囚われの身のわたし
監禁生活も半年に突入
憎らしいあなたの20歳のお祝いにと
行くことが許された範囲で準備した
ひまわりのブーケが枯れてから
もう2年の時
覚えていますか

ひまわりは ....
あたしには帰るお家がないですから
お家にいれて

あたしにはふかふかのベッドがないですから
ベッドにいれて

あたしには決まった仕事がないですから
いれて

なに、怒ったの?
いや ....
なにもたべずに、朝
あたらしい電車のはしっこからはしっこまで
わたしは仕事に出掛けていく
どんなに長い距離も
君のそれと交差することはもうないけれど

それでも駅に停車する度、未だ息が止ま ....
知らない所にひとり行ったら

まっさらに泣けるとおもっていた

なんて安易な

なんて陳腐な

擦れてひりひりする傷は

リアルとわたしを因果の箱に入れた
だきあうとき
ぱずるがはまったように
わたしはかれのなかにおさまる
しんぞうのおとがきこえる
せっけんのにおいがする

きすやせっくすはしていても
こんなにしっかりと
「だきあう」こと ....
すきなひとの
はじめての恋人は
十も歳上の人だった
彼女には恋人がいた
それでも愛があったのだと、彼は言った


その
立ち入り難い
聖域のような空間から
彼を離そうとして
煙草 ....
沈丁花から紫陽花まで
わたしの一番すきな春をきりとって
そのひとは去っていった

つぎの春には待ち合わせ


さらさらと
つかみどころのない夏を
どうにかすくいあげて

秋の夕暮 ....
おおきな、おおきな水槽の中
36.5℃
人間と同じ比重の液体にはだかのわたしは浸かっていて
朦朧と堕ちゆく意識たち

完全な無刺激状態の中
浮きも沈みもしない身体
時間軸も、 ....
ハルシオンと言う薬は
とてもきれいな青色をしている
昔絵本で読んだ
空色の種とは
ハルシオンのことだったのではないだろうか



埋めると家がたつ空色の種

どんどん
どんどん
 ....
歩道の片隅で その猫はさびしく倒れていて
彼女の目は逸らさせたつもりだったのだけれど
うまくいかなかった
あまりにかなしいその光景を
彼女は立ち止まり
不自然すぎるほどに見つめていた

 ....
東京の道は、入り組んでいて好きじゃない
この街は迷路だ
この町は迷路だ


水分が 
のみこんだ片端から身体をとおりぬけていってしまう
知らない猫
知らない道


鼻のあたまを焦 ....
わたしと付き合ったら
どんなひとでもしあわせになれるの。


お金がなくても
時間がなくても
しあわせな恋愛ができるの。


そんな方法、わたしはいっぱい知っているもの。

 ....
掛け時計を買わなかったから
この部屋には時間がない



カーテンが光を遮るから

この部屋には時間がない



エアコンがずっと26℃だから

この部屋には時間がない
 ....
とどのつまりね、
ハードルの高さの問題なんだよ
君はいまでも男の子に
たいそうもてるのかもしれないけれど
いい気になってはいけない
それは君の魅力云々ではなく
要はどれだけちいさな努力でや ....
8月 某日 103号室 郵便受けのメモより


{引用=
前略 ママ


毎週の訪問感謝しています。
一週間分の食事をハナさんに作らせて冷凍して持ってきてくれることも
僕の代わりにし ....
かみさま


できれば


いま

だきしめてほしいです




それができないのなら

ころしてください






おそらく有限であろう未知をたべること ....
南向き・角部屋・駅まで5分
大学まではなんと2分
鉄筋コンクリート造のマンションで
流行の耐震強度もアスベスト対策もお墨付き
お家賃6万9千円
東京の真ん中で、この条件なら奇跡的なお値打ち価 ....
あなたの書き残してきた言葉のなかに

彼女を見つけるたび

悲鳴を上げ 逃げ帰り ベッドの中で震えるのですが

ひとかけでも、と思うので

今日もまた手繰り寄せます。




 ....
夜中、それは終電直前のことでした。

彼女は

電話しました

彼氏に


「さみしいから、いますぐきて。」


そして

彼氏は

きま ....
わたしはとてもかなしいのに
まわりのひとたちにしんでほしくないのはふしぎなことだ


はじまりのひかり

きらきらのぜつぼう


ふしぎなことだ
すきなひとができて

くちをきくことがこわくなった





とても あたまのよいひとだから






そのひとの おおきなせなかにもたれると

わたしの「すき」や ....
紫陽花の頃
手をつないで買った気早な花火に
火を点すことは結局なかった


意地をはる間に夏は去り
空は遠のき
てのひらはかじかむ









(恋は続 ....
彼らのこの一瞬は 灯火は
わたしたちの何年分なのだろうなど
小難しいことは皆かんがえるふり


わたしはわたしで
手をはなさぬよう 
刹那を噛み締めるよう
必死でした



ひ ....
夜闇と思ったのは黒雲
赤帯の朝焼けが眼前にふたすじ
この街の空を美しいと思った
はじめてのこと


のろのろ歩き 方向音痴の女の子
同じ場所 ぐるぐる ぐるぐる 行ったり来たり
手をひ ....
おーなり由子さんの連載です。
こんな風に日々を過ごせたら、とおもいます。


http://www.daiwashobo.co.jp/ohnari/index.html
昼夜が逆転してしまう

昼夜が逆転して

ひとが寝るころに起きて

ひとが起きるころに眠るようになったら

彼と二度と会えなくなるかもしれない

そうしたら



書置きで ....
かえりのでんしゃは
まどの外が
ぜんぶ田んぼで
ずっと同じで
どれくらいすすんでいるのか
分からなくなったんだ。


けれど
とおくで
小さなおばあちゃんが
ごみをもやしていて
 ....
遠目に
窓越しの木々が痙攣し
雨の訪れを知る

ベランダには
洗い立てのシーツが
物干しいっぱい広がって
百万都市のネオンからかくれるように
わたしたちは居た
だれかの描いた
まっ ....
あなたがひとを殺しても罪になりません


ドクターは宣告した



石ころだらけの世界
まして
モラトリアムの真ん中で
ひとのこころくらい
かんたんに壊れてしまうでしょうに
 ....
どこからか
うまれた 
しあわせは
てをつなぐように 
であって
すなをくずすように 
かわっていった
コトリ(44)
タイトル カテゴリ Point 日付
文書グループ
alpha文書グループ07/8/20
投稿作品
ひまわり自由詩209/8/5 1:13
お家にいれて自由詩3*08/8/21 2:54
てこの原理自由詩9*08/8/21 2:34
リスト自由詩2*07/11/27 10:17
だきあう自由詩5*07/10/19 2:26
自由詩2*07/10/19 2:11
つぎの沈丁花自由詩4*07/7/15 1:44
とけてなくなるまで自由詩2*07/5/6 10:39
ハルシオン自由詩7*07/2/27 4:03
alpha108号室〜ねこ〜[group]自由詩2*07/2/22 19:19
alpha107号室〜カレーライス〜[group]自由詩2*07/2/22 19:17
alpha 106号室 〜屋上ピクニック〜[group]自由詩4*07/2/6 22:22
alpha 105号室 〜時間〜[group]自由詩0*07/2/6 22:19
alpha 104号室〜ハードル〜[group]自由詩1*06/10/2 7:59
alpha 103号室〜to my mother〜[group]自由詩1*06/10/2 7:52
alpha 102号室〜かみさまへ〜[group]自由詩3*06/9/19 4:59
alpha 101号室〜クラクション〜[group]自由詩5*06/9/19 4:13
あなたと、そのことばについて自由詩1*06/8/22 2:07
ある恋人の話自由詩1*06/8/21 8:43
あさやけ自由詩2*06/2/5 0:30
裏庭の宿り木自由詩6*06/1/26 16:29
水花火自由詩6*06/1/13 0:27
ほたる狩り自由詩10*05/10/21 20:26
ろいやるすぺしゃるみるくてぃー自由詩7*05/10/7 1:51
いちにちスプーンおすすめリ ...2*05/10/6 11:38
昼夜逆転[group]自由詩3*05/9/20 21:19
8月4日 (または、いかにして少年は詩人へと変貌を遂げるのか ...自由詩5*05/9/20 4:03
シーツ、姿見、あした。自由詩4*05/9/14 13:14
さいごのこどもが裁きをうける自由詩6*05/8/13 7:40
しあわせ自由詩11*05/8/9 12:41

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