僕は気取った女が嫌いで
たとえばピアノをがっつりやっていた とか
陸上をやっていたとか
負けず嫌いなんです とか
いろいろ自己顕示をする
やつがだいきらいだということを
飲み屋の横の席に座 ....
あたし自慢じゃないけど
不幸そうな顔を
してしまうことの名人
影が濃くなる夜の
街灯はやなやつで
こっそり隠れていようと
するあたしを照らす
ホームにはふたつの人影
たぶん別れ ....
かさめて 椅子の底
持ち上がった 黒い眼頭
のけたドライ ・アイスにはがされる
影段 ひらり
緑木 暮れ
濁る 青海
少女人形はされるがまま
時には優しく抱きしめられ
時には激しく凌辱される
でも少女人形は
何も言わない
何も言えない
ただただ
ご主人様のなすがまま
栗の花の匂いのする ....
あたしたちは
薄茶色のぺらぺらの紙を
役所に出し
南へ向かった
そこは
あたしが
なん度も なん度も
夢に見ていた
風景だった
コバルトブルーの海
水平線と空が
重な ....
さもなければ帰ることが出来ない
と、言うところから
その夢ははじまっていた
いつか見た夢の続きかもしれない
よくわからないけれど
帰ることが出来ない理由もわからない
さもなけれ ....
風を抜け
夜を駆け抜けろ
かならず
一緒になるらしいから
あしたの天気は
誰も分からないから
根拠のない約束する
女ごころだから
風を抜け
....
たくさんの虫が
星の音色で鳴いている
ぼくは目を閉じている
このリズムで眠りにつこうか
ダイブ
夢で会えたらよろしくな
(待ってるね)
(また愛してな)
....
あるところを
超えると
火など熱くない
女も男も
そう心得るがよい
ある場所には
ふさわしく
こちらには
ふさわしくない
時と所を心得よ
儀式
コーヒーを流し込む
渋谷の街を全部呑み込む
港湾色のコーヒーがギザギザの胃壁を伝い落ち
私は今日をぶっ殺す
台本
渋谷は巨大な映画館だ
白昼からセックスの匂いがプン ....
日差しに焼けた肌が
深夜の電光に溶けている
胡瓜は
フルーツだろうか
という議論を
今し方
あの白い壁の向こうに聞いた
そうだ
もう
夕焼けのときめきが
透明な鴇色のレイヤーに ....
ぶぅーんと飛んでは
やれ忙しい
やれ忙しい
ごちそうにとまって
人間の様子を窺う
やれ忙しい
隣の部屋には
もっと美味しいものがありますぜ
ぶうんと飛んできたお仲間に
耳打ちされ ....
小さな自慢をちりばめながら
豪華な詩集は踊りだします
華麗な絵はどこか冷気をだしています
人の心は
とはじまり
ありたい
と結ばれて
脳はぐるりと
一回転する
頭の中にお ....
僕は今両手を差し出して
広い大きな空を掴もうとしている
それがとても滑稽に見えても
そうしなければ
自分が消えてしまいそうな気がして
僕は今両腕を空に向かって突き上げ
広い大きな空に飛 ....
指で作ったDNAの数列は肩までの髪の毛によく似ていた
鮮烈な色を持った花が語りかけた唄はナイフのようで
ただ渇いていく毛むくじゃらの丸い、丸い、空砲に
包まれたあの子は新しい ....
目力が 無くなって行く
見える世界は 変わらないのに
段々と 垂れ下がって 行くんだ
それでも 生きるんだ
活きてるんだと 言い聞かせる
ギラリとニラみを利かせたままで
日暮らし ....
仕事が忙しくて
体の疲れが取れなくて
人の顔を殴りたくなる
振り上げたこぶしを
見つからないよう
そっと下ろす
胃に穴が開いちまった
口からは血反吐しか出ない
女に振ら ....
過ぎてゆく時間に
恨みさえ覚えて
「焦らないで」
君の言葉に耳も貸さずに
駅のプラットホームから
飛び降りるチャンスを伺っていた
こんな夜空が
あったんだ
月の出る
星の夜が
....
黒い斑点が拡がる
サリンジャーの書は
喰い破られてしまった
落ちる青い雨粒
それを右眼に落とせば
妄想は現実になる
いとも簡単に―――。
いつか出来た傷を
放っておいたら
ささくれ出来た
削ぎ落として
少しだけ痛いなら
きっとまだ正常だから
安心して
阿修羅マンの塩ビ人形を手でもてあそびながら
手にしている時 墜落した航空券のチケットを
回転させている時 必死で
五十嵐さんは 立ち尽くしていた そこに
ぼんやりと 歯車を 見つめていると ....
私は釣り竿もエサも持っていない
なんとなくぼんやりと うつろな今日も 私自身は
何かを考えているようだった けれど 今日も何も釣れなかった
ああ そんなことはどうでもいい
ああ きっと ....
この夏は
すごく暑かったから
キャミとレギンスで
過ごした
冬でも
ぺたぺたと素足で
フローリングを歩く
身体を締め付けるものは
キライ
アクセサリーはしない
アナ ....
がらん、とした外野席から君だけが一人
僕しか立っていないグラウンドに向けて
精いっぱいの声援を送っている
昔っから運動が不出来だったが
バッターボックスから飛んで来る
白球を捕えて、ホームべ ....
夜 お手洗いに起きて
階段をトントンと
降りた
リビングでひそひそと
話す
父と母の声が聞こえた
あの子は冷たい子だね
母は言った
一瞬 なんのことか
わからなかっ ....
何時か
大空を羽ばたく為に
夜鷹は羽根を売り続けた
何時かを夢見て
何時かを信じて
疲れているのかもしれない
そう 生きることに
1
ここはいったいどこだろう…?
いや、本当はわかっている
私は私の心の闇に包まれているのだ
暗く重く真っ黒な闇に
私の中 ....
カンテラの甘き灯りに照らされて
次第に明るい賑わいの
なかにさらりと着こなしの
背中に帯のひとつあり
する、と抜け出して
目の中に泳ぐ人を捕まえにゆく
裸足で赤い星を踏み
鋏で結び目 ....
ひとに相談などしてこなかった
でもさいきん
はじめて登る山みたいに
ぼくは彼女に相談するようになっていた
じぶんのむかしの日記あげちゃうみたいに
おとこなのに
彼女 ....
午後3時
熱い風の中で
詩を読んでいた
ベランダ
僅かな波の音
カモメの声
が途切れる
その向こうに蝉がいた
部屋は暗かった
出かける準備を
しなければならなかった
....
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