サクランボの余韻
朝はちぎって立ち上がっていった
急かされたガラスの小鉢は微かな花模様だけを残して
ごとん、
洗い桶の水の底へ消えた
いただきますもごちそうさまも
さよ ....
疲れた風の日の
私は 眠りに落ちていく 言葉も
黒い 微かな 中身を
なくして
誰だろう その色を 遠い
私は見ている
過去の黄色い 浜辺に 私がいる
遠くには 山々が
木陰 ....
彼の部屋へ向かう途中
交差点で待つ車が五台すべて白い
わたしは脇のベンチに座り
タバコに火をつけた
初夏の陽の反射を
差し向けられ目を細める
生み出された汗が腋をにじませる
たぶ ....
除隊
のどかな春の空の下
今は嘘のように静かな此処ら
気紛れな線を描いて
一対の蝶々が
じゃれ合うように飛んでいる
「お前さん達は何処に隠れていたの?」
誰一人助からなかったこの場 ....
「楽しく」じゃわからない
どうすりゃ楽しいの?
土日にゆっくり 昼まで寝て
でもよくよく考えたら
起きた後に一緒にいてくれる人がいなきゃ。
二人の楽しさを知ったら
....
本当の自分だと思っている自分が本当に本当の自分であるのかさえ分からない毎日なんだから、
他人が本当の自分だと思っている自分が本当は本当の自分かもしれないでしょ?
本質は誰にもわからないのよ。
....
誰が決めたのかわからないけれど
いつの間にか
どこまでも一列に並べられた
みかんの上を歩くことになっている
一歩踏み出してみる
みかんは潰れ
小さな悲鳴が聞こえる
なるべく潰 ....
窓の外には
石となった旧人類を囲んで遊ぶ子供達が
誰一人として眠りを知らずに
すべての草花は咲いたままで 果てなく咲いたままで
毎日が祝福される たったひとつの俺の世界で
....
うす墨色をした
雨月物語
その雨のない風の気配は
前髪のような柳葉のむこうから
あるいてくる
二人連れのおんなが
ゆうれいだと
ぼくが気づいたのはどうしたこと ....
.
――からんころんからんころん
暗い道で
私の履いてる下駄の音だけが
辺り一面に広がる
真っ暗な暗闇に
吸い込まれるかのように
音は消えて行く…
....
終電 ライブの帰り
ひとり 南の空を見上げながら
ゆっくり歩く
外灯が薄暗くても
ぽつん ぽつんと点いているから
明るい星しかみえない
また あの歌がぐるぐると回る
いいなぁ ....
最近流行ってんの
黄色と黒のしましまライン
目の横に散りばめられた
にゃあと鳴く彼女の歪んだ妄想
そこまで堕ちたくは無いからと
美しく生きていく事を誓ったけど
何かを諦める ....
『しぬ』をクリックしそうになったら
えぇと、何から説明すればいい?『文化大革命』知ってる?
大量虐殺
....
高速バイクが通り過ぎるのを
耳で少しだけ追い掛けてみた
遮光カーテンが夜風に揺れて
無音の寂しさが少しだけ和らいだ
誰かが階段を上がる足音
鍵を回してドアを開ける音
昼間は誰にも会わな ....
いつものオープンマイクで
歌手のMさんが パァフォーマンスの
最初に
”今日、家に帰ったら泣いちゃう人〜?”
て 問いかけられて
思わず 自動的に
”ハーイ”
と ....
浮かんでるのがレジ袋
鴉みたいだ
甘く重たい空の様子
大鯰の口いっぱいに砂粒を湛えてる
やがて切れ間からも火の手があがる
青いネオン看板の上に指がみっつ
鉄の焼ける臭いも混ざる
....
静かの中に身を投じる。
こんがらがっていた糸が、まっすぐになってゆく。
なにもむずかしいことを考えることはない。
自然と一本の線になるのだ。
頭を空にする。ひとつの空間にする。
ここ ....
ちいさな箱があって
材料を入れた包みを
そこに放る
マザー・グースを好いた彼女は
お砂糖に云々を信じて
卵を爆発させた/ドルダムディー
....
ビールを一本だけ持ってレジに並ぶ
他はいらねえんだ
たくさんの食料を買い込んでも今日は食欲があっても
明日には何もたべたくなくなるんだよ
食パンにカビが生えてた
毎朝食べたいわけじゃない
....
「あっち向けあっち」
右から左へ
繰り返される逃走劇
硝子張りの地面でもがき続ける
そっとそっと
じゃないと砕けそうな足元
ゆっくりゆっくり
じゃないと居場所が解らない
胸の中 ....
誰も僕のことなんか見えてない
僕の体はちっとも透明じゃないのに
僕とすれ違う人達は
僕の体を通り抜けるように過ぎていく
僕が腕を掴んでも
まるで木の枝にでも引っかかったかのように
....
1つの孤独から
2つの孤独が生まれたって
3つめに何が生まれるのか見たくなって
4つめには、きっと僕らは消えて無くなる
僕の不安が
君の顔にモザイクをかけてる
「君は泣いてるの?それと ....
とどこおるとよくないので
暑くてじめじめとしていたが
洗濯物を干してみた
風がないせいか
まったくはためく気配はないが
つぎの用事がやってきたので
とどこおるとよくないので
つぎの用事に ....
君の夢を見たら
君のことせいいっぱい愛したくなった
それって当然のことだとおもうんだ
エアコンをつけっぱなしで寝ちゃったから
頭はがんがんするし
鼻もぐじゅぐじゅなんだけど
君の偶 ....
【At feeling】
加速していく瞬間
止められない時間
歓喜とともに唄う絶望の歌
絶望とともに奏でる希望のソナタ
【Runaway】
走るり抜 ....
早く行け早く行け
黄金郷へ
辛抱して
待つ待つ待つ
苦労は買って出ろ
前進するのみ
気を奮い立たせ
いつも笑顔で
来るものは拒まず
去るものは追わず
ギャテイギャテイ
悟 ....
夏 それは 虫かごの季節
緑色の 四角い プラスティック製の 住まいに
友達を 集めようと 躍起になる
自分の背丈よりも長い 網を手に
上手く バランスの取れない姿は
ヤジロベエのよう
....
ある時きみの
痛ましくてささくれだった心に
不意に素手で触れた時
指先からかすかに流れる
白い血液
ぼくの心には
まっさらな無垢の心が足りないのが
よくわかった
ある時 ....
サイズを合わせろと木端にダメだしされて
身体中の関節を外してコンパクトに納めたけれど
これ以上小さくなれないんだよ
もうそれじゃ
何がしたいんだかわからなくなっちゃうんだよ
掴むものに ....
.
不安定で気まぐれで
我慢強くて誰よりも優しい君
ほんのたまにしか
本音を出さない君
牙を向きだし威嚇して
噛み付き、引っ掻き
泣き喚く
....
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