父に会うといつも
私は刺身になっている
ワサビをなめると
高らかな笑いをする
母の姿を追いかけては
私はアルバムをめくり
母の顔を見つめていた
夕暮れの路地裏の影から
鳥の一羽 ....
従兄弟が浮気して
離婚した
久々の報せは
不愉快極まりないものだった
そもそも
彼と僕は反りが合わなかった
仲が悪い訳ではない
嫌いな訳ではない
大体において
意見が食い違うのだ
....
怒りと憎悪は人の世の兄弟
胸を灼く荒廃は人間を苛める
胃の腑から沸き上がる痛みは全てを呪い
何より最も強く己自身を呪い苛める
血生臭く罪悪に満ち溢れ
復讐と怨恨が全ての理の神たる人の ....
蝶
小さい頃
簡単に見つけられていた
色のない蝶々が
最近見つけられなくなってきた
視界の端で
鋭利に騒ぐ蝶々を
捕まえてはネットの中に
押し込めることを
よく していた ....
ダイエット目的にはじめたジョギングだったはずなのに
夢はホノルルマラソンなんて張り切っている
フルマラソンって42.195kmも走るんだよね
あの子の精神構造ってどうなっているんだろう
....
悪いことはしてないよ
だけどいい子じゃないよ
道案内はするけれど
その先のことは知らないよ
決まってる分 しあわせになって
決まってる分 泣くなんて
最初と最後が決まってるなんて
....
おなかがへったら たべればいいよ
そこにパンケーキがあるでしょ
あそびたいな まだ あそびたりないんだ
かえったらすぐ ふとんにダイブしちゃうくらい
それでもまだ あしたがこなくなっちゃう ....
羅漢頭をペコリと叩きゃ 大人の漫画の声がする
1998.04.07. YIB01036 Tamami Moegi.
....
血が流れた。
血が流れた。
血が流れた。
そして川になった。
ぴん と張った
木枠の布に
ぷすりぷすり
と
針を刺す
あなたが
毛立て器で撫でる糸面は
決して
綺麗にぼかされることは無く
千切れた
刺繍糸と
毛羽立 ....
今日、白髪を抜いてしまった。
おばあちゃんの毛のような
白い美しい白髪だった。
わたしも苦労したなと思った。
H22.4.25
愛は四重奏
愛は三重奏
愛は二重奏
愛は孤独奏
その身を削いでゆく
どこまでも
いつまでも
と、いうわけにはいかないのだ
だれであっても
どんなひとであっても
あげくの果て
使いものにならなくなった
....
ここではいつも
少しずつ違う絵が描かれている
だから
少しずつ違うことを忘れてしまう
垂れ流した絵の具が
しがみつくようにして
一つの記憶になる
曖昧な残像に縁取られて
一 ....
さよなら手を振って
ごめんね頭を下げた
おはよう手を振って
ありがと頭を下げた
言葉だけじゃ足りなくて
身振り手振りでも足りなくて
解り合ったふりをして
僕ら勘違い ....
げんこつみたいな心がね
ごろごろするから痛すぎる
ぎゅうっと ぐうっと握ってる
そおっと開けばいいのにね
つんつんとんがる手の平は
だれの心も指している
ふわっと さらっと流れるような ....
愛をもって
夥しい量のそれで溢れる
愛を口にする
受け止めきれない体は
玉の汗と息を止め
真っ白な愛に拒否反応を起こし
私を殺めてしまう
愛をもって
悍ましいほどのそれを湛えた
....
イルミネイションだけが
林檎の果実のように
重いというのか
すぐ帰結する解釈に
首を押さえつけられ
呼吸困難で
喉元が熱い
殺伐とした時代だから
こんなにも膨らむというのか
....
見知らぬ人ばかりが
夜に追突した
追突した夜は
分散し
それぞれの夢に混じった
あ、と驚きが
その人々を捕らえ、
携え、
さえずりを
引き抜いて
躊躇いに換える
夢が重み ....
つつがなく
夢を終え
私はもう目覚めている
ここにいる
一人の人間として
酋長の口笛を携えた
一人の血肉として
バネだけが
きしむひと時は
帰結した
それは他者により
投 ....
自分の周囲で起こる物事に
興味のアンテナを向けようとしない
それがおまえの言う自由
だが
気にかけようがかけまいが
おまえのすぐ後ろで
おまえの自由を食いつぶす
なにがが蠢いてい ....
水たまりで加速する人格
の輪郭に適度な凶器が刺さったままだから
もはや懐かしいんですよすでに全部が
といいながら地図を破り捨てて笑った
まさこをみたのはそれが最後だったってお兄ちゃんが ....
隣りにある
あなたの細やかな
可愛い手を優しく取って
眼を瞑って静かに
あなたの手の甲に接吻する…
あなたのたおやかな眼差しに
そっと心を合わせてゆく
身体は海の彼方の
無数の ....
ゆく道の車の窓に
雲を光らせ 幟旗を押し立てて
見知らぬ男たちが手を振る
起きぬけの笑顔で
すぼめて垂らした傘の先を
水たまりに映して
参議院選挙の投票に行く
昨日死んだ紺の背広 ....
七夕なのに雨模様
願い事を見透かしてしまう僕には
あまり関係のない事実
笹を(と携帯に打ち込んだところで、稽古が終わった娘が車のドアガラスを叩いたから、作業を中断をせざるを得ない)
※ ....
朝。
新宿から歩いて帰宅した。
暑いな。今日も。
早い。もう7月も半ばじゃないか。
今年が明けたと思ってたら。
もう7月で。
やることいっぱ ....
チェロが重低音を響かせる中
正座した理屈が
墨を含んだ筆をとり
大きな美濃紙の中央に
ごつごつとした岩山を
描く
モノトーンの岩山は
山肌の陰影だけ 浮き上がり
山の際 ....
隣の男が
うちのウサギを盗もうとしていた
その男はバニーガールのように網タイツをはき、ウサギ耳をつけている
おれはウサギテロリスト
世界に散った哀れな飼いウサギを集め
反乱を起こ ....
片親とか貧乏とか
決して触れられたくない琴線抱えてる子供は
暴力で捻じ伏せるか
....
【Weeping Sorrow】
殺し合うのは何故? 誰かを守りたいから。 ただそれだけ。
殺される者にも守るべき大切な何かがあるのに
そんな思いやる気持ちさ ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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