全く
この身体が燃えて骨になって
墓に入っていることにも気付かず
我が魂は何処へ
悲しみと憎しみにだけは還ることなかれ
我が魂の声は
壊れたラジオの様だと言われた事があった
腹が ....
蘭の香りを信じるところでは
煙の臭いが心を支配している
それは以前からそうなのだけれど
日出国に使いがきたのは去年だったか一万年前だったか
こんなことはあってはならない
この状況 ....
焦げた檸檬色の河を撫でつけるように
清流が世界の中心を
吹き 抜けていく
あゝ
なんという
心地
働き盛りの青信号が
幾何学模様の蜃気楼を
視せ 整っていく
唯の初心者 ....
昔からうちには神が住んでいる
会社で景色のいい席に移ってから
その存在を確認できるようになった
でも
いつも同じ事しか言わない
まるで意地悪された鸚哥みたいに
それよか
今までは ....
昼に起き曇った空に影送りをする
君は散歩といってパチンコに出かける
お土産はいつも通りのチョコとタバコと紅茶
近所の99で買ったほうが安いし早いのに
彼は早速紅茶を淹れる
猫舌の君は ....
蝉が五月蝿い
ミンミン
ミンミン
ミンミン
ミー
片かげが校庭に伸び、
僕は桜色の汗を流す
遊園地に来た子供の様に
その保護者の様に
薄黄色の時が過ぎて、
寂れた校舎は
ぼやけた ....
君はずるくって
のしを付けて返さなきゃいけないのを
痛みとともに我慢していると
みるみるうちに傷は深くなる
分かっていた
けれど 君に伝わっていないと
てをにぎることさえ
欲っするこ ....
いつもそう
あの日からずっと変わらない笑顔
もう若くない私を見て
そっと微笑む
私には見えない
あなたの景色
惚れた方が負けとはよく言ったもんだ
逃げるが勝ちとはよく言ったもんだ
....
三箇日のある昼下がり
暖かい日差しの中
僕の手にはシャガールと木の葉
少し離れたマンションから
きらきら星が聞こえる
毎年テレビの笑い声でうるさい隣の家が
今年は何故かいない
ポカポカ陽 ....
私の部屋の窓際には
黒い出目金がいる
彼がプラズマテレビを買えとうるさいので
わたしは21型のそれを買ってきた
ブラウン管はゴミ屋敷に放り投げた
そこのおばあちゃんは
いつもありがとうね
....
おばあちゃんが倒れた
おじいちゃんが死んだ年だった
一年に二人も愛しいヒトを亡くしたくなかった
おばあちゃんは助かった
お見舞いに行った
見たこともない親戚が沢山いた
病院の匂いは嫌いだ
....
誰にも知られないように
飲み込んだ
ここはいいとこ
花筏
漂い
母の包丁の音で目が覚める
父のくしゃみで目が覚める
黒い鳥の鳴き声に腹が立つ
ここはいいとこ
草熱れ
香り
....
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