いっぱい泣いたら
いつか笑える
と無責任に言い放つ
そのあとに続くことばを
のみこむ
そこは新しい世界
きのうのなみだを
キラキラ輝かせても
それは別世界
壊れたもの戻らない
....
胎児が
私の胎盤の上で
静かに発狂する
どんな夢を見ていたの
胎児と同じ夢を見て
脳漿がミルクのように
流れた
眼球が零れて落ちた
鼻は溶けて崩れた
外耳は鋭利に折りたた ....
白い貝殻を拾ってネックレスを作るように言葉を組み合わせるの、と
詩を書くあなたは言うけれど
私はビー玉をころころと太陽に透かすように
光のかけらと じゃれていたい
ノープランの恋愛ですが ....
大人はうそつきだから
子供の反論はそれです
二つの間を
誰も座っていないブランコが
きしきしと ぎこちなく
ざわざわと せわしなく
さらなる高みを目指そうと
宙をくるりと回り ....
ぼくは良家の息子の匂いをぷんぷんとさせている
K先生に新しい患者さんに間違われても
おまえと平気にインドまでゆくような男だから
百一匹わんちゃんが連れられている夕方の街路樹
お ....
昔 うちの父さんは
カレーライスにソースをかけて
スプーンをグラスに突っ込んで
上から下までぐるぐる混ぜて
それはそれはおいしそうに頬張っていた
ある日 それを友達に
なにげなく話した ....
それはだれかに
しってもらいたいから
そんなだれかに
ほめてもらいたいから
宇宙のかたすみに
おれがあらわれたのは
きっとその理由からさ
宇宙のかたすみで ....
砂漠ですから砂の岸辺
いろいろなものが
打ち上げられもするのです
特に砂嵐のあとや
遠くの土地での季節の豪雨が
泥水の大海嘯を送り込んできた後などには
紙の本は水には弱い
水のみ ....
何かの拍子に
君の香り
ふわり
懐かしいような
切ないような
涙ぐみそうな
....
「ばかものよ!」
なんて言い切れるなら良いのだけどね
「もしかして」
そんな枕ことばで思いの丈をごまかしたり
まるで何事も無かったかのように
飼いはじめたばかりの小鳥の世話を焼い ....
鳩時計が次々と子どもを産む
子どもたちは皿になる
皿がとぐろを巻いているので
妻も娘もそれはヘビだと言う
ヘビなら料理など
のせられるはずもないのに
やはりとぐろを巻いてい ....
真夜中の 誰もいない教室に
女たちが なだれこむ
レジャーシートを敷いて
だらしなく座り
シャンパンを開ける
おつかれえ 今週も仕事 頑張ったね
うちらまだまだ いけるじゃん 若い ....
今でも 思い出す
泡の見えた 瞬間に
引き上げられた 自らの身体と
父の 大きな手を
秋田の出戸浜海岸
多分 こう書くんだろう
毎年の 恒例だった
幾つもの トンネルを抜けて
....
無限の光
夢幻の夢
この小さな身体は何処へ
光の中
闇の中
小船は何処へ辿りつく
華は散らない
風に過去を舞い散らせ
春は消えない
笑顔が消えぬ限り ....
物語を読み終わったあと
夢うつつに思いを馳せる
形のないものをふちどる
魔法みたいなことができる
まぶたの裏では鮮明に
雨が降り 夜が来て
風が吹き 夕暮れを迎える
知らないことを知 ....
中庭に
植えた花は
きれいだけど
枯れてしまった
窓際に
活けた花は
きれいだけど
萎れてしまった
花屋に
勤めてみたけど
まい日
まい日
まい日
まい日
まい ....
君が歌う
その喉仏を、ずっと見ていたい
短くなった前髪が
私の眼を侵す
あぁ、腐ってしまいそう
結局お前も普通なんだろ
普通って何
どうしたらなれるの
急に泣き出す私と
急に笑い出すお前
雨が降ると消えたくなる私と
晴れると元気になるお前
何が違うっていうの
頑張 ....
昨日の続きを生きている
私がぶれるはずはない
地球の地軸が揺らいでも
小夜鳴鳥が叫んでも
私の時間は連続し
コールタールよりも深く
インディゴに近い
沈黙にコロスを誘いながら
....
足踏みの音が
空を動く
少し傾いだ
輪を描く
ふたつの流れ
ふたつの海にたどりつき
海になれぬまま
海を巡る
誰も居ぬ部屋
明かりだけが
明かり ....
飛んでいきそな首ひとつ
(自転車はゆく 歯車はゆく)
必死に右手でおさえつけ
(自転車はやく 歯車はやく)
....
雨の粒を追っている
あなたになりはしないかと
雨のレンズを通して
あなたをみてみたい
水にたまった
雨の粒たちは
違う世界なんてみせなくて
ただ小さな円をつくっている
雨の ....
影になればいい
私自身が影に
お日様に背を向ける
地球の様々な国のように
影になればいい
影が
影が
影が私
結局私の母も
影で通した
ずっと輝かせてくれてありがとう
も ....
なにも考えることがないのです
いつになったら呼ばれるかなんて
こうして座ったまま
わからなくていい
十字路に
重ねられる四角い箱
白い壁の染み
隔絶されたハピネス
大脳が歩い ....
雨に唄えば暮れるばかり
忘れてたよ 君はあの日
笑っていた?泣いていた?
どっちだっけ?
思い出せないや
雨に唄えば胸に痛み
心はずっと
覚えていたみたい
雨に唄えば響く聲
....
寒々しい棘が
いちいち目の端に溶け込もうとする
裸の地面を踏みしめて
遠くで頼りなげで
幽かに揺れる街の灯を見下ろす
生ぬるいそよ風が通り過ぎるたび
背中を抱えて連れていこうとする ....
果てる
潮の流れの中で
常温で融解する
金属の雌蕊
見紛う それから
手を差し伸べるように
突き放す
レインコートのひらりひらりと
美しい顔をなでる
レース
この少年の不在 ....
*
よくよく考えてみればぶら下げて歩いている
恥ずかしい背負いだ
禿鷲の後頭部
コウノトリのずるむけ
もしかして生まれ変われるなら
名前も姿もいらない
誰もいない湖面に ....
私は辞表を出して出発しよう
田舎に戻ろう
チャンスの訪れないひどい時代だからと
私は決意して ひとり 下宿先を出た
そして家路には激しい後悔があった
私の弱々しい足取りには
だから ....
母が家にきた
少し前から
3、4日泊まっては
一度帰って
また家に来る
あと半分の人生
ボンクラ親父は
なにを ....
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