できれば少女のまま
死にたかったのに
 
 
星を撃ち落として
泣いた
 
 
冷蔵庫のなかの花は
ひんやりしてた
 
 
リボンは全部
捨てた
 
 
だれかの孤独を ....
 
 
 
 
桜葉のような少女の手を
抱いて
うら若きわたしが泣きます
 
 
波濤の白にいくつもの
瞳は
飲み込まれて
 
 
月がいつまでも
母恋しと
ひかります ....
 
 
 
百匹のトナカイ
百匹のトナカイ
 
 
 
五匹が雪の国のひとに
食べられました
 
 
 
九十五匹のトナカイ
 
 
 
二十五匹がライフルを持ったひ ....
 
 
墜落するくだものたちをあなたは笑って見てる
 
 
白い砂をびんにつめるのはながれだしたときの音が美しいから
 
 
二年生の教科書に書き込んだ虚像はわたしによく似ただれかのわ ....
それは
きれいなものでしょうか
 
 
本来のかたちを
たどって
宙返り
先祖のゆめを
かんぺきなさざ波のなかから
みつけるのか
あなた
ゆびがなぞりはじめる
ト音記号の
曲 ....
あのとき落とした
こころは月と交差して路上で
あざやかに
ジャックナイフ
通りすがる
とろりとした少年の
心臓を刺すよ
少年は
きれいな目をしている
不思議
私もきれいな目をしてい ....
 
 
石灰世界のバレリーナが
地球を舞う
時間単位と
刹那の届かない指先の
絶対距離が
積み重なって
できる
幾重にも
折り重なって
できる
比重みたいなもの

 
 ....
 
 
 
 
 
数分前に
自殺したきみをみたよ
 
 
 
僕はまだ
目を閉じれば平和が見える
 
 
 
昨日
ピンクバスに乗り込むきみをみたよ
 
 
  ....
 
カナシイキモチデ
 
オボレテミル
 
アオイ
 
セカイ
 
ヲミル
 
 
ぷく ぷく
 
 
ボクノ
 
セカイハ
 
ナンダカ アカルイ
 
アカ ....
 
 
 
 
 

 
白い季節
目覚め
きみの
やせた体
きみの
角張った
 

 
 
 
点滅する 過去
点滅する 未来

かろやか な
映 ....
 
 
 
 
 
白い 渦をまいた貝
(ふふ ふ)
 
 
 
ばらまかれた月は
きれいな はなみたいはなみたい
 
 
 
緑いろのいい 目をしているね
 
  ....
 
 
 
 
 
なんども あなたの口のなか
滑らかにうごく舌を目で追って
なんども あなたが左手で記していった
細い字を指でなぞったよ
 
 
 
だからこんなにも、目眩
 ....
 
 
 
 
 
琥珀色の教室の隅で
 
 
 
うずくまった
背中のよわい夕日が
 
一年後と
十年と
未来、のあいだに
 
 
 
消えてしまわないよう
お ....
 
 
 
 
きみはコーラを飲み干せない
柴犬のジョンは鳴けない
そしてぼくは笑わない
 
3つ揃うと
「不幸」
ができた
 
きらきら光る
「不幸」
だった
 
  ....
 
 
強い人の論理で殴らないで
犬に似ていると言われた
ぼくの目の
黒い領域は微 か
 
さようならとハローを
同じ手のひらで振りかざす
恐いもの知らずさんであろうとした
 
 ....
 
 
 
 
 
 
喪失!喪失!喪失!喪失!
 
 
――水であるところの僕たちは
滞ることを許されない――
 
 
 
 
置き忘れた瞬間にはなくなっているのだ
 ....
 
 
 
 
笑ってくれればいい
ぼくのシャーペンの芯から
世界と音楽が生まれるだけだから
 
好きなだけ笑ってくれればいい
きみの隣でひたすら
ギターを愛するだけだから
 
 ....
 
 
 
一粒の真珠を噛み砕いてから
ようやく僕はそれが
砂糖であったことに気づく
 
 
 
頑なな窓ガラスは
粒子を跳ね返し
伝うことすら許さない
 
 
 
夜行 ....
 
 
 
教室のはしっこで
うずまいて溺れた
リボン型の蝶は

 
 
きたならしい
箒はそれを払って
夢ばかりつまった
ゴミ箱に捨てる
 
 
落日になじむよう
 ....
 
 
 
広告のなかで
おばけみたいな女が
笑う
 
きっと今日も
教卓のうえで
聖典が晒されていて
 
朝飲んだ牛乳の
白さだけが
清廉でしたねと
 
地下鉄をくぐる ....
 
 
 
 
二人の住む街は
汚れた雪しか降らないから
きみはそれしか
知らないでいる
 
街灯の光は
ぼくたちの知らない間に
静かに青白くなっていって
だからこんなにさびし ....
 
 
あなたの
佇む公園で私が踏みにじったのは
黄色い無垢の花
 
音をたてて
壊れてしまう夕日に
眩むよう
 
 
 
 
なにもなかったみたく笑って
もたれかかる
 ....
 
 
 
刺さった葉をやわらかく落下させて
空気を入れ換える季節よ
 
あれは子供たちが最初に見つけた
 
地球の旋律なのだ
 
 
 
よーいどん
 
で駈けだした足が ....
 
 
迷宮入りの
記憶に住む風景は
微笑む理由を
教えてはくれない
 
 
赤い炎すら
つめたさを流すから
ほろりと笑った
きみが寂しい
 
 
塀に沿って歩く
怖いの ....
 
 
 
どんな人間でも、
最後に行き着く場所は海なのだ
 
 
先生はそう仰った
 
 
 
私は 先生の指の先の
 
 
青だけ、見て
 
 
海を滲ませた
 ....
 
 
 
リアリティを損なった青春と
 
 
お金と服と安い性器
 
 
ふるえたのは端末化したぼく
 
 
薄くなったまぶたを伏せて応答する
 
 
 
欲しいのは ....
 
 
 
いつだって
重力を
消せるのだと、信じてる
 
紺色のわたしたちの
ひざは細く
鋭い
 
 
ここに時計は
もはやないよ
 
 
だれもいない
壁の向こう ....
 
 
 
光る校舎で
 
 
囁いたわたしたちは
 
 
数年経てば紺色だった影の記憶すら
 
 
なくなってしまうのを知っているから
 
 
こんなにも微笑んでしまう ....
森さかな(28)
タイトル カテゴリ Point 日付
フォーク自由詩608/5/9 19:24
五月自由詩4*08/5/3 12:09
やさしい冬のはなし自由詩308/4/20 11:43
春はワンピースを着て自由詩408/4/10 21:46
林檎をやぶる自由詩108/4/8 13:20
信号機あなた自由詩408/2/24 0:37
バンユウ自由詩208/2/22 16:07
どこか しずか自由詩208/2/11 13:56
smile自由詩008/2/7 20:25
冷たい景色自由詩108/2/5 21:37
彼女たちの 潮騒自由詩208/1/13 21:50
視線自由詩2*08/1/6 0:22
写真自由詩5*07/12/22 2:04
たとえばそれはビー玉のようで自由詩707/12/19 22:59
早口で告げるからよく聞いて自由詩207/12/18 23:55
われない硝子未詩・独白107/12/17 21:20
だからこそぼくは球体的日常を愛する未詩・独白1*07/12/16 21:11
終幕予想自由詩107/12/15 20:17
home自由詩507/12/13 0:20
痙攣するひとみ自由詩207/12/11 21:59
処女雪自由詩207/12/10 20:21
傾きを求めてごらんよ自由詩1*07/12/9 22:53
膝の細い鹿自由詩107/12/6 22:05
不安旋律に嘆く自由詩2*07/12/5 21:46
チョークの粉は消えない自由詩207/12/5 1:17
セーラーを透かしてみてよ自由詩207/12/4 6:41
灰色の校舎自由詩307/12/3 0:18
あかい頬自由詩307/12/2 23:23

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