洒落た言葉で
君の夜が過ぎていくのなら
体を時々
すきま風が吹くだろう
飾り付けた言葉は時々
心を装うよ
夜にはそんなイミテーションだって
必要だったりするよね
僕 ....
重たさを持ったあの音楽が内側から叩く
必死に私は口元を押さえて
空気に触れないようにと思っている
もしもそれがこぼれてしまったなら
それは途端に1人になり
それはさみしさに気化してしまう
....
君が夕陽の下で無邪気に跳ねる
君が近づいて 微笑みながらはしゃぐ
その一瞬が 詩へと向かっていく
遠い遠く いつか君が言葉になる日に 向かっていく
言葉と言葉の間で祈りがゆらめき
....
蒼と呪文
短い呪文ばかり並んだ記憶がある
左頬が汚れた女の子
握られた死に絶えた雑草
窪んだ陽射しのまんなかで
僕は十二歳だった
頭に 灰色の世界
蝿 ....
『歩道橋』
ミドリは歩道橋の上で佇んでいる
髪の毛が寒風で揺れるのを抑えて
雪がどんどん積もるのを見ている
太陽は吹雪の奥で 霞んで 揺らめく
ミドリは あれは私だな と独り ....
あなたの 空は
どこかで きっと 宝石 のようなのだ
きらきら として
軽自動車の噴煙の先 に
揺らめいて いたり
いつも
私の 触れることの できない
あたり
※
....
<Blanc pur>
窓から光が射し込む
新品のランドセルが掛けてある
白いカベの部屋
音はない
ベッドの上で雄太は
ぼんやりとしていた
※
<C'es ....
夜、自転車で街を疾走った
団地の上で月がいびつで
僕は口笛を吹いた
本当は聞こえて欲しい
夜風が冷たくなってきた
君の家の灯りが見える
君の部屋
指さき
ひ ....
小学校の帰り道に
沈みきれない太陽がぽつうん
首に掛けるゴムヒモの汗
それは
犬がどろんとしていた路地裏でのこと
赤い屋根の家
ベランダでは太陽を
無口な少女がじっと見ていま ....
『マルボロ/カフェテリア』
バイパス沿いのカフェテリア
男のくわえたマルボロから吹き出てくる白ひ煙
ごしに夜がゆつくりと幕をあけて、その向かふ
夕焼けを背負うように蒼ひプジョー ....
胸をえぐる
取り出されてしまった青空
放物線を描ききってしまった天体の下で
重力がしばる
ほどけていく
君の輪郭が
徐々に
それでも
しっかりと残していく
太 ....
ワイシャツに袖を通し
カーテンを開ける
陽射しがこれみよがしに降り注ぐ
俺は塾講師だ
自転車に乗り煙草を吹かし口笛を吹け
汗が滲む
郊外型スーパーの前 ....
マモルの呼吸は光る
学校のうさぎが死んだ日
マモルは自分の呼吸が時々
光の礫(つぶて)になるのを知った
マモルは決して泣かない子だった
おかあ ....
僕は
アパートメントの窓から
君の住んでいた方に
見惚れている
君が
虹をつむぐ
優しい指の
君が
終わりを告げる
優しい眼の ....
冬
風が商店街の路地で
空から見れば沈殿している
バス停からそれを眺めて
タバコを一服、宙に吐いた
背広を着込むようになってから
時々、神様の音を探して
じっと耳を澄ましてい ....
雨粒が頬に当たる
雨降りだな
目の前を通り過ぎた白いワゴン
その後を追うように
コンクリートの上を歩いた
すれ違う子が跳ねている
微笑ましいのも束の間で
僕の体はスキップ ....
蒼いトゥインゴがエンジンを止めた
雨がしとしとと降っていて
少しだけ埃の匂いがする
人通りはあまりなく
時々カラフルな傘が
フランス生まれのトゥインゴを隠した
....
0.21sec.