雨の降る夜更け

窓の外に誰かが立っている
カーテンの隙間からこちらを覗いている
俺にはわかっている
覗いているのはお前だろ?

びしょびしょに濡れたヤッケから
しずくが滴り落ちる
 ....
「空になん、汝の息絶ゆるとわれはながめぬ。」?

中也よ
私たちの美智子は
ジュラルミンの盾に押しつぶされ
鋲付の長靴に踏みにじられ
樫の棍棒で殴り殺されたのだ

「汚れちまつた悲しみ ....
医学部旧舘の地下資料室の
うっすらと埃をかぶった棚の上に
直径30センチ高さ50センチほどの
広口のガラス瓶に入って
私たちの未来が眠っている

かつて光にみちていた
その眼は堅く閉 ....
瓜生嶺人(3)
タイトル カテゴリ Point 日付
自由詩009/4/13 9:40
みちこ自由詩109/4/6 8:51
ホルマリン漬けの未来自由詩509/4/4 12:07

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