「とおり雨 だね」
虚空に 弧を描いた
その色を 数える
君の横顔 照らした
黄昏に あがる雨
濃く 深く
次第に 薄れて
君の 笑顔まで
消えてしまいそうな
夏の 幻
他人である と認識した先には
何も 残っちゃあいないんだ
引きずって
もがいて
縋って
蹴落とされて
ぼろぼろ になっていく
記憶 に繋がれて
人 は
一筆書きの 時を
進め て
笑って
泣い ....
大嫌いだった あの日に
いつの間にか 戻ってきて
掛け違えたままのボタンも
そのままに 走り出す
どこまでも
白く
どこまでも
くらい
あの空
君ニ恋シタ心マデ 嘘ニナッテシマウ ....
めぐり めぐる時と共に
あの花の香薫る 季節
甘く むせる 思い出の色も
今は {ルビ永久=とわ}に
鼻先を 掠めて
通り過ぎていく 季節に
涙は 見せない で
どこかで気づいてくれたら
そんな思いで綴る
こちら側の僕は
決して
誰にも
姿を見せない
でも
罠は四方八方にめぐらせてある
君が
どこかで気づいてくれることを望んでいる ....
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