夏の贖罪ー告白ー
未有花

私待ちきれなかったの
あの頃の情熱はもう私にはないけれど
あの頃のときめきは
今でも私の中に生きているわ

また私の好きな季節がやって来て
あなたと出会った頃を思い出したの

鮮やかな緑とまぶしいくらいの光
何もかも輝いていたあの頃
私はあなたに出会ったんだわ
二人とも本当に若かったわね

こうして緑の季節を歩いていると
何だか昔に戻れるような気がするわ

でもねこんなに季節は若々しいけど
私の心はもうここにはないのよ
あなたは気付いてくれなかったのね
季節はやがて変わってしまうこと

あなたを置いて私一人だけ
夏に向かっていたのにね
心だけ一人歩きしていたのにね

今は二人別々の暮らしをしているけれど
私はそれで良かったと思っているの
こうしてまたあなたに会えた
それだけでもう私には十分よ

あとはどこまでも輝く夏に
私はまっすぐに歩いていける
一人きりでも生きていける気がするわ

私待ちきれなかったの
あの頃の情熱はもう私にはないけれど
あの頃のときめきは
今でも私の中に生きているわ


自由詩 夏の贖罪ー告白ー Copyright 未有花 2008-06-25 12:58:49
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