痙攣する瞼に夢をみる
青い空を首が痛くなる程見上げて
海を泳ぐ魚になる夢
私は胸を撫で下ろして
小さく息をした
エラ呼吸は難しいと
肺呼吸で良かったと
....
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老いた造船家の仕事部屋は紙と鉛筆と分割器が置いてあるだけだ。
そして窓の夕暮れの光。充分な設備だ。
なぜなら造船家は夕方 ....
遠い明日と宇宙との境界面に浮かぶ
あの雲の中へ
右耳が千切れて 泥まみれになった
ウサギのぬいぐるみを引き摺って
彼女は夏の夜空に破壊されながら走る
腰丈にまで伸びた夏草 ....
今日は死のう
ひたすらに
明日に強く生きるため
今日は死のう
おだやかに
明日に激しく生きるため
今日に自分を殺す力が
明日に自分を生かす力
未来へ向か ....
林檎さえ踏み潰した
色彩を零して壊れていく
極論の中の愛しさ
目の中で生まれた事を想い
恋をする
砂を救い
水を救い
己を好くう
故に巣食う
極みを帯びた世界は
雅に浚われ ....
晩ご飯の魚と目が合った日のことを、覚えていますか。
腹の中の子まで食われ白骨化してるくせに、目だけはしっかり残ってやがった。
ゲーチェなんかがそう言っていたことにして
正しさってさ、使命感の ....
ハーブを植えてる家の前を歩く
さみしい気分はそのままだった
風邪をひいてる子供が走る
さみしい気分は溢れていった
長いこと眼鏡をかけていて
いつからこんなに目が悪くなったんだって
ある ....
愛とは
美味しいと誉める事
大いに喜ぶ事
何回も喜ぶ事
愛とは感謝する事
ありがとうと
何度も言おう
愛とは{ルビ育=はぐく}む事
時間をかけて
待つ事
人の気持ちを
大 ....
この肉体のさなか
誠実と不誠実が
ヒメジオンを踏みつけて
長く伸びる線路の
枕木を踏んでいく
くるぶしから流れる血を
青すぎる空にかざす
鉄とヘモグロビン
緑の上を風が渡り
枕木 ....
いつも同じ場所を捲るので
擦り切れてぼけてしまったアルバムを
暇さえあれば眺めてる
夏に妻と子供の三人で出かけた海水浴の
真夏の太陽に負けないほどまぶしい
みんなの笑顔
桜が舞い散 ....
静かな暖かい
春の夜には
背筋が寒くなるぐらい
柔らかい気持ちになる
僕は生きていて、
空気を吸っているのだと
有機物と有機物が
結合して
うまく生命が続いていると
生暖かい
....
詰め物をされた銃口を、鼓膜に擦りつける
密着する日常
明日起こるべき異変に、紙切れ一枚分の宣伝もない
街宣カーは叫び続ける
知りませんでした、知りませんでした!
私たちの頭上で炸裂 ....
森林をそこらじゅうに
フジテレビをつけながら
遠くのアメリカ大陸にあるのだと 木造船の中で 凝視する
古雑誌をめくり 大いに 凝視している
大王イカが 瞑想する
木々を 子供の部 ....
一日が終わると
浴室で安らぎの時を過ごす
さまざまな匂いがたちこめ
すべてを忘れ
バスタブに身をゆだねる
独りは淋しいけれど
一人は自由だから
疲れきった顔が
薔薇色に染ま ....
ぼくは ぼくは ぼくは ぼくは ぼくは きみ
はじめましてもさようならももう意味がない
はしっこもまんなかも距離もかたちもあいまい
ふたりは観測者 やりようによっては創造者
どこへ ....
きょう楽しくて
たくさん笑ってしまったから
きょう死ななければならないな
と
おもった
したしい浴槽に
清潔なおゆ
わたしのからだは黒ずんで
おおきな澱
しっている
海はも ....
なぜかはわからないけれど、世界はとおくにある。
朝顔の花でつくるいろ水や、
海辺でひろう角のとれたガラス、
いいにおいのする果物の皮
そういう、心地よくて意味のないものになりたかっ ....
足を開いて見せつける
ここがお前の帰り道なのだと
「サア、オカエリ」
お前の帰りを待っていたんだ
開ききった肉をぶら下げて
渇き切らない血を匂わせて
....
高い店の女だからと言って、
いつもの店の女よりも、
相対的にいい女がくる確率が高い、というだけであり、
たとえば今日の女のように、
まあ、普通だなあ、ということも、ある。
悪くはなかったけれ ....
見失った?
そらしたつもりなかったのに
突然消えた
目の前にあったんだ
今は何もない
あるのは孤独
無いのは意味
酷く歪んで
馬鹿馬鹿し
手離した?
離すつもりなかったのに ....
そらのうえのうみは
いつもさらさら
かぜのおどるうみ
くるぶしのあたりで
さふさふ ささふ
くすぐったくて
つめたい あおいろ
あめいろのひかりの ....
あいしてる
るてし、いあ
ていあい、る、し、
いる、し、て、、、あ
こんなふうに
散らばっていっても
君には通じるかな ....
ゆらめいて
いくつもの色がゆらめいて
地上に暮らす僕は
少し先の陽炎に
夏を見る
そうしているうちにも
流れてゆくすべてが
今日を何処かへ運んでしまうので
僕は何か大切なものを ....
ともだちはきれいな、大きい粒の星が見たい
眼をキラキラとさせて言うのだった
ある日
あの娘が他の男と愛を確かめていることを
僕は知った
がらんどうになった胸の内が
発熱し出して ....
帰り道、あまりにも星が綺麗で、立ち止まって、見上げた夜空。
車が、横を通り過ぎて、雑音の一つとなる。
こんなにも、綺麗な夜空が見えてないのかな、なんて心配をして、もう少し見上げた。
....
夏の風物詩と言われる
花火を
無感動に眺めながら
りんご飴を食べる。
がりがり、がり
やっぱり小さい方にしておけばよかった、
なんて考えて後悔して
爆発音はわたしを揺すぶらないの ....
ぼくの胸のなかには
夕ぐれのかたまりが埋まっている
まだ少し青い
おさないトマトのような
ゆううつを潰していく
苦笑いに似た音をたてて
きみ ....
あなたには
いつだって
会いに行くよ
うつくしさ
いらない
ここには
すべて
夢ならいいのに
虚ろな階層で
落ち窪んだ眼を見開いて
小鼻のあたりをうろつく
蜉蝣のような情熱を追いかけていた
窓には汚れがあり
隣人は頭がおかしかった
サイケデリック、を ....
そのころ
灰色の頭部をした
理知的な蛸のやうなものが地上を統べ
うつくしい名画さながらに平原を
ナナめに逃げ惑うひとびとを捕らえては
おちこちのしかかっている
(すぐれて理性的な蛸の あ ....
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