平行線がある
それは、
見えない地平線だ
彼は言う、
此処が全てだと
死は霧のなか、
死は厳粛な移行、
愛する扉は開いている
凍結した大地はひび割れ
流され行く氷山の上の肉体 ....
傷付いたら
雨より細かく泣いて
出口を知らない涙だけが
途切れなく流れている
終わったはずの事なのに
思い出に秒針をあげて
ずっと回り続けようとした
嫌われても
避けられて ....
船に乗る
あなたの影、
月の光に運ばれて
白々と
伸びる途、
開ける未知
流動し 精妙に輝く造形に
非物質の神聖 響きわたる
船に乗る
あなたの姿、
月の光に導 ....
春の遠くに薄雷が鳴って
さみしい とか
かなしい とか
形容しても詮なく
雨は降り
菫の花を濡らし
己が
いともたやすく傷つく
ということに
また傷つきながら春の長雨
形容 ....
読み捨ての週刊誌が
雨でふくらんだり
網棚でそっと一日を終える
ベランダ
虹のかかった雲
iPodでプラグインしてコード
不安定に揺れて
ブランコ
高層マンション
スプレー缶 ....
○「良い指導者と良くない指導者」
良くない指導者は
弟子が失敗した時にここぞとばかりに
「それはダメだ!」と注意する
一方良い指導者は
弟子が成功した時にここぞとばかりに
「それだ!」とい ....
どこにあるのか知らないけれど
さいきん
地球のエコに似た
心の安らかで静かな明るい
陽気な気持ちになれるときがある
もちろん
あたたかく
やさしい
大好きな ....
さいしょに見たとき、その老人はまるで公園の置物のようにとても粗末なベンチにたたずんでいた。杖を地面につきながら。何をするわけでもないただ茫然と青い空を見つめている。ぼくは散歩のがてら一服でもしようかと ....
だらしなく無気力な男だ。
耳鳴りばかりに気を取られてしまう
重く沈み込む空調の爪痕がボロく、思考は厭に冴えているのに
寄りかかって埋まるまま、独りでは余るソファーに膝を抱えてしまう
湿り気を帯 ....
犬と同じように
物が投げられたら
それに向かって一目散にかけて行き
それを咥えて持って帰って来る習性のある
自称詩人は
パイプ爆弾が投げられた時も
全速力で突進して咥えると
投げた男のと ....
ラロラロルルル
雨が降る
レリレリホホホ
飛んでみる
ロハロヒフンフ
水たまり
ヘレロラフェフ匕
越えれない
ルゥルラホンフ
それでもいいさ
窓の外に水溜りがある
水溜りは晴れている
天気のことや外のことが好きだった
十二歳くらい
それくらいに
固定されているものがあった
お向かいのベランダには
シーツの類や
名前のわか ....
雪 踏んで歩く
雨 濡れて行く
陽 曝され進む
ひらの両手、かざしたら
どこでもない、此処へ行き着いた
ずいぶん努力したんだ泥にまみれながら
徹夜徹夜で、聴覚壊れ(突発 ....
人生が ぽつねん 立っている
カエルが キーキー鳴いて
そうして 朝の間際 僕も泣いていたのでした
運命が純白の手を 僕にふるから
僕は さむざむ と泣いているのでした
ふわふわ 青 ....
フローリングに寝転がり
燃え盛る太陽を浴びる
降って来る光の洪水は
世界のすべてを受け容れ
温め熱し燃やし尽くす
否、否、否
肯、肯、肯
越えて超えて!
気の揺れ動きに苦 ....
真四角の建物の谷間
冷たい雨が、
寄り所ないコンクリートの壁に爪を立てて
のぼり始める
赤く黒く
その身をやき尽くそうとして
一足一足いらだたしげに登り始める
どこ ....
何処行こうとしてたの?
返事もなしに行っちゃった
さっきまで泣いてたような目をしてさ
真っ直ぐ前を見て
気になって振り向いたけど
もう見えなくなっていた
きっと時代が連れ去った
....
数ある刃物の中でも一番の迫力をもつ
刃物界の大御所といえば
包丁氏である
おいしい料理で人を魅了するかと思えば
殺人事件までひきおこす
まことに波乱万丈な人生
そんな包丁氏が今熱を ....
○「脱落人生」
人生は
脱落なり
脱落なり
脱落して
ことにのぞめ!
○「リタイア」
退職しても
まだ
現役時代の価値観に縛られている
退職したら
義理を欠いて
無理をせず ....
新生姜も好きだけど
普通の生姜も食べたいの
ひとときの柔らかさ 夏の思い出
それにかまけて忘れないで
いつも笑っていたいけど
人生 楽しいことばかりじゃないから
沈みがちな顔 ....
あどけなかった悲しみを
いついつまでも癒せずに
あどけなかった悲しみに
こころを閉ざす夢をみる
あどけなかった悲しみに
幼いころなら気づけたが
あどけなかった悲しみを
い ....
あのひとに
やさしくしてほしいから
そんなやさしさなんて
ただの同情だと
わかりながら
じぶんの弱さが嫌だけど
かわいそうになりたい
深夜
ひとはどうしてこんなにか ....
- impromptu
汗をかいて、
おまえは
また あの夢を視たのか
暗い廊下の夢か
終わらない非常階段の夢か
トイレ ....
現代自称詩カンファレンスも
もう2周年になったんですね
おめでとうございます
私は61歳のときから自称詩を
投稿するようになって
今では心身ともに
超一流の自称詩人になりました
それもこ ....
空中にばら撒かれた葉脈のような物体が痙攣のように蠢いている、そんな幻を見つめているうちにいつの間にか数時間が経過していた…数時間が―右手の人差指の爪で目の脇を掻いたら細かい傷がついた、血すら滲んで ....
サフランライスを仕掛けて眠るの 明日がやさしくなるように
クミンをひとさじ願いを込めるの 昨日を許すように
きっと一晩寝かすから そっと涙を流すから
情けない私を ダメなやつだね ....
今日で高校の
卒業式から三十年
あれから
僕は詩を書き始めた
思春期に砕けた
{ルビ硝子=がらす}の日記は
時を経て夕陽色に染まった
あのひとは今、元気だろうか
....
いつのまにか日が暮れた帰り道
ダウン症をもつ周を乗せた
デイサービスの送迎車の到着に
間に合うよう、早足で歩く
前方には、小刻みに歩く青年が
重そうなビニール袋をぶら下げて
ゆっくり ....
- impromptu
風の{ルビ惑星=ほし}の午後
不意の凪
スケルトンコーストに{ルビ一滴=ひとつぶ}の ....
愛する女性に赤い薔薇を捧げたまえよ
龍を倒したばかりの騎士のように
勇敢なふりをするといいさ
忘れるな
その赤い薔薇は
倒した龍が滴らせた
真紅の血からできている
姫がその花弁に触れた瞬 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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