どうにも詩が書けないので散歩に行くことにした。
外は、晴れ晴れとしていて、言葉を忘れるくらいに平穏だ。
雑草の生き生きとした緑。空のまっさらな青。そういったものに見惚れる。
風景は言葉のいら ....
もとは華美だったとわかるうつくしい布切れを纏い、にぶく輝く金の鎖をつけた骸骨が、足を引きずりながら、ま白い日の照りつける、荒涼とした砂漠をよろめき歩いております。
透きとおるような薄青い空に、白 ....
私は思潮社から詩集を二冊出している。『zero』(2015.3)『vary』(2017.6)である。詩集を出してみて感じたのは、確かに自分は歴史に参画した、という手ごたえである。
それまで私は現 ....
素麺と豚肉と茄子の煮たのと味噌汁ととまとと胡瓜と梅干しとご飯と納豆とひき肉冬瓜と青菜の浸しをたべたら作り置きの惣菜がもうないから卵を焼いて豆をもどして、もどしてるあいだに卵はたべてしまうしもう一度 ....
現代詩フォーラムを見つけてはじめの一年ほどは、見ているだけだった。投稿しなかった。
投稿などできるはずもない。詩を書いたこと自体なかったのだ。
たくさんの素晴らしい詩を読ませてもらった。優しい詩、 ....
僕が師匠と呼ぶ人がいた。
僕の家から自転車で10分ほどの前山(はしたやまと読む)の中に居を構え、仙人としか言えない暮らしをしていた齢は60代成りたてといった風貌の男だった。
そもそもが彼が落と ....
詩は難しい、わからない、という声をよく聞きます。ところが、詩というものはそもそもわかる必要がないものです。わかることよりも感じることの方が大事です。ことばというものは意味を伝えるだけのものではなく、 ....
詩において定型は韻律でありリズムである。と同時に、定型は認識の枠組みであり、ストーリーの大枠である。コミュニケーションの観点から言うと、定型によって読者は気持ち良く詩行を受容し、また一度定型に慣れて ....
思いつくかぎりの言葉をみんなつかって作った山を切り出して、てきとうにくっついた文字の並びで遊んでたのが昨日のこと。さしだせるものはみんなそうして、みえるかみえないかぐらいに残ったのがた ....
雨の日だった。皆が傘を持ち、その分、満員電車はいつもにも増して隙間が少なかった。他社線が停まる駅で、乗客の多くが降りた。乗り込んでくる客に押されながら、ようやく身体を入れかえると、目の前に見慣れた後 ....
プロローグ
◆
詩っぽいものを書きはじめて二年、あたらしい世界をみつけてわくわくしている人間のおぼえがきです。
とおもって書き上げたら、「ただの身内の交友日記じゃないか」と自分にツッ ....
アイスクリームをうる夢をみた、のきなみリンク切れの窓をかきまぜる、みんなどこに行っちゃったんだろう。
とおもうわたしの足もとも流れて、みんなどこに行ったちゃったんだろう?でもお元気で
な ....
世界は暑くなりすぎだね。っていうあなたの涼やかさ。シャツのなかに風を飼ってるみたいで良い。
そうだねってわたしは言うけど汗でべたべたになった手がすべってつかまってられない。わたしは季節をすべりお ....
パリ、モンマルトルの享楽街の中でも、ひときわ輝く大きな劇場があった。
名を『ムーランルージュ』という。
彼らはそこで活躍する芸人だった。
「ねえジャン、あたしたちがコンビを組んでもう ....
きみはなにに殺されたのだろう。
この日付、六月二十六日という日付のほんとうすら私はもう忘れつつある。きみの命日そのものだったのか、それともきみが死んだことを私が知った日だったのか。
おそろ ....
詩から遠く離れて、みなもすなる生活というものをしてみれば、日本語は予測可能なものになっていくし、なって行かざるを得なかった。予測不能な山茶花オクリさんの詩を僕は愛し、愛しながら敬愛し、敬愛しながら敬遠 ....
迷路の出口には、新たな迷路が設置されている。
僕らの世界は果てのない迷路。
どこまで続くかわからない。どこまでも続くかもしれない。
最近、それが救いのように思えてきた。
例えば、数学という ....
詩に目的はない。詩に価値はある。言葉の自由な使い方や、美しい使い方のお手本となることができる。それは、実践の中から生まれるだろう。つまり、胡乱な態度で書かれていれば、それなりにしかならないのである。 ....
たとえ、評価されなくても、たくさんの人に読まれなくてもいい。
僕はただ、誰かの心に残る言葉を書きたい。
僕のなかに言葉を残していった彼らは、僕にとってとても大切な人達で、心のなかでずっと輝き続けて ....
むすめに小花柄のワンピースを着せたので、自分は紺色の格子のワンピースを着る。ふくらはぎまで裾のあるざらっとした生地の。雨は降ったりやんだりする。
「びしょびしょになってもいーんだよね」ってむすめ ....
コツコツコツ・・・(演壇に向かい階段を上がる)
「えー、うぉっほん! ん?ちょっと、君、演壇に水が用意
してないじゃないか。頼むよ。私は今日喉の調子が悪いんだ。
・・・そうそう、大事な発表の時に ....
東京の、東側にある下町の一角。
バラック建ての小屋が建ち並ぶ路地裏の奥に、ひっそりと営業している立ち飲み屋がある。
カウンターだけの狭い店で、客は私と桑田佳祐だけ。
桑田はイカ刺しと塩サバを肴に ....
О
ケイチツの日
ケイチツとは、
冬籠りしていた虫が
穴から出てくることだと
教えられて
幼い子が
空缶を叩いて
虫を呼んでいる
虫が出て来ないので
音が足りないのかと
....
ベランダと窓とレースのカーテンをはさんでみるひざしはやさしい。5階からみる中くらいの街なみも。
駅から歩いてくるだけでもたくさんの花がみられる。うすいオレンジ色のぺなぺなしたひなげしとか花水木と ....
自称とは自己主張である。
自称とは承認欲求である。または、承認要求?
自称とは一種の自己紹介で時に度を越し間違いのもとになる。
自称とはときに無法である。
自称とは何とか自己統合を図ろうとする ....
詩、と思っている文章を所謂『自称詩人』として、これまた所謂『ネット詩人』として発表している。時折、評価を頂く。私自身も感想や批評めいたことも書き込んだりする。草詩人、アマチュア詩人の戯れ。可愛いものだ ....
私の趣味嗜好におもねって(変換してくれないのでママ、つうか、おもねる?だっけ?こんな言葉あったよね)、ネットフィリックスさんが、火星関連やら宇宙関連をお薦めですよとのことで先日『エウロパ』という蛸映画 ....
僕の体の中には沢山のコップがあって、塩辛い青い涙や大輪の向日葵みたいな喜びや夕日の落ちる切なさがそれぞれに詰まっている。コップは多分千以上あってそれぞれの感情を綺麗に整理してくれるんだ。必要なときに必 ....
AI搭載のスマホが、ある日突然「アナタツイオクハ?ハンプクハ?」と訊いてくる夢を見た。あなたは追憶派?それとも反復派なの?という意味のことだろうと思った。私は「追憶派です」と答えた。AIは何も答えなか ....
文豪トルストイの戦争と平和。戦争があり平和がある、というか、平和の尊さを感じたとき、それを失いたくないから、平和を願い、また、祈るということは多い。人間の深奥に潜む二つの何かが戦争を産み、平和を願う。 ....
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