{引用=
雲の崖から
流れ落ちる虹
光は水に沈み
黄昏の彼方に
風は失われた
日々を呼ぶ
夜の匂いの中
思い出は座礁し
波のはかない仕草に
古い傷は{ルビ火口=ほく ....
{引用=
? 白い虹の風景
}
{画像=10071 ....
{引用=
青空に透けて
行ってしまった
面影はみんな
浜辺の足跡
....
{引用=
星空から
あなたは振り返る
貴女はふりかえる
ともしびに重なる微笑み
細い指先
星座へと続く階梯は
途絶えたまま
この小雨のように ....
{引用=
淡い緑の中で
逆三角形の水色が
樹を見上げると
サクラではなく
古タイヤがいっぱい
なっているのだった
柔らかなまるいピンクが
身体を歪ませながら
通りかか ....
{引用=
? あの頃が来た
扉を開けると
土砂降りの雨の中に
あの頃が立っていた
あの頃とは違って見えたが
私には直感ですぐに解ったのだった
成熟した女性の姿のあ ....
{引用=
寒さよりもしみとおる孤独に
大地は沈黙している
屹立する枯れた木は
信じる力を失い
他人の顔をした
春の訪れを恐れている
蟻の巣は崩壊し
{ルビ ....
{引用=
蕾の温度の
貴女の愛
花びらを
散らすように
こぼれる
紅の 白の 黄の 紫の
言葉 透明の雫
あの日
雨の中を
歩 ....
{引用=
? 薔薇中毒
愛しい薔薇の
深紅の花びらが
狂おしく息もつけぬほど
降りそそいだ
あの頃
夜毎の夢の中でさえ
貴女の馨りは
深く ふかく
....
{引用=
青い闇の水をたどって
近づいてくる
紅斑のある
白い身体
永く向き合ったまま
微かに身体を
揺らす貴女
どうかこのまま…
幸せすぎる ....
{引用=
青い夜道
降りしきるものに
真紅がまじり
花片を踏みしめ近づく
白い脚先
冷たい絹に包まれた
やわらかな しなやかな
抱きしめても届かない身 ....
{引用=
色はにほへど
はらはらと
うゐの奥山
かなしみの
惑ひの細道
たどれども
古里さむく
風まじり
夢の通い路
ほろほろと
散りぬる淋しさ
....
{引用=
咲く花の魂を抱きしめても
萌ゆる幸せは月光のように
透きとおってしまう
玻璃の盃に浮かべた幻想は
思い出のように甘くただようが
あなたの生命のときめきは ....
{引用=
*註 久々の新作ですが、難解な漢字表現にこだわってみました。
よみは以下のようです。自鳴琴(オルゴール) 玻璃(はり)
坩堝(るつぼ) 変化(へ ....
{引用=
冷たく冴えた月光に
白く抑えつけられて
家並みは動かない
家並みの間を
老いた野良犬が
痩せた影を落とし
トコトコと 走る
( この ....
{引用=
ワるつ
暗い モン・マ%#*:〜の丘に立つ
やせた木の
枝から離れた
一枚の枯葉が
静まった 晩秋の街路を
からからところがる
遠い向こうで
猫の影が ....
{引用=
水の中を
月が通り過ぎていく
旅人は何処へ行くの
水の中を
夜が通り過ぎていく
旅人は何処へ行くの
水の底を
風が歩んでいる
....
{引用=
月の光があたりを
照らしています
むかし海辺の寒村に
傾いた粗末な小屋があり
結婚間もない若い二人が
寝ていました
あまりに貧しくて
布団の代 ....
{引用=
明け方の空に
白鳥座は見えないのですが
九月なら9時ごろ
天頂に見えます
あるとき あの人は
白鳥に呑まれた魚だった
その十字架にぶ ....
{引用=
空を
ただよい
流されていく
やわらかな白を
ばら色に染めながら
闇に墜ちていった日
あなたは秋の夜になった
星座があなたの中をさまよい
....
{引用=
あてもない旅の
白い起伏を
さまよって
います
私が蜻蛉だった頃
あなたは
真夏が大好きなあなたに
暑いのが嫌いだと言えなくて
....
{引用=
軒下にぶらさがって
死んでいる私
どうしてこんなことになったのかと
突っついてみるのだが
むなしく揺れるばかりで
答えるはずもない
霧の ....
{引用=
? 友からのメール
風の切片のように
舞いこんだ
友からのメール
あの里山の木々のように
川面の細波のように
やわらかな光る雲のように
夏の匂ひに ....
{引用=
あまりに慌しい日々
今日も夕空を
眺められなかった
せめて この夜は
星巡りの旅をして
遠いあの人に
逢いたい
かなわぬ願いの上にも ....
夜の闇の
海の 曲
無辺の潮が
樹々を揺らす
光は踊りを忘れ
抱かれる胸を喪った
荒れる雨も風も
行方を知らず
破れた帆船は
宙空を彷徨う
....
{引用=
さざ波の上の真昼
季節の道を飛ぶ鳥は
大気のつぶやきを浴びながら
虚構の街に舞い降りていく
その日も
....
{引用=
? 夏の妖精
笑いながら
運ぶ風に
身を任せて
あなたは走り去ろうとしたが
照りつける陽射し
の中にではなく
薄萌木色の林の奥に
....
{引用=
? 彼
味噌っかすの子でありました
家での安らぎの場所は押入れの暗闇
たいていそこで うつらうつらと
青空と雲
黄昏の風と 夕焼け
を眺めている ....
{引用=
? 風
何の拘りの
色調もなく
届けられた
薔薇の蕾
花言葉を探してみるが
ほのかに匂ふのは
五月の風
旅の君の便りからは
いつも金色が
....
{引用=
? コラージュ
通勤電車の空間の歪み
ポリバケツの中をワープしながら
流転する定めの憂鬱な朝
紺碧の地面に近づく
窓外の空気
遠くに ....
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