涙が乾かないうち

また雨が降る
生きているよ

今も

泥みたいにね
なにも感じないでいられたら



雨の匂いに



こんなにも胸を痛めなくても済んだのに



なのに降り続ける雨は



遠ざかる傘の記憶を 小さく落として
 ....
過ぎ去った時間とすれ違う



あの頃の亡霊が手招きする



恐れてなんかいないのに



前に進めないで立ち止まったまま



悲しい瞳をしている{ルビ理由=わけ} ....
僕の 微熱

少しだけ 上がった 体温を 

冷ます風が ゆっくりと 

夕暮れを

つれてくる



もう

少しだけ 遠い

昔になった 君



僕の 前 ....
おまえの

細く白い身体が

夏の日差しに消えてしまうようで

俺は

泣いてしまいそうだ
東の空に夜が這い出て

闇は

何もかも消し去った
濡れた瞳も
ぜんぶ、ぜんぶ

指先の温もり
錯覚

あなたには届かない
もう
声も、想いも
ぜんぶ

ぜんぶ

 ....
消えてしまったものは
戻ることはなかった

生まれだした言葉たちは
流れていくだけで 意味もなく

誰にも届かず
しずかに

消えた

私は
しずかに

うつむいた
 ....
この世に、永遠など無いと
君は言う

すべてに
終わりがあるというなら

その時まで
君の側にいさせてくれないか

終わりの先にある永遠を
僕が、必ず
見つけるから
とたんに訪れた静寂に
鼓動は早くなるばかりで
意識はとうに薄れ掛けているのに
聴覚は研ぎ澄まされて
規則正しい息遣いの中
時折
深く吐かれる息が
二人の心が繋がっていること
教え ....
息が切れるほど
逃げているのに
繋がれた鎖が
食い込むように痛い
君の手のひらで
雪は溶けていく

それは
僕の涙だと

君は気付かない

季節外れの雪は
僕の思いなのだと

君は気付かない

そして、君は
誰かの腕に抱かれて
雪は ....
きみを愛する力をなくしたみたいだ

だから今夜も身体をアルコールで満たし

嘘をついて感じた振りをして

「愛してる」なんて微笑んだりもする


うそつき。
電話の向こう

途切れ 途切れに きみの




・・・お願い お願い


途切れ 途切れがちの きみの




もう ダメだよ
もう 戻せないんだ ....
雨降りの日はあなたに会いたい
ジーンズの裾とスニーカーはもう
びしょ濡れだけどあなたは
雨に濡れてしまうよりも流れていく
雲を見ているほうがずっと
悲しい気持ちなんだって言った
同じ形 ....
睫毛の触れる距離
キミの吐息

あぁ

こんなにも
こんなにも

堪らなく
何故に
こうも堪らなく

突き上げる
衝動は
見開いた私の
眼を

濡らすのか

 ....
「好きだよ」


君が言う。




私は
その腕の中


泣いてしまいたかった。
テールランプが
アスファルトを赤く染める

夜がこんなにも深く深く
街を飲み込んでいく

手を伸ばしても
きっと届かない

あなたの手のひらは
今は誰の手を温めているの?

 ....
ただ、ぎゅっと

握り潰してくれるだけで良い。
オリオンの囁きが聞こえたような気がして
闇が続く空を、見上げた

白い息が流れて行くのが見えだけど
それは、さっきまではアナタの言葉だったモノ

ほら、
もう音も意味も無くなって
 ....
あなたが恋しくて
堪らなくて強く指を噛んだ夜
滲んだ赤がとても鮮やかで
私の 不安とか 孤独とか





誰も 気づかない





私のことを 知る人は 誰も

いない  この街で





ただ ただ 歩く 歩く



 ....
雨に濡れる街

続くテールランプ

にじむ赤

隣で笑うきみ

遠く聞こえるカーラジオ

永遠に
このときが続けばいいのに


私は指先に針を刺す

にじむ小さな赤い点 ....
寂しさを紛らす為
アルコールで満たす夜

なのに

恋しさが堪らなく

堪らなく 私

ただ

通り過ぎただけの

ただ

気まぐれの

ただ

それだけ
 ....
オレンジ色の月の夜でした
夏の余韻はどこにもなくなって
枯れ落ちていく葉音がカサコソと

年老いた猫が
にゃあ、と鳴く
目も合わせずに遠ざかる

「ひとりにしないで」

長く伸 ....
それは、
月の輝く夜ではなく
夕日の下でした

影は長く惰性的に伸びるだけの
夕暮れでした

鳥は何処へ行くのかさえわからない様で
ただ、ただ
東へと、西へと風を読み向かうように ....
ねぇ、
君は小さな身体で
世界の流れ、時間を過ごしていて
酷すぎるくらいの情報過多の時代
君は処理機能を失いかけている

本当は、違うんだよね

君の目は、涙するためのものじゃない ....
さらさらと 流れる黒髪を

優しく手櫛でといて

こぼれる吐息を

その唇で閉じ込めて欲しい

白いシーツの上

五線を蹴る左足が奏でるものは

気だるく流れる シャン ....
腐り落ちた果実の臭いが
こみ上げる吐き気の原因だろう

腐ったのは私の思いだ
そうだ
君への思いだ

浴びるほどシェリーに漬け込んだ
私の身体から腐り落ちた果実

艶々と赤く
 ....
グラスの中の琥珀色
花は散る、天に昇る
かのよう、昇り、花は散る

直線になる
ばらばらの死体
それは、木々の隙間
こぼれだした
光たち、の姿

心臓は、鼓動を続け
次第に早 ....
いのせんと(69)
タイトル カテゴリ Point 日付
雨 のち 自由詩009/7/2 0:54
近況自由詩0*09/6/28 22:51
あめふり自由詩209/6/27 22:10
亡霊自由詩109/6/26 21:51
オレンジ色のしずく自由詩009/6/2 22:44
ゆらり自由詩209/6/2 22:38
闇に消える自由詩109/5/25 19:07
あの日自由詩009/5/21 0:26
Proposition自由詩509/4/22 0:40
昇天する自由詩109/4/12 1:41
自由詩009/4/6 23:41
春の雪自由詩209/3/20 23:46
うそつき自由詩009/2/20 23:56
フローズン自由詩009/2/3 23:49
雨の日彼と私と自由詩109/1/24 0:46
衝動と…自由詩009/1/18 13:18
君が、自由詩109/1/10 23:39
消去不可能自由詩109/1/6 22:59
消滅自由詩4*09/1/4 1:45
オリオン自由詩208/12/23 0:32
恋わずらい自由詩2*08/12/19 23:20
9/21自由詩1*08/12/19 15:32
SLEEPER携帯写真+ ...108/12/18 19:08
自由詩0*08/12/17 23:17
オレンジ色の月の夜自由詩008/12/17 22:16
願い自由詩1*08/12/17 15:10
再生の朝自由詩108/12/16 17:10
左足が奏でるもの自由詩008/12/15 22:41
腐り落ちる自由詩108/12/15 15:24
ネムル自由詩2*08/12/14 22:12

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