「 みんなおちんちん。 」
PULL.







おちんちんが歩いていた。

ここは、
公衆の面前なので、
さすがにそれはないだろうと、
ひとこと注意すると。
「みんなやってますよぉ。」
と返された。

そんな馬鹿なことがと、
振り返ると街は、
おちんちんでいっぱいだった。
おちんちんが服を着て歩いていた。
はげた人はつるつるのおちんちんで、
パーマの人はちりちりのおちんちんで、
ひげの人はもじゃもじゃのおちんちんで、
ピアスの人はピアスの付いたおちんちんで、
みんなりっぱないちもつのおちんちんだった。

「ほらね。
 みんなもう、
 おちんちんなのよ。」
ぼくの横で笑うきみも、
おちんちんだった。

突然のきみの、
おちんちんに戸惑っていると、
きみはぼくの手を取って、
こう言った。
「ほら。
 ここの窪み、
 ここから出るのよ。
 もっとやさしく触って、
 そう…。
 あっ。」
きみは、
硬くて大きな、
ぼくよりりっぱな、
たくましいおちんちんになった。
えらの張った縁を撫でると、
窪みから、
液が漏れた。
「まだよ。
 まだ出ない。
 もっと続けて、
 ああ…みんな見てる。」

辺りには、
人だかりが出来ていた。
みんなおちんちんだった。
おちんちんたちは、
息を呑んで、
青筋を立てて、
ぼくを見ていた。
ぼくは手の動きを早め、
舌で。

おちんちんたちがどよめいた。

「すげえ舐めたぜ。」
「あんなの見たことねぇよ。」
「あたしもして欲しい!。」
「次はあたしよ!。
 あたしがしてもらうのよ。」
「ちょっと待てよ、
 ものには順序ってものが…。」
「見て!。」
「あれはなに?。」
「濡れて、」
「…すごいわ。」

きみは仮性包茎だから、
少し臭いがきつかったけど、
それでも舐めた。
舐め続けているうちにぼくは、
うるんで、
濡れて、
きた。

「ああっ。
 出る出ちゃうっ!。」
どぴゅ。
と、
弾けたきみは白くて、
なま温かいから。
見上げた夜の向こうには、
十五夜の、
おちんちんが勃起していた。












           了。



自由詩 「 みんなおちんちん。 」 Copyright PULL. 2007-04-27 06:16:00
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