この 指先から細く頼りなく 延びる

絡まった 繊維

夕日に翳して
紅く見える



薬指から延びるのを知って

胸が鳴った


僕の血が流れる この糸を解いて
 ....
尖る月が橙で

月の香で色づいて

冬の匂いで想う

近付いてくる
僕が生まれた季節が

雪の結晶になった君が
降ってくる

手の平で溶けて
僕の血になって

青白い月に ....
すべての事柄 現象には表と裏とがあるのです
すなわち表裏一体
ひとつなのです

死があって生がある


坊さんの説教は不思議な説得力がある
出家したら備わるものなのだろうか
いや、き ....
あなたの名前を連ねてみたら
あなたがどこにいるのかわからなくなってしまいました




私の 孤独 は
生来、明るいもので
この心に佇む
静かな
先の見えない穴蔵にせせらぐ
わず ....
窓際で蛍になった僕

遠い国を見ていたら

線路の音と
サイレンが響く

意識を近付けたら

真っ白な猫がうずくまって
黒い場所を撫でていた

その頭上には
蜘蛛の巣が街灯に ....
この国には
たくさん神様がいて
全てのものには
それが宿っているんだって


太鼓と笛の音が聞こえて
僕はウキウキしていた

金魚やヨーヨーや
味噌おでんやチョコバナナ
好き ....
真夏に向日葵を見た

一面に顔を上げる

ゆらゆら揺れて

太陽はギラギラと

僕は眩しくて

ジリジリしてる

向日葵の呼吸を聞いた

僕は息を止めて
ハチと友達に ....
着替えたい


汚れたんだって
しわくちゃなんだって
釦を無くしたんだって

好きだったのに

着替えちゃうんだ


着てあげてるんだって

その高慢さが好きだった

 ....
過ぎ去る景色が白黒で
所々傷が入っている

カタカタと鳴らすそれは
年代物で
価値があるとすれば
眠気を覚ます
ただそれだけ

どこで見つけてきたんだろう
確か とうの昔に燃やした ....
桜を見て綺麗 と言う君
そんな君を見て
僕は何を思うか知ってる?
桜より君の方が何倍何百倍も綺麗だよ

なんて言うつもりはないから安心して

ごめん桜の方が綺麗だ


だから

 ....
戦争で死ぬのと
事故で死ぬのと
どっちが正しいかと
清々しい顔で彼は言い放ち
自殺した


喧騒の中で繋がりを欲し
関係の中で溺れる彼女は
欲の果てに
殺して欲しいと懇願した

 ....
冷たい風が吹いていたその日
冬が近いのを感じていた
君がドアを開けた時
僕は地下鉄で眠っていた


君が奪われたものは何だったのかな
ドアを開けた時
知らない顔の君がいた
君から香 ....
通り雨に打たれ駆け込んだ小屋には土の臭いが染み付いていた
雨水を吸い込んだ地面は懐かしさを醸し出す

ぞっとしたのは呼吸を感じたから
深い土色をした男がこちらを伺っていた
恐怖を感じなかった ....
レンズを介して
粒子を通して
鼓膜を通って
電波を伝って

確かなものを不確かと
疑う事を許してくれ

確かにそこにいるならば
確かにここにいるならば
脳裏に焼き付いた面影が不確か ....
嘘だ

そう きっと

海は母で
太陽は偉大で
緑は大切

もうずっと伸ばした前髪の隙間から最期を見ている
体の表と裏がひっくり返れば簡単だ
嫌でも目に入る
張り付けになって隅々 ....
モップで踊り
皿に脅され
夢を見る

僕の居場所は蒸気の中だ煙の中だ
罵声の中に怒声の中に夢を見る

僕のすべては空の瓶だ欲の欠けらだ
スーツを睨み布切れに誇りを持つ

ガラスのひ ....
じわりと迫る圧迫感を
ぐにゃりと纏わり付く
重力を
垂れ下がる水流に感じて

コップ一杯の水を含み

トンネルを通過する時のような閉塞感か
金縛りの前の耳鳴りか

延髄に掛かる手の ....
夜中の2時にやって来た
そいつは
モニター越しには写らない
チャイムが鳴ったかどうかはわからない
勝手に土足で上がり込み挨拶もなしに
煙草をふかす

レインコートを被った
そいつは
 ....
君が 僕の存在を否定する理由は
嫉妬か独占欲か

彼女と僕の出会いを否定する君は

彼女と僕の関係を否定する君は


彼女が

君と出会った時に流した涙を知っているか



 ....
ギター掻き鳴らせば嫌な事なんて忘れるぜ

ロックスターが言っていた

僕のおもちゃにギターはあったけど アンプはなかった

僕はロック

僕はロック

スピーカーの裏で悲しく暴れる ....
月を見ている 事と
君を想う ことは

月に照らされ 水面に写る曖昧な事実

忘れた 事を思い

夢をみて

おもう ことを忘れる
確かな矛盾

穴のあいた月を見て

睡眠 ....
今日は晴れる と誰かが
声 高らかに

肉食のうさぎは
人参 口にし 雪が降る
と頑なに

どんな形を

温度は

どんな味が

色は

知らない


肉食のうさぎ ....
あの青は
今 見ている青と同じだったかな

ありったけの筆と絵の具を持ち出して

焦燥に駆られ 書きなぐる

あの頃 見ていたあの色に
名前などなかった


塗りたくった 色の塊 ....
水口わする(23)
タイトル カテゴリ Point 日付
赤い糸自由詩108/11/17 4:45
花の色、月の色、冬の匂い自由詩108/10/6 20:52
メンコ自由詩008/8/19 7:00
初恋自由詩108/8/18 7:19
夜気自由詩008/8/18 0:55
自由詩108/8/13 3:04
向日葵自由詩208/8/9 12:06
自由詩008/4/11 1:36
映写機自由詩108/4/10 6:19
桜の様に自由詩208/3/30 16:31
素晴らしき世界自由詩108/3/28 2:59
水道局員自由詩107/12/10 9:42
雨宿り自由詩107/12/7 4:34
疑心自由詩007/12/5 5:38
自由詩007/11/7 8:59
自由詩007/11/4 7:39
自由詩007/10/15 6:52
訪問者自由詩307/10/6 5:37
見知らぬ君へ自由詩107/10/5 6:46
少年自由詩207/9/28 0:52
月見自由詩107/9/27 3:19
うさぎの予報自由詩007/9/26 15:57
肖像画自由詩207/9/25 6:07

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