「 さんさん、さん。 」
PULL.







昼過ぎに起きると、
もう太陽は強く、
高く昇っているのだ。
だから、
洗濯をする。
あいつのものは分けてある。
黒いものは黒いもの。
白いもの白いもの。
あいつのものは、
あいつのもの。
ぐるぐると回って絡まって、
洗われているのは、
あたしのもの。
洗濯が終われば、
すぐに干す。
しわにならないようにぴんと伸ばして、
外に干す。
もう太陽は、
高い。
洗濯物から透けて見える太陽が、
くっきりと、
高くて眩しい。
山の向こうでごろごろと、
夏の足音がする。
雨が近い。

あいつのものがごとごとと、
洗濯機の中で回ってる。












           了。



自由詩 「 さんさん、さん。 」 Copyright PULL. 2007-07-23 20:21:47
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