その光、希望
この体を照らすことがなくても
輝きをやめず
そこに落ちていてくれるのなら
あたしはそっとすくいあげよう
そして砕いてしまおう
粉々に砕いたその光
粒子状になったその光
....
いつもより ちょっぴり
おしゃれして スマイル
そっぽ向いた横顔よそゆきね
星降る夜に幕は上がる
すべてのはじまりが 今ここに
眠れない君 寄っておいで
共に明かそう 赤裸々に
....
眠らない町で息してる
ネオンの輝き眩しすぎてくらむ
目の前が
足元が
見えないよ
迷い子の思春期 大人たちは神隠し
ミルク飲みの赤ん坊泣いている
灯りのない部屋 唯一の居場所
「探 ....
燦然と輝く希望の光
さえ、
まぶしすぎては人の心に影を生む
どうか、
この願い
朽ちるより早く
この願い
遂げることが叶うなら
あたしは
あたしの魂を
死神に差し出すことを躊躇わな ....
乱雑な思考回路
見えない絆と契約に
踊らされていた雨の夜
頼まれれば「はい」と言う
素直さなんかじゃない何か
ドロドロで汚い何か
舌打ちする自分を脳に描き
唯一のはけぐちにする
....
家の中
黒い蜘蛛が
足元を横切って
その不吉さに
驚いたあたしは体の
バランスを崩して足をくじく
突然足をくじいたあたしに
驚いたのは黒い蜘蛛
四角い部屋のひとつのかどで
動きをとめ ....
渇いた世界にドライな人々
友情や恋心にさめた暁
他人に無関心を決めこんで
そのくせかまって欲しくて
涙で誘っても
あとに残るは後悔と自己嫌悪
頬をつたう一筋の涙
うつむいてこぼれた涙 ....
教室、
ずんと構えた黒板に見張られた僕ら
先生はちっぽけで
虚勢を張っているがチョーク持つ手は小刻みに
震えているのが見えたから
僕らはくすくす
意地悪な空気が教室を包んだ
ねえ、先 ....
大きなてのひらのごつごつしたそれで
頬杖なんかついてないで
あたしの頭を
やさしい手つきで撫でて
欲しくて
欲しくて
上目遣いで媚びてみても
一蹴されるオチならば
あたしはあたしを辱め ....
背負った夕陽の大きさは
この目に見えぬが
その重さは しっかりと
この身が感じて受け止める
大切なのは
目に見えるものだけじゃないんだって
心が気づいた瞬間に
黄金の光があたしを包みこむ ....
いつかの{ルビ涎=よだれ}のあとが
シーツの上で
かぴかぴに乾いて
こべりついていたり
枕元には
幾日分もの抜け毛が張り付き
昼寝の
心地よい気分を害す
絨毯の上
置き忘れられた ....
くるくる剥いた林檎の皮が
包丁持つ手にぐるぐる巻きついて
気分はまるで蛇使い
蛇の色の鮮やかさに恍惚
とする自分にエクスタシー
赤い風船 くもり空に飛ばして
太陽みたいだね、って
指 ....
歯車が僕らを離してゆく
からからまわる時を示す針
一定のリズムがもどかしくて
破壊の衝動は寸秒の歪みも叶わない
理想ははるか高いところ
目標は片足のジャンプで越える高さ
少し弱った心が ....
伸びすぎた前髪 ザクザクに切った
前がよく見えるようにと
君の顔がよく見えるようにと
目の前が明るくなるようにと
様々な願いを込めて
風が吹けば長い前髪は舞い上がって
視界はひらけるは ....
目の前に開く闇
閉ざされた心に 甘い蜜を差したなら
その甘さに酔いしれて
知らず知らず
口をあける
もっともっと
神経が騒ぎ出して
心は欲望のままに
前も後ろも忘れて憐れ
醜い動物よ ....
大切なものは手に入れない
失くしてしまったら悲しくて
その悲しさのあまり
手に入れてしまったこと自体
後悔してしまうから
大切なものは失くす前に
自ら手放すことにした
自分から望んで ....
雨露のメロディー悲しげに
しっとり堕ちて
耳の奥 鼓膜に触れてこだまする
深く息を吸い込んだら そのまま
静かに呼吸を止めて
僕は瞼を閉じる
ひと息の自由を手に入れて
都合のいい夢を ....
静かで暗い森の中
鳥の羽音が不気味に響いて
あたしは足を止める
足を止めると今度は
茂みの方で小動物がうごめく気配
あたしの体は硬直して
動けなくなる
ここは迷いの森
迷える人間の ....
沈んだ心 深い深い海の
底の方から引き揚げて
二度と沈んでしまわぬようにと
浮き輪をつけて海に逃がした
いつから変わってしまった
すっかり影を落として寂しげに漂う姿
何度も何度も見かけ ....
涙をこらえた夜も
涙を流した夜も
空には満月が浮かんでいた
夜空は 月の光でうっすら明るくて
ときどき雲が流れてくるから
その光を遮ったりした
悲しくないよ
だって
溢れる涙は ....
窓ガラスの向こう側 流れる水滴 指でなぞって
描いたのはオリオン座
寒空の下の記憶
どうしてなの?
忘れたくない記憶ほど 速いスピードで薄れていくよ
嘆きと悲しみがいっぺんに押しよせて
....
鼓動にあわせて足音が
響き渡る廊下の窓から射した光は
あたしの足元から影を伸ばした
その影は闇と一体となり本来の形を失い闇を広くした
のも束の間
まばたきのうちに光は背後から射してきて
本 ....
腐った果実の名前を呼んで
食べてあげることはもうできなくて
名前を呼ぶことくらいしかできないけれども
だから せめて
大きな声で
腐った果実の名前を呼んで
もぎたての頃を思い出す
真 ....
傷ついたあたしを
これ以上癒さないで欲しいのに
つないだ手と手を切り離せないのはなぜ
あたしはあたしの意思でもって
癒されることを望んでいるというのか
あるいは
新たに芽生えたこの感情 ....
窓辺で枯れた観葉植物
一滴の涙とやさしい吐息でよみがえるのならば
枯らすことなどなかったのに
どうして気づけなかった
日に日に干乾びていくその姿
気づいたときにはカラカラで
ミイラみた ....
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