これは…
今年の六月のある日
高知県高知市の中央部にある
一件の古い住宅の中で
起こった出来事である…
「軽い気持ちだったんですよ。」
その家の住人、O氏(匿名 ....
現時点で、世の中で起きていることは、いったい何か。
大きく、2つの事実にまとめることができる。
ひとつは、生産性の過剰な上昇によって、本質的に労働者が過剰になっているということ。平たく言えば、 ....
私たちは稀少なドラゴンを撮影しに行った。標高4,222mのシヴァ山は、ドラゴンの住処の一つとして世界のあらゆる教科書に記されている。この世界の大いなる神秘は市井の人々に好奇心や甘美な心象を喚起させ、 ....
アパートの前に半壊した木造の2階建ての家があったが、今年の夏休み、地元から帰ったらきれいさっぱり壊されていた。なぜか残された白い西洋風のポーチが、敷地内に広がる茶色の地面と対照的だ。2対の細身の紅葉 ....
スタンドって知ってるかい?
精神力を具現化したもの、と言えばいいのか。まぁ、『ジョジョの奇妙な冒険』を読めば早い。
おれはスタンドが使える。ある日、突然使えるようになった。バイクを運転中、バ ....
ぼくの一番の友達、子猫のみゃーお。変な名前だと言わないでね。ぼくがつけた名前なんだ。みゃーおは雨の日に公園の側に捨てられていた。雨に濡れてふわふわの毛がぺったんこになって、とても可哀相だった。だから ....
泣きながら歩いた日はひもじくて、自分の体から精子の匂いがした。
似合わない色を着て、どうしてこんなところまで来てしまったんだろうって思っていた。
花は季節によっていろいろ違う。椿とかたんぽぽと ....
ラララァ〜ララララル〜ラララルララァ〜ララ〜
真っ赤な太陽が地上から立ち去ろうとしている。すべての風景は陽炎に揺らめき、無数のラクダのシルエットが地平線をゆっくりと移動している。乾いた風が砂 ....
どうにも不安な夜がある――。
だいぶ前から、夜になると潮が満ちるように暗鬱な気分に浸るようになった。夜っていうのは、そういう孤独があるものだと、最初の頃は粋人ぶったりしていたが、最近はおびた ....
子供たちが野放図に電柱に貼っていった夢を剥がす仕事、時給700円。珍しい仕事に「これは」と思ったが、窓口へ持っていくのは辞めた。求人ファイルの分厚さは重複した内容によって水増しされている。目新しく新 ....
不可思議な街の中を歩いていた。不可思議という意味、それ自体のことを考えながら。いくつもの角を曲がりながら歩いた。カラオケの、もう料金を値上げしていた看板。結婚した友達からは、あいまいな内容のメール ....
幼い頃から海が大好きだった。
道産子なので北の大地も僕の遊び場だったが函館という港街に長く住んだ。
洋風の風が吹くこの街で潮の香りが好きだった。
朝市のような活気に満ちあふれた世界はとても心 ....
銀で出来た蒸気機関車が黄金の煤煙を噴きながらプラチナのレールを走ってくる。よく見ると煤煙は大量の金粉だ。噴射され空中へ舞い上がったあと、キラキラと輝きながら草原に降り積もる。煙突から噴き出る大量の金 ....
最近疲れがとれない。
なんだろうこの疲労感は?
運送業なので確かに休みの少ない職種ではある。
もともと凧みたいなフーテン振りで妻にも離縁された駄目男ではあるが
以前はもうちょっと覇気があっ ....
最近、悲しみについて考えることが多くなった。
そこで、その悲しみを乗り越える(?)べく、悲しみに関する考察を述べてみたい。
悲しみはどこからやってくるのだろうか。
唐突に空から降ってくるもの ....
詩はなぜ「難しい」のだろうか。詩はなぜ「わからない」のだろうか。それは、「わかりやすい」文章が一義的であるのに対して、詩は多義的であるからだろう。解釈が一通りに容易に定まれば、何も難しいことはない。 ....
休日、タイ料理をたべて、よく晴れていたのでちいさなピクニックをした。コーヒーショップで買った飲みものとパウンド・ケーキ。さいきんできた、わたしのあたらしい友人は胸に青い薔薇を咲かせている。
公園 ....
…セックスは…正直、するよりも見る方が楽しい。若い頃、最初にした経験がトラウマになっている。恋人とのセックスで、まるで冷たい泥の中に生殖器を突っ込んだような感触を味わった。僕の手の内で悶える、彼女の身 ....
では、ぼくの友人の話をします。名前を仮にNとしておきます。明るい、いいヤツでした。Nの実家は県境の山のすごく奥の方で、高校のときから市内に出てきてひとり暮らしをしていました。生物が好きで、生 ....
ペポパンプ氏の投稿は12年11月29日で途切れているが僕が仄聞で女流詩人の一人から耳にしたのは僕の尊敬する詩人が追悼の辞を述べていたことがとても気になっていたある日のことだった。
まさかとはおも ....
フランダースの大
{引用=戦後の東京を舞台に繰り広げられる青春冒険小説。深谷浅蔵作。}
(あらすじ)
新制中学3年生の{ルビ大=マサル}は、国鉄総裁が轢断死体で見つかるほど自由な世の中になっ ....
『蝿の王』。『十五少年漂流記』との比較されることがあると聞き、どのようなものか気になって読んだ覚えがある。今から十年も前になるだろうか。おぼろげな記憶を頼りにざっくばらんに概要を述べれば、漂流した少 ....
図書館やツタヤで借りて読んだ本です。ネタバレあります。
『RDG レッドデータガール 1〜6』荻原規子 著
アニメ化されているので読んでみました。面白かったけど、色々少女マンガぽかった。今どき ....
連休、休みを取って旅行へ行った。知らない街や知らない海べを歩いてきた。
夫と。
夫は、ほかの男のひとたち(あるいは男のこたち)とあらゆる点において異なっている。どこにいても、いつでも夫はわたし ....
希望と文学の関係を知ろうと思った。そして、漠然と、ユーチューブで映画の批評を見てみた。単純に映画という作品のほうがたとえば文学的なものと比べて圧倒的に反応が多い。それ以上の理由は特にない。
漠然 ....
詩の目。詩の芽。どんな土に根ざし、どんな花を咲かせ、どんな実をつけるのか。その巡りで何がもたらされ、どんな眼が開くのか。こころは、どこにある。
私は自民党の改憲案に反対する。
自民党は、近年、基本的人権にかなり制限を加える必要があると繰り返しいってきており、そのために憲法改正を目指している。
しかし自民党の主張は、憲法の本来の機能を ....
日本にいるみんな、どうか、12月の選挙を思い出してほしい。あのとき、ネットでのアンケートなどの傾向と、実際の投票結果は大きく離れていた。これは、ネットを使わないものの人数としては圧倒的に多い年配の世 ....
現代、私たちを取り巻く情報は過剰であり、かつ高速に過ぎ去っていく。そんな中で、私たちは一つ一つの物事に多くの時間やエネルギーを注げなくなっている。すると必然的に、一つ一つの物事の価値は薄くなり、その ....
そこはカーテンで閉ざされた、暗く狭い部屋で、ドアは開けられず、ガラスで閉ざされた小さな窓が一つあるだけだった。無表情な少女が一人、ベッドの片隅で蹲っていて、携帯電話を片手に、足を組んで遠くを見つめて ....
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