リビング・ルームのテーブルには、油まみれの四角いカード・ボードに、ピザが二かけらだけ残り、もう白いチーズを固くしいびつな三角を見せていた。
 Hiromiはウォーフでの母親の話を聞くと、そんなこと ....
 白いタイルが弾く光の中で海獣は、毛皮に包まれたくたびれたピローに見えた。
 他にどこにも連れて行くあてなどなかった。
 娘のHiromiは、Sayoがアザラシを背負ってアパートの部屋に戻ってきて ....
 JR京浜東北線新子安駅前にある居酒屋『道草』の親父は、
僕がカウンターで一人、コップ酒をちびちびやっていると、決まってボクシングの話を
聞かせたがる。僕ら以降の世代では誰も知らないような昔のチャ ....
 ためらうことなく男達の目の前で白いブラウスを脱いだ。白いブラジャーのほっそりとした体に陽がいっそう白く肌に弾けた。
 そして膝をおとすと、すぐにそのブラウスをアザラシに着せ始めた。
「スカートも ....
 十時間も眠るとき、最後三時間の夢はオールフルカラー。あまりに手近なのに摩訶不思議な夢世界だから、これを捨てるのはもったいない。僕は夢で詩をつくることにした。
 まず辞表を提出。「夢を大切にしたいん ....
 自分、恋に落ちたっす。初恋ってやつっす。中二にして初恋、自分、純情ボーイっす。
 相手は同じクラスのサマンサっす。彼女が通学に使ってる鞄はサマンサタバサの物で、それはいわゆるハンドバッグといわれる ....
むかしはさ、日本にもカミサマがいっぱいいたんだよね。それこそそこら中に。外に出たらいたるところにいたし、テレビをつけてもそこら中にいた。んで、みんなそのカミサマを見て、喚起したり溜息をついたり ....  背のほうでどさっと物が投げ出される音がして、続いて、男達の声がした。
「こいつ、どうする」
「生きてんのか?もう、くたばってんだろ」
「さあ、生きてるかもな。海に捨てるしかないだろ」
 Sa ....
久しぶりに散文を落とそうと思った。なぜってまぁ、仲治君の散文を読んだから。途中までだけど。面白かった。続きはまた読もうと思う。なんだかんだで、僕は仲治君の散文が好きなのだ。あと、イカイカさんも。イカイ ....  夜のシフトのサーバー達と入れ替わりに、Sayoは店を出た。
 週末のダウンタウンは、車の数がぐっと減っていて、それだけでも何かほっとする。ダウンタウンの西側には入り江があって、それに面する辺りは、 ....
χ=9.9999…

10χ−χ=90
   9χ=90
     χ=10

10=9.9999…



世の中そんなもん。

細かいこと気にしてたら生きていけない。
宗教のための宗教とは(4)

私が宗教にかかわりだしてからはもう 永くなる。人生の3分の2は費やした。主としてキリスト教とバイブルを研究した。キリスト教はイエスによってはじめられユダヤ教の母体の上 ....
 Sayoはもうこんなことを三年もやっていた。
 森を越えてやってきたここは、都会の雰囲気のある町で、少なくともダウンタウンには背の高いビルがあり、州立のバスが走り、スーパーマーケットで買い物ができ ....
ドラマや漫画、アニメや映画など、様々な解釈で話した機会は誰もがあるだろう。

よく「作品は作者の手から離れて一人歩きする」という。
それは、説明されていない部分について、我々受け手側が自由に解 ....
 この店でサーバーの仕事をし始めた頃、最初は、オーダーのとり方もトレーの持ち方さえも戸惑っていたが、それも、すぐ慣れたのは何か水商売の天性があるのかもしれないと、Sayoは思ったりする。昼の仕事は、夜 .... 「アレン、あたしはヴァージンって言ったはず。これはウォッカはいってんじゃないの?客が文句言ってるわ。子供が酔っ払ったって」
 Sayoは男に大きな声を張り上げた。店の中は、コンテンポラリーのジャズ・ ....
春の天皇賞。6歳になった彼の、最初で最後のG1レース。
出走にあたって、彼の所属厩舎だった田中清隆師の残した談話が今でも忘れられない。
調子がどうの、勝ち負けがどうの、という話ではなかった。
「 ....
別に、ただ気になっていただけだ。
どうせまた明日から、同じような顔をして過ごす自分に嫌気が差して叫び出したくなるように。
変わらない自分を望んでいると言う割には、平穏なんか壊れてしまえと物騒な事を ....
晴天には雨を忘れるから、いつか遠い国で無残に殺された幼児のニュースも(そういえばそんなこともあったねえ)なんて言葉で語られるだけのものになった。ベッドの上で、音を出さずにテレビをつけて、ただ画 .... 娘は娘で、やはりそんな母親の影響か教育のもと、元気に何事にもとらわれないそんなおおらかな子に育っていた。やたら頭が良く、勉強などしなくても成績もよく、クラスの担任の若い娘のような先生は、クラスをスキッ ....  女の暮らしは、毎日打ち寄せてくる波のように、変わる事がなかった。
 狭い島の単調な暮らしに飽きそうになると、女は海峡を眺めて夢想した。
 海峡の向こう側には、隣国の長く横たわる山脈が夏でも銀嶺の ....
自分の将来に光が見えなくたって、恋人の中に未来を見いだせなくたって、
自分がたった一人の『自分』である事を、忘れてはいけない。

実際に無いかもしれない事象に怯えたってしょうがない。


 ....
いつの間にか海峡と陸を隔てる水平線は確かさを失い、靄の帯を海に広げていた。
 海峡の向こうには岩肌をみせる山脈と、その手前には昔は燈台守が住んでいたという岩礁に見まがう小さな島があった。
 今、そ ....
自分がどれだけ恵まれた環境にいて、
どれだけの愛に包まれているのか気付かずに、
他人の不幸を喜び、
自分が不幸だと嘆く人間には、

吐き気がする。

私も大概気付いてはいないのだろうけど ....
別に、好きでも嫌いでも無かった。
小さい時からそれをやっていて、ただ人より上手に出来ただけだった。
劣等感を感じて、辞めちまえ、と罵る輩の気持ちが痛いくらい分かってしまったのは
それから何年 ....
「あー。酔うた酔うた」
「大丈夫っすか?めちゃめちゃ顔赤いですよ?」
「えー、そう?って何ゆうてんねん。まだまだ行けるっちゅうねん」
「でもあんま飲みすぎたら・・」
「大丈夫やって」
 ....
 めったにないことだが、仕事で都市部にでなければならないことがある。そんなとき交差点を歩いていると、あまりの人の多さに眩暈がするのだが、同時に誰かがつけていた甘い香水の匂いに触り、私は先輩を思いだす。 ....  家に帰ってまで電気の光を浴びるのは嫌いだ。夜は夜らしく、暗くあるべきだと考えている。部屋の隅の卓上電灯のタッチパネルを一押し、書き物程度の光が、机の上から漏れ出しあたりに飛び散る。部屋の真ん中にある ....  胴体のまんなか、繰りぬかれた胸にはジェンガが積んである。人間とはそういう風に出来ている。例え服を着ていようと、裸体であろうと僕の視界では四角く切り取られた空間に、ゲーム途中のジェンガが屹立しているの .... 鈴木ユリイカさんが編集し長年発行されている『something』は世界の女性詩のカタログです。
従来の詩の雑誌と違い、多くの外国人からの
すでに発売されていたり、出版されている詩集の詩から優れた詩 ....
散文(批評随筆小説等)
タイトル 投稿者 Point 日付
「波の声をきいて」(8)月乃助3*09/10/25 2:48
「波の声をきいて」(7)3*09/10/24 4:37
PCを捨てよ 町へ出よう(1)花形新次2+*09/10/23 19:23
「波の声をきいて」(6)月乃助4*09/10/23 2:03
夢で詩を書くsnowwo...0*09/10/23 1:58
初恋の吹き溜まり光井 新309/10/22 21:03
カミサマ捨て彦209/10/22 7:59
「波の声をきいて」(5)月乃助3*09/10/22 2:32
絵描きと詩人プル式2*09/10/21 13:39
「波の声をきいて」(4)月乃助3*09/10/21 5:15
世の中は大体で成り立っている飛べない豚109/10/20 19:04
宗教のための宗教とは(4)生田 稔309/10/20 10:42
「波の声をきいて」(3)月乃助3*09/10/20 3:57
良作と駄作の違い飛べない豚109/10/19 18:36
「波の声をきいて」(2)月乃助2*09/10/19 2:16
「波の声をきいて」(1)1*09/10/18 3:22
「名」馬列伝(11) シグナスヒーロー[group]角田寿星4*09/10/17 23:08
詩想 —3[group]黒乃 桜109/10/17 16:21
Babelogueホロウ・シカ...3*09/10/17 10:02
「あざらしの島」(3/3)月乃助5*09/10/17 4:42
「あざらしの島」(2/3)4*09/10/16 2:36
忘れないで。aokage1*09/10/15 15:57
「あざらしの島」(1/3)月乃助4*09/10/15 11:36
怒りと憤り。aokage1*09/10/14 19:13
詩想 —2[group]黒乃 桜109/10/14 18:48
串かつ捨て彦309/10/14 7:11
花は女の匂いがする亜樹409/10/13 23:18
無題影山影司109/10/13 20:39
ジェンガング109/10/13 3:17
鈴木ユリイカさん編集の『Something』は世界の女性詩の ...イダヅカマコ...3*09/10/12 13:45

Home 戻る 最新へ 次へ
117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 

【散文(批評随筆小説等)】散文詩は禁止。散文詩は自由詩のカテゴリへ。
0.52sec.