ふたつ向うの窓を
開けることを夢見ていたよ
椅子に張り付いた
呪わしい身体を半ば見捨てながら
シングされるソング
穏やかな旋律ほど
ぞっとする狂気を秘めなが ....
もはや私ではない
父になってる
父はよく怒鳴った
怒鳴らなくてもよかったのに
わけもなく怒鳴った
そのわけを
今知りはじめていた
こんな家
はやく出ていきたいと
....
道を歩けば 犬とすれ違う
人とすれ違う
暗雲を 見上げ
虹を見つめる
屋根を見上げ
雨だれで 口を潤し
石ころの 匂いを感じ
緑の葉を 味わう
小石を拾いあげる
川の中に 放 ....
楽しげな手応えを 夕暮れは手のひらで掴もうとしている
確かな 部屋一面の 公園が
たったひとりの 自分でもない 雷鳴の中
鋭いアパートの極彩色が聞こえている
テレビをつけると 亀 ....
{引用=
6月の雨が
まだどこかに残っていて
それが7月の終わりになっても
降り注いでいる
一月以上寝かせたからだろう
いらないものがたくさん混じってる
人間の気持ちに置き換えたら
....
友達がぐれて
イグアナになった
もう
人間に戻る気は
ないらしい
奥さんと話をしたら
俺は百舌鳥になりたいと
息子が暴れるそうだ
わたしも
たまに
こっそりカメレオンになるから
....
ただひたすらに暑いから
手をつなぐのも
抱き合うのも
なんだか嫌になってしまうね
どこかのアニメじゃないけど
ドロドロに溶けてしまえば
手もつながなくていいし
ましてや抱き合わなくて ....
昼間はゆらゆらと
国道の標本で遊んだ
すぐ側で乾いたアイロン台が
牛のように転がっていた
人の形をしたプラスチック製のものを
道路に並べて行く
ここには車が来ないので
安心し ....
先ほどまであった
小さな鼓動は
もう
どこにもない
麻酔が醒めかけ
意識が朦朧とするなか
今は亡き祖父が隣にいて
「最近の病院はどうもようわからんが、まぁ、間に合った ....
立ち眩みだ、
真ん中に見える貴女が
楽しそうにけらけら
笑っていたもので
がんばって踏ん張ってみた
(地に足ついてるか? ベイベー)
何が楽しいのかわからないけど
涙を浮かべ ....
月もみえない
星もみえない外にひとりいて
たったいっぽんの街灯の下にいて
携帯電話の明かりをみていた
つくられたひかりをたよりに
たぐりよせようとした
月のあった場所に
星のある ....
右目――人間
二つの共鳴する糸を だれも知らない
夜にそそがれる毒で
わたしがかたむいていることを知った
犬はそっぽを向いて わたしに「ナンセンス」の
意味を教えてくれた 現代(矛盾の世 ....
どんなことがあっても そこが 帰る場所であること
深呼吸して すとん おちつくところまで
ごまかさないで 嘘つかないで まっすぐに
最後までこの場所を守ることに力をおしまない ....
思い描く
ラブソング
想像する
重さ
月夜に蝉の終わりの羽音
打ち上げ花火の余韻
声を殺して泣く
身体感覚とたましいが
握手する
風が
薄いカーテンをふ ....
遠いらしい鳥の符を数えようとしたら
鳥は止み
近くで鳴った羽虫の曲線をなぞろうとしたら
羽虫も消え
でも 静かな夕刻のどこか どこかにいるのだと思う
消える
い ....
悪戯に絡めた指先
酷い嫌悪に犯された背中
心の糸にそっと触れていく
未来の無い世界に
「ありがとう」で否定していく
何時までもそのまま
気づかない気づけない
「気にし ....
ピンク色の
ケセランパサラン
ネムが水辺で揺れている
水は水だけで流れているときには黙っている
石があるからつまづいて
さらさらとせせらぐ
ぶつぶつ文句でも言ってるんだろうか
テ ....
イワシの頭も詩心から
短歌のあまたも新人から
どうか言葉を迷わせず
普通に歌ってやってくれ
善人なおもて往生す
いわんやましてや歌人をや
いざ花籠にネタを入れ
漏らさじとこれ ....
ナイフの刃を
力強く握ったら
血だらけになったよ
思った通りだ
痛みだって
僕が想像していたのと
全く同じだった
なんてつまらないんだ
そう思っていたら
君が泣きな ....
ヤッサン あんたも旅人やろう
あー なんかちゃうな
旅人ちゃうんか
俺の場合は 放浪やねん
旅人と放浪って なにがちゃうねん
旅人は目的が終わったら 帰るやろ
俺らは ....
ぼくの帰るところは
暖かい布団ではない
母親の下でもない
ぼくの帰るところは
喧騒に車が行きかい
スモッグが舞う
アスファルトの上
躯に染み付いたワッパ稼業
絶えず体を揺さぶる ....
はやくうめてしまえばよかったの?
わたしにはできないから
いつまでもあなたは
わたしのとなりにある
となりにあるだけで
だまったまま
すけてしまった
わたしにももうみえなくなってきた
....
いつもの部屋
いつものベッド
眼鏡がない
昨日 海に落としたからだ
山を掛けるエンジン音
コオコオと風の音
メーターで60キロ足らずを確認する
微かな灯り
その表情はわからない
....
水面から
ヌッと顔を出すのは
得体の知れない怪獣
クリーム色で
イルカの様な皮膚の質感
粒羅な瞳で
クンクン鳴けば
とても可愛く見える
だけど
そいつは人を食う
人を食う生き物 ....
時計の針がない
改札の駅員も消えた
灯台みたいに光る目と
夜空を照らす回る首
両手は常に塞がっています
だって、なにが起こるかわからないでしょ
いつだって捨てられないもので手が一杯なの
{引用=お馬鹿さん
どんなに利 ....
うそには わざとだまされて
だまされる自分を楽しんで
むなしくないのと訊かれれば
わたしは機嫌よく答えられます
日頃 自身を欺いていますので
時には他人にだまされたくて
そう ....
その部屋からは駅が見えた
あなたが帰る姿も見えた
その部屋からは通りが見えた
あなたが歩く姿も見えた
その部屋からはわたしが消えた
あなたを待つ わたしは ....
「 机 上 の 花 び ら 」
花びらが開く 外の天気は最悪
笑顔なんて大嫌い これ以上 虜にしないで
窓の外の虫達 合掌は コンツェルト
眩し過ぎる理由(じんせい)だって 分かっ ....
海岸線を走って
ぼくはまた
この海にやってきた
きみの大好きだった海に
誰もいない海は
穏やかな水面を湛えて
ぼくが来るのを歓迎している
チャンネル争いに負けて
ふぐよ ....
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