どうして涙がでるのだろう
動物園にいるゾウさんが
真っ黒な瞳をきらっとさせて
乾いた風に吹かれる中を
のっしのっしと歩きながら
どうして涙がでるのだろう
目にゴミが入ったのだと
あの ....
陽射しが強く照り付けるたび
懐かしく思い出される夏の日
肌触りのいい
風がよく通るシャツ
あの頃は
いくら汗をかいてもよかった
日が暮れるまでに帰るルール1
七時になっても日は暮れな ....
背中の曲がった老人が
夕暮れに向かって歩いている
歩きたいのだ
だれも
彼に杖を貸してはいけない
赤ん坊を抱いた女が
夕暮れに向かって歩いて ....
離れたくないといったのは、僕のほうで。
離れたいといったのは、君のほうで。
僕らの手は、最初っからみたいに。
空気を掴んでた。
離れたいといったのは、やっぱり僕のほうで。
....
一人暮らしにふさわしい30cm*30cmの机をはさんだ向こう側
君は寝息を立てて眠っている
とは言っても実際、デスクに向かう僕には寝息はとどかない
寝顔は見えて寝息は届かないそんな絶 ....
もしかしたらこれって些細な悩みなのかな
ちっぽけなことで躓いては立ち止まる
あまり不自由したこともないのに
何かが足りない気がしちゃうよ
もしかしたらそれってただのわがままなのかな
ちっ ....
公園でタバコをくゆらせていると
大胆不敵な白いヤツがやってくる
ニャンと甘えた声で
*平成22年3月 詩集「十二色入り」より
ぼくは一人で
柱の陰に背をあてている
柱の外の
広がる世界のそこここに
ヤスコとトシユキとマユミとアキラと
たぶん立ったり座ったり けがを負ったり
だれかの太ももをたたいたりしているけ ....
朝が来るのも、夜が来るのも
自分の目が覚めるのも、眠くなるのも
勉強があるのも、仕事があるのも
自分がいるのも、他人がいるのも
賞賛があるのも、罵倒があるのも
嬉しくなる ....
ただ、月を見上げる
自由を求めるあまり
僕は一人わがままになった
皆に僕の言うことを聞かせるため
ひたすらに頑張った
やればやるほど
皆褒めてくれるのに、どんどん遠ざかっていくようなそんなきがした
僕は一人に ....
もうすっかり真夏だというのに
町内を一匹の羊が歩いていた
川を探しているようだった
取り壊しが決まって無人となった団地が
フェンスと草むらの中に
数棟納まっている
淋しい幼 ....
桃ずきんちゃんは
その名の通り
桃色のパンティと
それがチラチラ覗く
超ミニのスカートをはいて
ズッキン ドッキン
ズッキン ドッキン
歩いてる
ある日
森のなか
熊さんと
....
ほんとうか
どうかわからない月がある
空を見る
隣に見える星は
月にむかって首かしげてる
歩く私の
影も吸い込まれた黒の空気に
命細々
永遠を夢みていた頃の映像を
心に ....
浅瀬の悔恨
波打ち際の羞恥
足もとの砂をさらってゆく喪失という名の波
これ以上
ぼくをなぶって何とする
これ以上
ぼくをあざけり何とする
冬瓜は夏の瓜
翡翠色に煮あげて冷やして食べます
石敢當さんの好物で
石敢當さんは
「これを食べると力が出るんだ」と
夏中ほくほく食べてたそうです
今では季節以外にも見かけるようにな ....
石の詩を書きたい
原石などではなく
その辺のただの石っころりんの
ひん岩とか、けつ岩とか、あんざん岩とか
まずその名前
貧血とか安産みたいだよね
それから
掘らなくても川原に転がって ....
{ルビ赫色=あかいろ}提灯が誘う、誘う
其れに似た色の林檎飴が
いかにも着色料使ってます、な感じで
艶めいていて笑う、笑う
{ルビ赫色=あかいろ}浴衣の女の子が走る、走る
....
電車は陽炎のレールを
すべるでもなくはうように
ホースの先を
つぶして持つ君の背中から
やぁ
と声をかけると
驚いた拍子の水を
よける間もなかった
光化学スモッグ注意 ....
横断幕を掲げて狐の団体が行進する
サクラマの山を下って
ミソグスの河を越えて
ブヒタナの街で尻尾を振って立ち上がる
嘖嘖 即即 黙黙
僕はヨシコと昼食の約束があるので
空に向 ....
跳ねるのどの熱さが手の平から伝わってくる
君は水面に顔出す金魚のように喘いでいる
昼下がり 西日は容赦なく目を射ち
閉じたまぶたで君を切断してみたい
どうしようもなく疑わしい 薄い影を踏み ....
もう絵はやめた
そう言っていたあなたが
鉛筆を一本買ってきた
照れ笑いを浮かべながら
これだけで描けるものを
それが今の気分なんだと
紙を忘れてしまったと
やっぱりち ....
葉を落とした木々のトンネルを抜けて
半島の北側を走る私鉄の
絶え間ない線路との軋轢を
心地よいささやきの様に夜毎耳にする
秋は未練を払い夏の毒素から解放され
今ひとたび人間を愚かにする静 ....
僕は殻を破って
やっと外に出た
そしてまず最初に
やったことは
自分の殻を
作ることだった
今度はもっと頑丈な
簡単に破れないような
そんな殻を
作ることだった
....
少女の横にかたい夢をおいたら
爪を立ててくる人が増えたよ
雄の人の横に旗をかいたら
腕になんかかいたよ
ああ せいしの片足をあげて 嵌り付いた窓の雲の景色をみて
真っ青な雲にみえるまっしろなくうも
動けがからだをゆさらせほぞかしている あったたかいちつつば
ああ なだいかんおけの衝撃と衝熱と唾を
....
父がテレビを見ていて
「昔は良かった」とつぶやく
おそらく白黒テレビの時代だろう
私もテレビを見ていて
「昔は良かった」とつぶやく
だけどそれはカラーテレビの時代
父は「いしだあゆ ....
あなたは今
この手紙をどんな気持ちで読んでいるのでしょうか
ぼくには想像がつきません
でも
あなたがこの手紙を読み終わった時
ぼくの想い伝わっていると嬉しいです
始まりがな ....
{ルビ迸=ほとばし}るような闇を消す
{ルビ脆弱=ぜいじゃく}な朝の光が 嫌い
せっかく隠すことのできた
僕の醜く{ルビ霞=かす}んだ心を
いとも残酷に {ルビ曝=さら}け出す
....
のっぴきならないのっぴ―のような
蛙の声が雨音にまぎれるような
御飯、パン、御飯、パンのような
星空がスイッチのない電灯のような
ゴミの日のカラスの合 ....
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