さて私の性癖を口実に
不埒な連中が窓の外にうろつき始めて
早五日ほど、経過したのであるが

せめてもの願いとして私はすべての本能を忘却しようと試みている
それは無理というものだろう、しかし
 ....
誰かに話しかけてほしかった
誰でもいい誰かさんに「今夜も街は雨なのですか」と
尋ねようか、どうしようか
僕は今、新宿東口に居て
途方もなく眠たげなんだけどさ

  ゴキブリだらけの
 ....
夜の街を歩く僕はがらんどうで、容赦なく風は僕を通り抜けるのだから僕はまさしくがらんどうそのもので、だけれど僕が見ている街の景色、例えばオレンジ色の街路灯、海まで続くと訊いた道、車のエンジン音には確かに .... 誰よりも燃え上がろうとしなくてもよい
どうせいつかは焼かれるのさ
身を粉にまでして何になる?
どうせ灰になるっていうのに

どうせ生まれて死ぬだけさ
その間、繰り返すだけ
つまらない嘘を ....
瞳の先の 仄かな揺らぎを
感知するのが 私の習性

痺れ続ける毎日が 毒という毒を盛り
空白が 膨らんでいくから

気怠さから 抜けられなく
見知らぬ人にまで 助けを求めたなら
それが ....
おぼろげ、息が苦しい、
あの角のまあるい
ケシゴム

ヤミノナカニホウリコム
最新だ
最新だ
最新だ
さい
しん


  所謂、doorからdoorへのsampling
  ....
うす暗やみの酷い雲
褪せた紫の大陸
農村地を走る若い自転車

城へ、城へ
うす暗やみの酷い雲が立ちこめた
生きる術もない
だからそれが其処のルールさ
生きる術もない
古城のようなアン ....
       星
     が   落ち
            てくる
    星が
         落
   ちてくる


僕らの街へ
僕らの凍てついた平野へ
僕らの絡まりあ ....
浮世に埋れてくそったれ
舌足らずにオンボロの黒服
並びにポンコツモーテル
くそったれしみったれワルツ
黒服が脚ダンダン
鳴らすは浮世 轟のワルツ
総じてポンコツワルツ
黒服の空洞の魂 ....
一日が昨日の焼き増しでやりきれない
陽射しが薄いカーテンをくぐり抜け
ブラウン管の画面に撥ねる
ちくちくしたいらいらをぐるぐる
誰に噛みつくわけもなく
さして何になるわけもなく

街の中 ....
 周期的ヴァイブレーション
 この路地から未知を痙攣させていく
 浮遊する宇宙、らしきもの
 を尻目にまた歩き出す

 歩みは止まなかった
       カワノナガレノヨウニ
    ....
どうにもいかないときがあって
パープル原野に辿り着いたってわけ
記憶はない
そういったほうがなにかと都合がいいし
なんたって享楽的

とはいっても昨夜
おれははじめて死を思った
出 ....
或る部屋の窓辺で
日が陰を大きく傾げるのを
ただ子供らの声とも
蝉の啼く声とも判別し得ぬ
まどろんだ感情のまま
ひと思いに飲み込んだ

風景の無味乾燥な後味が
一度体内で逆流を試みたも ....
ラグビーボール状の大地から すっくと佇む
月並みの強い風でも来れば吹き飛んでしまうとひとはいう
深夜の人気のない通り タクシーのライトが意識に撥ねる
歩き出してすぐさま 無心への欲求が増していく ....
十九歳だった
おれの周りを浮遊するものがあった
殺意だった
おれは恋人を友人を家族を学校を大人たちを
すべてを殺したくて仕方がなかった
ただの殺戮じゃ飽き足らない
何度も何度もナイフで突き ....
電子時計が0時00分と日付、室温を示している
街路で発狂したような救急車のサイレンが響きわたる
長く続けていた会話が閉ざされる
無機質な室内に空調の音が呻いている

自動ドアは休む間もなく開 ....
地球儀を回転させまして
わたしは20世紀を忘れました

太平洋がひたすら鼻につきました
なのでイタリアのブーツを履いて
試みに外に飛び出してみたのです

残念なことにこの通りはローマ ....
座椅子に凭れかかり
1日の疲労を改めて我が身に回顧させる
   ここはどこ?
   アタシはだあれ?

左手が6つの弦を
 押さえ
  移動する
右手は弦を弾く
  振るえ
    ....
薄い雲が空から細かな雨を降らせている
明け方の曇り空の表情はあと二時間ほど経過したとしても
さして変わりはしないだろう

彼は窓を開けて煙草を吸う
二階の部屋であったが小高い丘に家が位置する ....
草の葉がこすれ 香る
小さなからだを 大きく横たえ
突き抜ける空を眺めた
輝く太陽が おれの目を細くし
やがて 真っ白な世界を作り上げる
すべてがひとつにでもなったかのような
幻の時間 ....
経験し
若くして
信用し
信用した
先が
つまり
此処じゃない
でしょうか


この国道の
午後二時ごろの空は
いつも曖昧に青白い
夜明けの空が
好きな僕は
平坦な一 ....
くたびれた男よ
お前は目の当たりにする
      きっとそうに違いない

異国の空の下で渇ききった老人が言う
くたびれたと
くたびれた男はさらに
若しくは焦がれていた本音を同じ言葉 ....
「マリー、おれそろそろ出て行くよ」

気ままにメロドラマに感動して
勘当と父に告げられ

もう会うこともない

おれを裏切り 救済しなかったファムファタール
ディスチャージやジョー ....
対象を持たない殺意が
やるせないまま数日を
行き来している

ぼくが見てきた他人の堕落が
両手では抱えきれない空間を
やはり右往左往している

高校生の衣を着たぼくだったころ
ぼくは ....
どうしたことか
僕は立ち止まり周囲を見渡した
ひっそりとした青の空間
生温い生命が近くで息づくのを察知した

ここはずっと前にも来た場所だ
その瞬間、絶望に落っこちそうな気持ちが
決 ....
僕が暮らすには少し広すぎるこの8畳のワンルーム
吐き出す煙で空気はとても悪いだろう
しかしあの娘が部屋に来るとむしろ狭く感じるのだ
この部屋はどこにも逃げ場がないのだと気付く
悲しむなかれ ....
心は死んで あいつは
墓の中で薄れながら しんなり笑っていた
電車は定時にきっかり訪れ
我々の事情も知らぬまま また
また 繰り返す
毒を盛ることなどや ほか 様々なこと
を 試みに  ....
頭をかかえることが日に日に増えていく
信じることはやめないけれど
今日もたくさんの不安が降り注ぐ

本当のことを言おう
閉塞感やどうにもならない苛立ちってのは
思春期に限ったことだと思 ....
川にもいろいろあるようで
長江やらガンジスやら一級河川やら
ただ今、僕の眼前を流れる川には
どうやら名前がないようだ

名前のない川
名前のない橋の下
家庭排水に汚染されたヘドロのような ....
洗濯で私の衣類は摩耗し
洗練から遠ざかっていく
途轍もない落差のフォークボール
私はいつの間にか捕手になり
日々の倦怠からサインを送らなかった
こうした私の一切の冗談を排した
しかしフ ....
熊野とろろ(33)
タイトル カテゴリ Point 日付
眠りを忘れるための千の疑問自由詩109/9/27 21:46
新宿自由詩1+09/9/24 12:49
ポケットのなか自由詩209/9/9 22:46
さすらい自由詩109/9/6 15:40
彷徨自由詩209/9/5 14:43
Sensation自由詩209/9/2 7:59
不気味な水平線自由詩109/9/2 7:54
落下星自由詩3*09/9/1 3:27
ルーザー自由詩1*09/8/24 23:01
ゴロワーズの煙自由詩2*09/8/21 18:58
life/noise/impatience自由詩1+*09/8/19 23:30
パープル原野自由詩3*09/8/18 17:40
自然、体自由詩2*09/8/17 15:33
インソムニア自由詩3*09/8/6 1:10
邂逅自由詩1*09/8/2 11:29
反逆する風景自由詩2*09/7/31 21:19
回転する世界+忘却自由詩0*09/7/31 11:20
ブルース・スケール自由詩2*09/7/30 17:28
或る朝のまなざし自由詩2*09/7/27 6:16
黄金自由詩0*09/7/26 9:40
やけ自由詩1+*09/7/24 4:19
くたびれた男自由詩0+*09/7/24 4:16
二番目のマリーに自由詩3*09/7/24 4:08
ルンペン自由詩2*09/7/22 5:29
見慣れた路傍の横顔を見た自由詩1*09/7/20 16:29
空中は狭く侘しい自由詩009/7/20 16:17
灼熱の季節自由詩1*09/7/19 15:50
脆い自分に向けた精神的跳躍のための自由詩3*09/7/3 15:18
名前のない川自由詩1*09/7/2 18:26
灰に埋もれた日常のスケッチ自由詩1*09/6/28 9:44

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