梅雨明ける片側に傾いているしかないんだね朝のシーソー

野球帽はすに被ってきみは行く夏炎天の田んぼの道を

風多き場所より早く秋が来てまだ夏の日の街をかなしむ

水門はただ待っている秋の日 ....
夕立の湿りを残すうなじより皮膚透きとほる祭りの灯の道


四辻より影絵のごとく立ち出でて祭りへ向かふ死者も混じりて


ひんやりと祭りの底を流れゆく夕立の香を浴衣地はらむ


夏祭り ....
夕暮れはかなしみを着てその外に星空を着て地球の夜


梅雨明けぬ空灰色に夕暮れて蝙蝠滴るごとく降り来る


すでに夜の側にいてまだ夕映えをガラスの壁のビルは反して


きみは玉乗りゆ ....
青すぎる空が 濃淡もなく
(雲切れひとつあるでもなく)
ただのっぺりと広がっている夏の朝

プラタナスの巨大な葉が繁る
街路樹の陰はしかし小さく(陽が高い)
今はもう打ち水のない広い舗道を ....
草野球のグラウンドに照明が点る頃
まだ夕陽の漏れるまるい空に
すーっと二羽の鳥が舞いあがる
ただそれだけのことに見とれて
足を止めている 橋の上で

右手のバッグには夕飯の材料
左手のタ ....
風の止まった六月の午前
そよとも動かない樹々の枝たち
四方に延びていく電線も
雨の降らないくもり空も

何も動かない風景のなかを
ラジオの歌だけを鳴らしながら
ぼくは車を走らせていく
 ....
線路の脇に咲いている菜の花の細い列
誰のものだろう止められている自転車
真新しい制服の群れからこぼれる音楽
まだ来ない電車を待っている春の駅の

たゆたう人々の視線の高さを蝶が飛ぶ
過去か ....
kaeru(7)
タイトル カテゴリ Point 日付
八〜十月の短歌短歌409/11/3 23:24
夏祭り短歌009/8/8 9:04
七月の短歌短歌109/8/1 1:16
七月自由詩209/6/30 18:25
橋上自由詩209/6/19 1:37
買い出し自由詩109/6/15 1:25
待機線自由詩309/6/9 22:43

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