明日地球が終わるので
最後の卵を食べようと思います
全卵を大きめの器に落として
よくかき混ぜます
出来れば炊きたてのお米を
おにぎりを握れないほどのお米を
よおく混ざった卵液に ....
葉を散らし、葉を散らし
刺々しい肌に手を触れる
ほろほろと崩れる外側に
掠れた自分を重ねてみる
空気が凍った森で
ひとり
皮を剥いで、皮を剥いで
痛々しい肌 ....
はじめ!
の掛け声で始まる祭りは
一年に一度のコトで
何万の人、人、人が
何万のパイ、パイ、パイを
投げて投げて投げて
飛び交う皿
飛び散る白
飛び回る子
そ ....
ぱし
ぺし
ぴちゃ
筆の先にたっぷりと
絵の素をつけて
カンバスに投げつける
あか
あお
き
だったもの
色を混ぜれば混ぜるほど
0に ....
個の場所に立っているのは
紛れも無い私なのだけれど
ふとそれが揺らぐ時がある
幽体離脱?そう、幽体離脱
夢の様な夢じゃないような
ふわらふわらとした瞬間に
高次元の存在を見 ....
むしゃくしゃしていた。
ただそれだけだった。
コップをカフェのガラス窓に投げつけたのも、
彼岸花の根本を掘り返したのも、
アリの巣穴にネギ油を流し込んだのも、
....
頬が冷たい そして
固いものに触れている
頬だけが冷たいのかと思っていたら
なんだか全身が冷たい 濡れている
雨だ
雨が降っていたんだ
霞んでいた目がようやく
輪郭を取り戻し ....
「犯人はこの中にいません」
と小さな声がした。
ウイスキーの匂いがぷんぷん
空瓶がごろごろと転がっている
溜池。
に、うつる
しぶい顔。
と、にがい顔。
「 ....
ちょっと、痛いですよ、
我慢してくださいね。
の
がま
の所で記憶は飛んでいる。
がま
の
続きは、勝手に想像して
そう言いたいんだろうなと思った。
そう思った場所は
私が ....
羊の顔をした王様が
宝の山に
背を向けて
ばたりと
雪崩れ込む。
なんでこんな顔になったんだっけかなぁ
背中にエメラルドが、金塊が
ちくちくと主張する
壁画にはこの ....
道路の真ん中で寝転ぶ事に
こんなに開放感があるなんて
知らなかったよ
何かを見たり見なかったりで
ぼうっとしてる私を
見知らぬ誰かが続々とまたいでいく
この歩行者天国は一方 ....
えーっと、なんだっけ、
重要な事だった気がする。
一行目になるはずの、
とても明確な一言。
えーっと、なんだっけ、
思い出せそうな気がする。
二行目に続くはずの、
行き先を示 ....
急に外からブレーキ音が聞こえて
部屋のカーテンを開けると
景色がゆっくり動いて止まった
どうやら
どこかの駅に着いたようだ
部屋の窓が電車の窓と繋がる事は
たまに起きるらしいから
....
わたし恋をしたの
胸がきゅうくつで
今にも消え去りたいの
わたし恋をしたの
じっとしていられなくて
今すぐ走り出したいの
わたし恋をしたの
でもそれが誰だか
てんでわからないの ....
ここは海の底商店街
シャッター街を歩いていると
時々誰かが迷い込む
ごぽごぽ
空気の音が
ごぽごぽ
遠くで聞こえる
ここは海の底商店街
錆びついたシャッターは
い ....
フォーク
秒針
物干し竿
ありとあらゆる突起物が
釘
ガラス片
鍾乳石
私の胸の辺りから
ノコギリ
菜箸
コンパス
放射状に突き出している
三角定規
....
私もう、
人生に期待するのやめたんです。
いつの言葉だったろう
それを口にした時代は
あの時の気持ちは決して
ネガティブでもないし
ポジティブでもなかった
ただニュートラ ....
夕陽が沈んだビルを背にして
大通りを真っ直ぐ南へ
三毛猫がいた交差点を右に曲がれば
あの時の場所に着くはずだった
太陽はさんさんと照って
コンパスはぐるぐる
三毛猫なん ....
なんでそんなのえらんでるの
だってこれしかなかったから
それおとこがのるやつじゃん
だってこれしかなかったから
あしたにあたらしいのくるよ
しってるけどはやくでたいの
あとでこうかいすると ....
目の前を紋白蝶がとぶ
春の風に負けそうで
それでも戦いながら
桜はもう、ハザクラにかわりました
あなたは言った
知っている
だから、もうすぐ雨がくるんだ
....
朝から引っ越しの作業をしている
なんて 要らないものだらけなんだ
少しずつ 気付かない内に
蓄えていったんだろうか
過ぎた時を察するのは
いつも状況が似ている
光のように 矢の ....
エッ
と思って アッ
と言う
インプット
と
アウト プット の 間には
70億人から一人選んだサンプルの
サンプルの一生のような道が
広がっている ....
時間はスロウモーションのようにゆるく
春の陽射しは暖かく降り注いでいた
用事もなくただ布団を転がりながら
一人で過ごしている寂しさを紛らわせて
何かに気付いたように ....
路地裏石畳の坂道を抜けたら
ちいさな井戸がある
そこから先は
行き止まりになっていて
逆から井戸越しに
坂道を見下ろすと
一気にふもとの海まで見える
風は凪いで
....
みみせんをして めをとじて
わたしのおくふかくまでいくと
わたしのこえしかきこえなくなる
わたしのせかいしかみえなくなる
のんべんだらりなわたし
せいろんをのべるわたし
....
プラットホームで
白い息が揺れて
空に昇って龍になる
それに見とれながら
新幹線を待っている
少し足元を見て顔を上げた頃
蒸気機関車が到着していた
戸惑いながら人いきれに ....
暗闇の中
無限に続いている動く歩道がある
歩道だけが薄く 薄く照らされている
右、暗闇
左、暗闇
時折 巨木や巨石が
左右に生えては消える
時折 川面や海原が
左右に流 ....
コーヒーと砂糖
砂糖とアリ
アリとキリギリス
キリギリスと青草
青草とホルスタイン
ホルスタインと青空
青空と飛行機雲
飛行機雲と夕陽
夕陽と影
....
だめだ
それは
もう
わたしというそんざいの
しょうめいを
しょうめいを
テトロドキシンの
そんざいを
そんざいを
にげたらこういうの
さようなら
さようなら
いらだちをかくせ ....
時計台の裏側から
針が回るのを見てみれば
この世界の裏側から
時が過ぎるのを見るようで
次元が違うところにいるような
不思議な感覚に陥る
思えばこの世界は
時が過ぎるのを
....
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