I am in sadness.
Because each other sees only to oneself,
we can not surely understand each other ....
「警察が来る」
そううわ言を言い
誰に対しても歯を剥き出して威嚇するような仕草をする祖母
祖母にとって実の娘である私の母は疲れた眼をしてそんな祖母の面倒を見る

掴みかかられても腕を引っ掻か ....
風船は大きく膨らんでいた
それはまるで心臓から送り込まれる赤い血漿のよう
どくどくと脈打つ命

風船はいつの間にか萎んでいた
まるで全てを諦めたようなひしゃげた姿になって佇んでいた
石の飛 ....
瞼を閉じる
表現したいものがみえてくる
細く長く連なる光の線
歪な形が幾つも重なり私の脳に突き刺さる
揺めきながら誘うように

細かい傷を作りながら
吸い込まれるような
黒い点のような ....
ずらっと並んだ白い大根
土で茶色く汚れた太い脚を晒し
眩しいほど鮮やかな翠の髪を銀色の網目に垂らす
井戸からひかれた冷たい井戸水被っても
気持ちよさそうに水滴浮かばせ
脚を組み自信ありげにそ ....
薄茶色掛かった白い石壁
四角い窓から見える草原
陽射しを浴びて耀く蒼が風にたなびきながら私を誘う

それは幽閉された身に哀切と郷愁を贈る詩
この壁の向こう 
この建物を出て外の空気を吸えば ....
喫茶フィガロで食べたチキンカレー
オレンジ色の洪水が
厚めに切った玉葱とチキンとともに口の中でぶつかり合う
喉の奥で絡まる暑さと辛さ
まるで口腔全体が待ち受けたように全ての旨みを受け止める
 ....
ぼんやりと雨で白灰色にくすんだ空を見上げ
彼はただ自分の不遇を嘆いていた
心地よい雨音
窓に映る何も変わることのない陰鬱な樹影
まるで干からびて細い指を広げて絡め取ってしまいそうな

自分 ....
ある少女が広場で粗末な麻の衣服すら全て脱がされ
諸肌出した状態で鞭打ちの刑に処されていた
どこかで小耳に挟んだメロディに
彼女なりの詞を乗せて口ずさんでいたのが災いとなった
彼女の歌声を聞きつ ....
やわらかく
時に鋭く
言葉を紡ぐ

ママもパパもおじいちゃんおばあちゃんも
近所の犬も猫も
通っている幼稚園だって小学校だって
周りにある物事すべて
こどもにかかればあっという間に不思 ....
濁った瞳の上に暗幕が振り掛かる

握り潰した命が悲鳴をあげて指の間から紅い血を滴らせ
黒い大地に歪な池を象造(かたちづく)る
天は狂喜の雄叫びを揚げ嵐を呼び寄せ
病んだ精神(こころ)を深い闇 ....
決して堕ちまいとして必死に樹木の枝にぶら下がる青い果実
一口かじればまだ硬くて甘酸っぱい味がする

それは吹き荒れる嵐に抵抗しようとする証
真っ直ぐに太陽を睨みつけ世間に己れの存在を知らしめよ ....
曲がりくねった道をただひたすら歩いていたんだ

膝の痛みに耐えかねて立ち止まったら君がいた
朝日が辺り一面射し込むように溢れる微笑みを浮かべていたね

苦痛も何もかも吹き飛んでまた歩きだした ....
突然の雨に驚いて避けるように軒下に隠れた
冷たい雨粒が心の雫となって滴り落ちる

雨雲に覆われた白い世界
濁ったこの世界を
どうか憂いの瞳で見つめないでおくれ

傷みはやがて一筋の川とな ....
誰よりも何よりも君を想う事が罪ならば
僕は今すぐにでも高い屋上を駆け上がって
この身を投げ出そう
君と僕との幸せを祝福する者が誰もいないならば
僕は周りのどんな言葉にも耳を貸さずに
君を奪い ....
心の均等が崩れてしまいそうで
何もかも亡くしてしまいそうで
独り震えてた
君の優しい眼差しが天から降って来て僕は救われたんだ
捨てられた仔猫みたいに

その場その場を頼りなく生きて来たのに ....
幼子の眼に映る淡い幻(ゆめ)

揺らめく色彩が鮮やかに通り過ぎ
輝きは更に強さを増して心の奥に強く刻み込まれてゆく
焼き付けられた記憶が勇気を与えてくれるから
握られた手のひらが光を集めて涙 ....
すれ違いの毎日

貴方と私
なんの接点もなくただ透明な空気の中を素通りしてゆく

どうか涙ぐむ瞳の奥に光るものを覗き込まないで下さい
哀しみが私の精神(こころ)を麻痺させてしまうから
私 ....
胸の奥
ざわめく風に煽られて
過ぎるのはただ
彼の面影
水に滴る青紫の鮮やかなる宝石に暫し眼を止め
こころ奪われる

どんな貴婦人よりも麗しく気高く天を見上げるその姿は
地に足を着けた他の生き物逹をも圧倒させる力となり
忘れかけた感性を呼び起こす ....
天に暗き蒼の幕が降り街に薄闇が覆う頃
背中を撫でるような畏れが霊気となって通り抜ける

思わず後ろを振り返り駆け出してしまいそうな本能
それは先祖から受け継いだ遺伝子
遥か彼方からやって来た ....
夏のそよ風が僕らの頬を撫でるよ
さらさらと流れてゆく優しい嘘
微笑みが幸せを運ぶから

言葉なんかいらない
ただうなずくだけでいい
騒がしい雑音も何もかも僕らの耳には入らないから
言葉の ....
閉じられた扉
こじ開ける勇気も無く
ぼくはまた瞳を涙で濡らす

君の声
君の姿を思い浮かべるたび
切なくて
切なくて
痛む胸を押えた

ねえ、夢で逢えたら

ううん、夢ではなく ....
かけがえのないちいさな命
ちいさな手が僕の袖を掴むよ

お日様が笑ってる
柔らかな時間が僕たちを包むように

温かな風が僕たちの頬を撫でる様に
優しい日常が過ぎてゆく
往き急ぐ世界が僕の眼を回す
ところ構わず疾走するヒトビト
巷で流れる音楽までせわしなく町中を駆け巡る
意味すら失ったコトバを主張しながら

あぁ、空っぽの桃源郷(シャングリラ)
虚しさを加 ....
くらりくらり
頭揺れ
うつ向いた視線の先に生温かな風が吹く

ゆっくりゆっくり時流れ
冷めた体を抱きしめた
自分の存在する意義すら曖昧で
均等のとれそこなった台の上で危なげに足元を揺らし ....
たとえ世界が闇に覆われても
貴方を想う心はひとつだから
もう迷わない
泣いたりなんかしない

哀しみが雨となって僕に降り注いだとしても
いつか真っ赤な薔薇へと生まれ変わるから
何も畏れた ....
硝子の欠片ひとつひとつ拾っても粉々に砕けたパズルは元に戻らない

壊れた絆
傷痕に吹きつける風
虚しさが胸に込みあげる

精神(こころ)の弱さが僕を責めるから
うなだれるキモチが不安を掻 ....
浮かんでは消えてゆく
言葉
ことば
コトバ

まるでシャボン玉みたいに弾けた

意味もなく意味を追いかけた

ゆめ
ユメ

詞に詰めた想い

すべてが幻想みたいに闇に吸い ....
温かな光りのなかで
僕は涙の雨を降らす

柔らかな幻が僕を包むから
差し出された手のひらも
闇に包まれる

もう夢見る刻(とき)は過ぎて
虹色の夢が
微妙な翳を揺らしている

ジ ....
栗栖真理亜(533)
タイトル カテゴリ Point 日付
I will forget you伝統定型各 ...1*25/5/12 19:22
母子自由詩225/5/12 17:51
風船自由詩225/5/12 17:33
印象自由詩225/5/11 20:48
育てる自由詩4*25/5/11 14:59
異邦の蒼い夢自由詩525/5/11 13:03
チキンカレー自由詩8*25/5/10 19:09
自由詩325/5/10 13:25
むち自由詩3*25/5/10 11:39
こども自由詩325/5/9 18:13
闇の行方自由詩225/5/8 21:41
青い果実自由詩125/5/8 21:37
ふたりでひとつ自由詩2*25/5/8 17:25
白の涙自由詩225/5/7 20:13
想う罪人自由詩025/5/7 20:10
僕の太陽自由詩225/5/7 17:22
幸せの記憶自由詩225/5/6 20:02
夢の痕自由詩0*25/5/6 19:57
君恋いし歌短歌225/5/6 11:33
路地裏の貴婦人自由詩1+*25/5/6 10:42
安全地帯(ホーム)自由詩125/5/5 18:46
未来(あした)の夢自由詩1*25/5/5 18:40
太陽と瞳自由詩225/5/5 0:21
優しい日常自由詩125/5/4 17:17
哀しみのフロンティア自由詩1*25/5/4 17:13
くらり自由詩225/5/3 22:38
だいじ自由詩225/5/3 13:30
硝子のパズル自由詩2*25/5/3 13:26
ラヴレター自由詩425/5/2 22:14
光の在り処自由詩2*25/5/2 8:38

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