの詩の世界観だと思うんだけど、その「たもつ的生活宇宙」のショ―トコント的場面なんではないかと思う
結彩 [23:55:36]
ミソはエピソード(インパクト)な気が私にはして、題名からみて、中心はぎゅっと、スイッチにあるような。
川村 透 [23:56:18]
ちらっとさりげないスケッチというか、クロッキ―というか。ほっと一息、ブレイク中のたもつ宇宙の一断面
片野晃司 [23:57:01]
たもつさんの詩を貶めるわけではなくて、「コント」として読んでもいいんじゃないかと思う。スイッチのあたりは、「コント」を「詩」に持っていく作為がちょっとあるかも
川村 透 [23:58:37]
うん、特徴とか構成と仕掛けのわかりやすさを「コント」的というだけで、そう、貶めているのではない
結彩 [23:58:54]
なんか、奥さんへのオロオロを、スイッチ(いつもつけてるもの)なのに、すがるというかwなんとかしてもらえるわけじゃないけど、なんかなんとかしてもらいたいみたいなwそんな心情があるような気がしますw
川村 透 [23:59:48]
ナンセンスの「原初的な論理ではない論理」がかおる
川村 透 [0:00:40]
オロオロとしてプチっとスイッチ押してプチ贖罪のたもつ夫
片野晃司 [0:01:32]
「決まったところにしか繋がっていない」っていうところ、どこにつながっているのか気になります
結彩 [0:01:40]
なんか、すごくホッとする詩ですよねw10年間気づかなかったってすんなり受け止めてしまう人もいるけど、こう言うところにオロオロ感が出るというかw
片野晃司 [0:02:29]
そろそろ、次行きますか
川村 透 [0:02:47]
片野さん、そのへんになんか「原初的なもの」が見え隠れするんですが、しれっと終わらせている
結彩 [0:02:50]
「決まったところにしか繋がっていない」は、当たり前だけど、あえて何かを求めてる感じが出てるんじゃないかと…思うんですけど。
結彩 [0:02:58]
あわあわあわw<次w
川村 透 [0:03:00]
はいはい
片野晃司 [0:03:13]
ふむふむ。なるほど。 はい、では次。
片野晃司 [0:03:35]
ごらん、ゆうぐれる/みい
結彩 [0:05:54]
私にはかなり「難しい」です(汗
片野晃司 [0:06:10]
「ゆうぐれる」という言葉、いい味のある造語(?)ですね
川村 透 [0:06:48]
第一連から一生懸命につかまえようとしている「この感じ」
片野晃司 [0:07:51]
難しいけど、なんとなく伝わってくる感じはあるね
結彩 [0:08:27]
彼氏?(相手)と、喧嘩でもしたのかな…。分かり合えない感じ…?一つになれない、感じ…?…(汗汗
川村 透 [0:08:31]
僕にとっては、微妙にオロオロしてしまう第一連の「感じ」が微妙にラフだ。でもなんか伝わってくる
結彩 [0:09:20]
自分では理解してないところで喧嘩して、すぐに謝っちゃう感じ(私はそういうことがある)で、意味もわからず「ひきずってる」感じ?
川村 透 [0:09:30]
第一連、発語のういういしさのままに世界へとあずけられた言葉のような気がする、よくも悪くも
川村 透 [0:11:30]
かみさまと、あなたと、わたしのからだ、のいる世界
結彩 [0:12:26]
自分では何が悪いのか理解してないときに、すぐに理解もしてないのに謝ってしまって、その意味もわからず謝っていることにまた相手は腹を立ててしまって、引き摺って、また相手は腹を立ててしまってで、やっぱり一つにはなれないんだって、実感した時、こんな風だった気がする…
川村 透 [0:12:41]
からだからことばが、すそを引きずるような、しみるような「感じ」をひきだす
川村 透 [0:12:55]
ふむ
川村 透 [0:14:00]
だいじで、しみてくるもの、からだ。とうめいな固体
結彩 [0:14:20]
世界は一つだった、は相手の人と自分。それが、真っ二つにわれてしまって…。という話だと思ったんですが…
片野晃司 [0:14:49]
この人の他の詩に比べて分かりにくいほうだね。ちょっと鬱っぽいかな、鬱詩
結彩 [0:15:44]
鬱というか、持っている感情に一生懸命に向かい合おう?としている詩だと思いました。<手探り感
結彩 [0:16:56]
抱き合って、凝縮して、からの、句読点は凝縮してる感じを出したかったんではないでしょうか<鬱っぽい
川村 透 [0:17:30]
ふむ。結彩さん、いいね。僕もなんか向かい合うかんじがつたわってきた。精度よりも構成よりも秩序よりもしみてくる発語の切実さの詩なんだと感じた
片野晃司 [0:18:22]
うん、切実な、切れ切れな感じがするね
結彩 [0:18:30]
そうですね。<切実さ
片野晃司 [0:19:10]
みいさんの詩は音読するといい感じだね
川村 透 [0:19:27]
官能の固体、という言葉の近辺だけが、硬質で異質さを匂わせている、それは「異性」
結彩 [0:19:40]
私は音読は凪いだ八月のほうが好きですけどww
川村 透 [0:20:42]
たそがれている、だとうなだれた感じだけど、ゆうぐれる、には目をきらきらさせておもてをあげてしずかにときめいているようなわくわく感がある
結彩 [0:20:47]
うん、愛してるを言わない、体の関係(お互いの不安?)だったんじゃないでしょうか?<官能の固体 でも一つになってない感じがして、戻らない感じもして、みたいな。
結彩 [0:22:06]
ゆうぐれ、は希望というより、むしろ、日が落ちる、という意味ではないでしょうか?
川村 透 [0:22:33]
観念の中で胎児を幻視する何グラムかのたましい、
結彩 [0:23:07]
暗くなる。という…、ゆうぐれるという単語自体はとても素敵だけど…使うイメージはどちらかというと、どうしよう、どうにかしてよ、神様、みたいな。どうしようもないこと、見たいな感じがあるような…。
川村 透 [0:23:37]
うんしずかにしずんでゆくものとともに、けれどみずみずしく対峙している、ゆうぐれる
片野晃司 [0:24:43]
「ゆうぐれる」でGoogleで検索すると。。。この詩が出てきました(爆
結彩 [0:24:54]
そうですね、実際他の詩の部分と分けてある感じも見て、みずみずしくというのは分かる気がします。何か、思い出でもあるのでしょうか?
結彩 [0:25:36]
それとも、自分を深く追いやらないための、手段なのかもしれないですね…<ゆうぐれる
川村 透 [0:26:08]
ただの鬱々とした詩や痛々しいだけの詩であれば伝わりはしないが、何かそっとよりそってくれるようなたおやかさがある、ゆうぐれる
片野晃司 [0:26:21]
うんうん、道灌
片野晃司 [0:26:26]
同感
結彩 [0:26:27]
うんうん。<おだやかさ
川村 透 [0:27:29]
切実さを体ごと、ことばにしている、かみさま、に預けている
結彩 [0:27:58]
うん。
川村 透 [0:28:48]
ただ、僕が書くならば、発語のういういしさが光る第一連だけれど、もう少し推敲するときに整理したい、と思う
片野晃司 [0:28:56]
なんか批評してるうちにこの詩の良さが分かってきた感じ。でもポイントは迷うけど。
片野晃司 [0:30:24]
さて、あと、なにか言い残すことはありますか〜
川村 透 [0:30:37]
そのへんは感性の違いなのかな、と思う。ふわっと、てさぐりで発語してゆくからこそ、伝わるのかもしれないけれど、もっとエッジをソリッドにしたいとおもってしまう。それが微妙なもどかしさになって匂う
結彩 [0:31:19]
ないですw
片野晃司 [0:31:27]
感性の詩を読むと、なにか方法論が欲しくなって、そこで物足りない感じがするかもしれない
川村 透 [0:31:49]
あるいは、僕がういういしさをなくしているのか?
結彩 [0:31:58]
(私は書くより読むほうが好きなので…(汗
片野晃司 [0:32:16]
でも、とれたての感じをそのまま味わうのもまた良し
結彩 [0:32:51]
でも、もっと良い詩が書けそうですね。
川村 透 [0:32:52]
感性の詩、発語のういういしさ、たどたどしさ、あるいは、さっくりとしたセンスの詩
結彩 [0:33:10]
あ、ゆうさんw<もっと良い詩が
片野晃司 [0:33:52]
では、今月の合評はこのあたりで。
川村 透 [0:34:05]
なんかは、ポイントしようかと迷って結局しないことが多い。そしてそんな詩はポイントが高く広い普遍性、あるいは伝わる力を盛っていたりする
片野晃司 [0:34:14]
ああすみません、どぞ
結彩 [0:34:16]
は〜い☆
川村 透 [0:35:22]
そんなところですか
結彩 [0:35:23]
うん、やっぱり好みは別れますよね。どのぐらい自分的にポイント入れてもいいかによりますしねw>川村さん
片野晃司 [0:35:40]
はい、ありがとうございました。では、今月はここまで。



散文(批評随筆小説等) リアルタイム会議室ログ9月5日 Copyright 片野晃司 2004-09-05 00:36:38
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