その男をはじめて見たのは、ゴールデンウイークが終わったばかりの頃だった。
百年に一度の不況のメカニズムは分からないけれど、この四十人ばかりの会社にも、それは充分実感できるのだった。
上司が煙 ....
特に面白い事も無かった今日の業務を終えて、ロッカールームで着替える。館内全面禁煙、路上も全て禁煙なので、早いとこ駅前で煙草を吸いたい。何度か、外に出た瞬間に煙草に火をつけて、白い目で見られた事がある ....
クマカクレミノムシの幼生期はちょっと女子供には刺激が強すぎる。
六本の足と鋭い牙でヒトガラハナシの成体を捕食するからだ。
ヒトガラハナシは四本の触手と常に露出されたクレパス様の生殖器官を有する ....
あかい爪から夕焼けにじむ
嗚呼、もう満ちてしまうから
呼吸をひとつ
決して後ろをみないこと
怖いと思えば取り込まれる
気を強く持つこと
廃墟には人ならぬものが住む
見えないから ....
道中出会った黒人の少年は痩せぽっちのチビだった。
手足がやけに細く、その癖黒人特有の光沢と張りのある肌。縮れた髪の毛に薄い唇。衣服は支援キャンプで配布されている、年齢に不釣合いな大人用のものをず ....
土煙りの中から少年と大男と若い女が現れた
少年と大男は同じ鳩と繋がっていた
若い女はこの世界の法則の例外を
そんなこともあるのかな、程度にしか気にとめていなかった
大男の右頬か ....
2005年にウエノポエトリカンジャム3という
野外で8時間ぶっ続けで約80組が出演し
詩の朗読をするというイベントの
実行委員会の代表をやらせていただいた。
3というのだからそれ以前に2001 ....
東京湾をフィールドとする釣師にとって、アナゴは馴染みの深い魚である。
キスやハゼを狙っていても、日が沈むころになるとアナゴが食ってくる。
防波堤や漁港の岡っぱりからの釣だから、寿司屋ででてく ....
本日、バック転日和。池谷幸雄は今頃なにをしてるかどうか、という問いに答えるのは、簡単だ。
バック転をしている。相変わらず。月でもいい週でもいい、大阪人がタコ焼きをほうばる回数より多くバ ....
早い朝の淡い光線に君は濡れながらそれでも整然とした様子でそこに生きていた、俺は喉に突っかかるような痛みを覚えながら君の名前を呼ぼうとしたが、記憶に栓をされているみたいにそれはままならなかっ ....
今から30年以上前に高田馬場で朗読会を
していた上手宰さんは僕が尊敬する詩人で、
4月の「ぽえとりー劇場」は世代を越えて詩
を共有する雰囲気になったのが、とても嬉し
いことだった。そして、長 ....
あたしは 今日も 錆びかけた個室で ベッドにはいった
いつごろからそうしてるのかわかんない けど 法律で決まってるから
{ルビ駅=シンシツ}は人もまばら そろそろ発車だからね
個室は最初 カタン ....
♪ジョニーが来たなら伝えてよ
二時間待ってたと♪
隣の家の真行寺のおばさんにそうお願いしていたら、
ある日の夕方おばさんは血相変えて僕の家に来てこう言った。
「あんた気をつけなよ。 ....
詩は在る、として詩を書くとはなんだろうか。
書いたものが詩である、というのはどういう状態なのか。
詩人をどう定義すべきか。
それらの問いは、今や意味をなさないのではないだろうか。
なぜなら ....
服部剛氏の第二詩集となる『Familia』を開くと、そこには温かな潮流が静かに流れていた。
服部剛という詩人は日常の何気ない風景の中から、その温かな視線で拾いあげてくるアングルが、
マザーテレ ....
散文カテで投稿しようと思ったけど、無計画に文章打ってるだけじゃ人の時間をうばうだけだな と思い直してこっちに貼っつけ。
だってさ、もう何年もおんなじこと言ってるんだもん。しかたねえよなあ。(1/22 ....
余華の『活きる』日本語版を読み、一度見た映画版の『活きる』をもう一回見ることにした。
張芸謀監督に誘われた余華も脚本制作に参加し、映画版に小説にない要素がいくつか加えられていた。毛沢東像が ....
今日、鼻から通す胃カメラ(経鼻胃内視鏡検査)で胃の検診を受けた。うわさどおり口から入れる胃カメラよりずいぶん楽だった。
私は十年前に自覚症状の無いまま発症し、かつ知らないうちに治癒した胃潰 ....
猫介は学校を晴れて卒業した。
そして就職活動を始めた。
三毛猫食品の応募票を入手した。
質問項目がたくさんあった。
「なぜわが社を?」
「自己PRしてください」など。
初めてのこと ....
俺たちは七人兄弟だ。
容姿も全く同じ、その主義主張も性格も、思考も全くの同じだ。
たった一つ違うことは、それぞれが同時にひとつの場所に存在しないこと。つまりは物質的な同一性。それだけだ。
....
きそくがある。じぶんのげんこうをひとつもってはいれ。ただし、くうはくやくとうてん、だくてんはんだくてん、すてがなひらがな、ろくじゅうさんしゅるいのもじだけをつかい、すべてをいちじとかんさんしてせんじ ....
規則が、ある。自分の原稿を一つ持って入れ。ただし、原稿には空白や句読点、濁点半濁点、、捨て仮名、ひらがな、全てを一字と換算して千字ぴったりの原稿。漢字やカタカナ、異国の文字は不許可とする。
....
〜愛犬への手紙(応募作品800字制限)
妹の結婚式は相手方の故郷、新潟の長岡で執り行う事としていた。
当時、その際に父方の親類と母とが揉めていたのはもう遥か昔の事。
遠い親戚を招待する。 ....
現代詩以前にも詩は数編書いていた。
今読み返してみれば、季語ならぬ詩語を並べて詩風にしただけの取るに足らないもの、もしくは、単に思ったことを少しひねた言葉にかえただけのものでしかない。いわゆ ....
これで投稿100個目になりました。
パチパチパチ
一番最初は2006年12月13日でした。
以来コツコツというかダラダラと言うか書いてきましたが
最近はめっきりペースダウンですね。
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そば屋のラーメンってさ、そこら辺でムダなプライド掲げてるラーメン屋より美味しい気がするのは気のせいかなあ。
実家の隣駅にある麺屋へ行ってみた。BGMがずうっとBEATLESのお店だった。
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書くワークショップ 荻窪での4回目を終えました。
今回は参加人数が6人でした。参加されたみなさま、ありがとうございました。
書くワークショップは、みんなでことばを出し合って、出てきたことばから ....
僕は小さい頃、ウサギになりたくて、何故ならば、あの雪のように白く絨毯のようにフカフカな毛と、この世のものではないようなまあっかな眼が美しくて、見惚れて、そして憧れを抱いていたからだ
「ウサギにな ....
昨夜は新しい詩集「Familia」の出
版記念の詩の夜であった。何人もの詩の仲間
がこの本を手に取り、休憩時間にメッセージ
と名前を書いて、一人ひとりに手渡せた時、
僕は詩を書く者の幸せを ....
http://www.nhk.or.jp/nichibi/weekly/2009/0510/index.html
(NHK日曜美術館のページ)
昨日新日曜美術館の再放送でパウル ....
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【散文(批評随筆小説等)】散文詩は禁止。散文詩は自由詩のカテゴリへ。
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