安寧のごとき孤愁をわれは恋ひ 棕櫚の葉擦れに耳傾けぬ
うからとも会へず やからとも遭へず居て 海水のごとく満ちくる{ルビ鹹=から}さ
ものうげな雨 はじかれた飛沫はアスファルトを洗い続ける
不条理と言ふには俺の若すぎて 八月の雨、雨具に染みる
ボサノバの流るる街区後にして いしだたみ踏むはやはらかき夜ぞ
放浪詩人のコミニュケィシオンは ビルの谷間の無線ラン
底魚の眠るがごとく ビルヂングの隘路にたたずめば
通りすがりの挨拶を 目顔で語る乙女たち
声亡き声が木霊して
西葛西ドンキホーテ ....
パイン コパイン
僕のココロは怪しげに
パイン コパイン
悩ましく
パイン パイン オオパイン
大きなパイン あふれてる
パイン パイン オオパイン
真夏の巷間 揺れている
....
ソルダム
その名は ソドムとゴモラを父母にしたような響きだ
冷えたソルダムに噛り付くと
その いたいけな女児の心臓のような鼓動はとまり
真紅のジュースが掌を伝う
禁断の果実に喰らい付いた ....
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