またはレタス魔人の逆襲。じゃなかった「れ足す言葉」の逆襲。「れ足す言葉」が何か知らない人は、先にhttp://po-m.com/forum/showdoc.php?did=8106&from= ....
珠恵はみんなにさよならを言うことはできなかった。
船に乗り込む前、港には彼女の知った顔がたくさんあった。竹本の「おにいちゃん」の家族、亡くなった交換の寿江さんのご主人と子供、この二家族は次の船に ....
横断歩道を渡ると、和風ファミリーレストランがあった。おれはいつも店の前を素通りするだけだった。いろんなことをしゃべりながら飯を食ってるやつらがいた。笑ったり、無表情で相手の話に頷くだけだ ....
私はら抜き言葉がとても嫌いだった。「ら抜きの殺意」を抱きかねないほど嫌いだった。しかし最近はだいぶ慣れて、ら抜き言葉にでくわしてもなんとか耐えられるようになってきた。耐えなきゃいけないなあと思ったから ....
赤くて細長い絨毯を広げるのはやめてくれっておれは一応言っておいた。だが、あいつときたら「ちょっと待ってね」と言って、自転車から降りる。
何するんだろうと、わかってたさ。
あいつ、カゴから ....
*カンチェルスキスさんと連散文をはじめることにいたしました。
序章として
「ラブストーリィと現実」
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=7964
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服着てくるの忘れたかなあとおれは思った。前に一度だけ、ずいぶん前だったと思う、その日ちょうど街の海岸で花火大会があって、電車で海まで出かけたんだ。おれは車窓を眺めながら、前に座 ....
くるくるまわる君
椅子に座って 腿とふくらはぎがくっついた君の部分
遠くから見ると薄いのに 近くで見ると厚い 君のくちびる
目の下から顎にかけて、平坦な肉の君
携帯ストラップについたお金持 ....
ええとですね、子供の頃学校で習ったものの中で、どうしてだか忘れないのがいくつかあって、そのひとつが、
春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣干すてふ 天の香久山
なんですけど、これ、 ....
ある時、私の口ぐせが「もうだめだ」とか「いっそ死ぬ」とか「消えてェ」なんかだったりした時期があった。
物事に対してやたら悲観的で生きててもいいことねーなとか
もうやだ全部やめたい、やめさして下さい ....
Mは大学のサークルで修善寺へ、ま、言わば遊びに行った。まだ20歳。
彼は童貞だった。先輩と無理矢理行かされたのが温泉街のストリップ小屋。
予想外に客は多く、淫靡な期待感にホールはむんむんの熱気。 ....
「人好き好きだろ」って言う言葉に全く耳を傾けず、頑強に、声を大にして「おまえは許せん」という食べ物がある。
!!!生ハムのメロン添え!!!
生ハムは好きだ。本場もんはほんとに美味いらし ....
マシンガントークと言って、本当にマシンガンを撃ちながらトークすると、相手は、まあ、ほとんどの確率で死んでしまうと思う。でも、向こうもマシンガントークだったりすると、今度はこっちが死んでし ....
きみの「ああ」が好きだった。
やさしい瞳でうなずく、あたたかい「ああ」が好きだった。
僕らはいつも少年達のように空を見上げて、周りからは「鳥になりたいふたり」なんてひっくるめられたね。
いつから ....
数学ってどの言語でも常に翻訳でしょう。いちばんオリジナルに近いのは、全部を数字だけで表す、ゲーデル数だと思うけれど、
それでもやっぱり翻訳には違いない。だよね、モーリー?
数学は形而上のもの、イ ....
帰りのJRまでにはまだ三時間ほど余裕があった。真冬の札幌で所用を済ませたあと迷わず向かった先は、昨年11月にオープンしたばかりの丸井今井札幌南館内シアターコムサ。その中にあるカフェ・コムサでケーキを ....
誰が吹いたか知らないが、ひと吹きの風がごちゃまぜの花の香気を運んできた。開け放されていた窓から侵入してレースのカーテンにぶつかった。カーテンは後ろへ飛びのくような格好で家の内側にふくらみ、左右に風を ....
駅は自転車置き場から500キロ離れていた。歩いてる途中で砂漠になったがおれは気にしなかった。あいつは面白い。ダークスーツの男が潔癖症の主婦に健康覗き穴を売りつけていた。他にほしいも ....
どうせ ひまこ
STAY
発育不全の化学レースとスウィングし続ける、
あなたは傾いた鋪道のうかつな生存者 唾液を塗したほんの子供。
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詩を書くことと詩を読むこととは違うのだろうか。今、私がやっている「詩を読むこと」は、自分がやってきた「詩を書くこと」とは少し違っている。それはそれで良いことなのか、それともそうではないのだろうか。
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昔、読んだ本にこういう話がありました。駅で一人の男が迷子の女の子に出会いました。彼女に母親の特徴を尋ねると「わたしのママはとってもきれいでやさしいの」と言うので、男はとにかくきれいな女性を探しました ....
こんなにも鳴らない携帯は珍しいから、冷蔵庫に入れてしまった。お好みソースの横らへん。
携帯を持ってから気づいたのは、自分が寂しがり屋であったことだ。朝昼晩、ふとするとメール ....
地響きひとつ。またひとつ。灰色の仮囲いの隙間から、黄色のユンボー。
引き裂かれたアパート。ざくざく歯先を確かめるように、太陽を何度も掠めて振り下ろされる。
断面図は美しいと思った。断面図の発見と人 ....
犬を散歩させてるやつをじっくり観察することはない。あったとしても、そんなにはない。深夜二時、居酒屋の前でゲロを吐いてる女を見るくらいそんなにあることじゃなかった。しかし、ゲロ ....
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家に近づく度に足は震え始めた。昨日のことが頭を過ぎった。
直子が私の「うざいよ」という言葉に怒り、何かを話しかけてたけど何も耳に入ってこなかった。
「綾香!聞いてるの!!」
見ると ....
「鏡よ、鏡よ、鏡さん、そーっと教えて下さいな、私に教えて下さいな」
「…そなたは、誰じゃ?」
「私はあなたの心酔者」
「うむ。では世界でもっとも美しい者の名を告げよ」
「クレオパトラでしょ ....
なんだいお前。あいつの事を可哀想だと言ったら怒られたというのか。お前はその事を悔いて、さらに恥じているというのか。
お前があいつを可哀想だと思うのは、仕方のないことじゃないか。何故ならあいつには ....
我々は顔を洗ったりする。もちろん、人様の顔じゃない、我々の顔だ。このだいたい10メートルぐらいの距離から誰だか判別する材料となる顔。近眼の人対象だとその距離はおそらく5センチメートル以内。アフリカの ....
さて、僕はカタギリさんに会ってみたいかというと、会いたくない。何かとてつもなく恐ろしいことが起こる気がする。
もしカタギリさんが僕と同じくひどく美形であったり、知性豊かな人格者であったとしても、だ。 ....
二日まえに人違い「された」 路上で通りすぎる瞬間に
「カタギリさん!」
って言われた。僕に向けられたものとは思わないので無視して進むと、何度も「カタギリさん」「カタギリさん」。
もちろん僕は「カ ....
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