起きて、起きてよ
ねえ、起きてったら
起きてますよ
いや、あなたに
起こされましたよ
あの、起きてないんですよ
実際、あなた一人暮らしでしょう
起きたら部屋に人がいるって ....
ある日私は死にまして
ふと気付いたら
地面で寝てまして
そうかここは天国かと
回りを見渡すと
そこにはただの日常があって
平日お昼の町並みがあって
寝ていた私を誰も見ていない ....
天井にケータイを投げ付けたら
ぶつかるすんでのところで
天井に小さな穴があいちゃって
ケータイすいこまれちゃって
起こった事の理解が出来ず
とりあえず検索しようにも
ケータイすいこ ....
「ヒーローあらわる!」と書かれた
スポーツ紙 一面を見ながら
コーヒーをすすり パンを食む
昨日の疲れがまだ残ってる
洗濯機を回して ぐるぐる
なんだか本を読む気分でもないし
ソファー ....
ヒグラシの虫かごを片付けながら
また来ますよ と夏が言ったので
私は わかってますよ と返した
入道雲と夕立も出ていくみたい
いつも 夏は勝手にやってきて
小さい 秋を残して ....
一ヶ月と一週間が並べられていて
レジの横には揚げたての一昨日
握りしめた過去を払って
少しばかりの現在を手に入れた
耳から聞こえる一寸を繰り返して
片手じゃ足りない隙間を集めて
....
隔離棟の冷たさと
大家族の真夜中と
テロリストの孤独と
若者の不満と
飛び立つ白鷺と
絵画の儚さと
西日の美しさと
私の影と
時計の針と
揺れる心と草舟とカーテン ....
ひまわりばたけをぬけたさきに
りんごのきがあって
きのまわりをさんかいまわると
みぎてにりんごがおちている
ひまわりというゆめ
ひだりにひまわり
みぎてにりんご ....
素晴らしく良い物を見た時の
今なら何にだって感動出来そうな
道端の花にも 空の雲にも
花に止まる虫にも 夕立にも
体が欲している 涙を 動きを 震えを
....
名前がない
出かけなくちゃならないのに
服装バッチリ決まった筈なのに
名前がない
急いで引きだし全部開けたのに
押し入れの布団まで出したのに
名前がない
ポケ ....
月の見える筈の窓で
曇り空を見ている
今にも雨が降りそうな
曇り空を見ている
かつては男だったし
かつては女だった
その人が見上げている
窓は 空は
月の見える筈 ....
こちら地球 きこえますか
月がとても美しいです どうぞ
こちらガイア きこえます
月がとても恋しいです どうぞ
日本と呼ばれていた辺りに船を止め
現在 周辺を巡視中です
まだ ....
スナップをきかせて飛ばした紙飛行機が
窓ガラスをするりすり抜ける事も
急に濃い霧に包まれた一軒家が
数千キロ移動してしまう事も
壊れてバラバラの懐中時計を箱に入れて
ガチャガチャ ....
白血球のように
私は私を運んでいく
落ち着く事なく場所から場所へ
居場所を探して
ワイパーが雨の輪郭をなぞって
すぐにじんで 繰り返し 繰り返し
どんどん追い越されていくのに
....
目を開く
はじめに見えた天井
目を開く
瞬きをしながら
手が動く
汚れた顔を洗って
手が動く
濡れた顔を拭いて
朝を作っていく
道を歩く
駅の階段を降りる
道 ....
なんにもわからない
でもわかったフリをする
そうやって 人は大人になる
大人になった フリをする
でも だれも わかっちゃいない
初めて大人のフリをして
大人のフリをした人に認 ....
何度も見る 夢の中で私は
こんな家で1日を過ごしたのです
赤色の庭で朝陽を浴びて
青色の屋根で北風に揺られ
黄色の窓に自分を映し
白色のドアを静かに閉めて
黒色 ....
祖母の見舞いに向かい
隣のベッドには一人の女性
賑やかでいいわねと
放ったその目が寂しくて
少し悲しくなる
今日もまたニュースでは
孤独な終わりが告げられて
日本の勝利に酔っ ....
ある日何かが落ちてきて、
頭に当たった
痛い、凄く痛い
地面に落ちた音がして
そこを見ても何もない
手を伸ばすと 感触だけで
これが何だかわからない
何が何だかわからない
不思 ....
私のバイクの鍵には 鈴が付いている
バイクに乗ってない時は
バックに入れているので
バックを動かすと シャリンと鳴る
バイト先にいる猫には 鈴が付いている
お腹が空いてない時は
座 ....
今朝 起きて
時間を確認しようと枕元を見る
そこには一つ前の携帯が
充電器に刺さっていた
いくら探しても
今の携帯が見つからない
そういえばこの前買ったごみ箱も
起きてか ....
私たちは 地に落ちた猿だ
もどかしさ抱えて 争いをする
伝わらない言葉 伝えたい言葉
言語を分断されて尚
互いに干渉をしたがる
伝わらない言葉 伝えたい言葉
眼 ....
泣くほど綺麗な空を見て
思わずカメラを構えて
撮ろうとした途端 嵐が吹いた
泥水がレンズを濡らして
暴風に私は飛ばされ
起き上がった途端 夢から覚めた
夢で見た 広い世界は時と ....
人は 指針無しでは
歩いていけないと言う
それもまた一つの答えなのか
人は あなた無しでは
生きていけないと言う
それは私が弱いだけなのか
あなたは偉大なマージナルマン ....
「悠々自適な生活、老後は江戸へ」と
街頭ビジョンに八百八町が映る
隣を見れば
「未来のテーマパークで新しい興奮を!」
と、目にうるさいホログラフの看板
現在更地のあの場所に
1 ....
落とされた 水の中に落とされた
炭酸水に落としたストローみたいに
体に付着した泡が昇っていく
キラキラと輝く水面に
青白い手が見えた
一匹だけ はぐれた回遊魚が迷い
かろうじて ....
私は嘘を着て暮らしている
一刻も早く脱ぎたいのですが
これがウエットスーツのように
へばり付いて難しいのです
私は嘘を着た魚
私は嘘を背負って生きている
....
海にとける この感覚が素敵ね
優しい波音が聴こえてくる
潮風を連れてきたのでしょう
遥かな古代に想いを馳せて
小波に揺られてくのでしょう
何時から知ってた? ....
寝床に光が差し込んで、
私の一日が始まる
顔洗い、歯を磨き、
いつもの朝ご飯を用意する
じゃがいもの味噌汁、目玉焼き
カリカリのベーコン、梅干し
それと、炊きたてのお米
....
二人掛けの座席に体を埋めて
揺られている 誰かが思う
向かって右の初老の男性には
孫が居たりするのでしょうか
薄いグレーのような日の事です
井戸の中から連れ出してと
人 ....
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