愛を刻め
それは落ちぶれた残像
永久にとけぬ太陽
見えない幻までもが
戦慄の力を恐れている
ほころんだ未来が
偽りだと気づいても
もどかしい前進
がむしゃらな呼吸は
沈黙の勝 ....
引き出しに眠っていたのは
あの頃の思い出
形にしないと眠れない
だから残した一枚の写真
写真の奥は輝いていた
繋いだ手は離れていなかった
セピア色に劣化していく写真を見つけたのは
....
上を向いて歩こう
涙がこぼれないように
というので
上を向いて歩いてみたけど
涙はこぼれおちるじゃないか
ちくしょうめ、
下を向いて歩こうよ
コンクリートは
私の泣き顔 ....
今日 あなたが死んでも
明日 私は泣かないだろう
一瞬の悲しみは
空しい夜に飲まれてゆく
今日 私が死んでも
明日 誰も泣かないだろう
一瞬の衝撃は
儚い朝に吸わ ....
思い出は
あの貝殻の中に
封じておきました
想い出は
あの海の下に
沈めておきました
車窓から覗いた景色は
にじむようにゆれていた
無力な言葉で
もう愛の唄は歌えない
ひとりぼっちの
1日のなかを
私は回遊する
自由かもしれない
不自由かもしれない
空はまだまだ遠いよ
沈められた
まだまだ浮き上がれないよ
水上の世界に焦がれてしまう
空 ....
愛しき人へ
あなたに積み重なった苦しみに
どうか終止符を打たせてください
歪む顔は見たくない
震える背中は見たくない
さようならと
小さく手を振って
安らかにと
瞼 ....
誰かに裏切られた時の恐怖は
階段を踏み外した時の恐怖に似ている
何度
階段を踏み外しただろう
まぁ
全て私の足がいけないのだろうけど
机の上に置いた
理科の問題集にそっと手を置いた
蝋燭の写真が1ページ目に居座っている
実像と虚像に私の心は囚われた
私は物体
直線という名の道に
ただ突き立つ物体
そして目の前に ....
机から乗り出して、君の姿を探します
机の角に私と君の相合傘
君の背中に私の顔が映っている
目を合わせてみようか?
そらされる恐怖が脳裏をよぎり
何もできない私が此処にいます
こ ....
泣き始めたしゃっくりを
なだめてなだめて眠りにつかせる
それでも未練がましく嗚咽をもらすしゃっくりは
まるで失恋のようだ
私は豆腐のようだ
悲鳴を上げて壊れる
ガラスほど弱くはないが
強い衝撃にも耐える
鉄ほど強くはない
揺れに耐えても
突付けば崩れる
そんな豆腐のようだ
初めて一人で布団に入った
無意識のうちに刻み込まれた
母の温もりを
無意識に私は求めている
静かな寝息が
私にとっての子守唄
すやすやと眠れたころを思い出した
枕はなかなか温 ....
右手で鉛筆を握れば
白紙に数多の糸が行き交う
複雑で繊細な
心の世界が姿を現す
左手で消しゴムを握ると
もつれた糸が消えてゆく
過ちも涙さえも
左手がくずに変える
右手に鉛筆を ....
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