人生の
のこり二十年くらいのところに
臍がある
むかし
へその緒と
つながっていた
臍
かつて
命を
食べていた
臍
いま
生を
食べている
臍
私には
....
食卓の{ルビ笊=ざる}の上に置かれた
柔らかい柿達は
それぞれに傾きながら
ひそひそと、会話をしている
( 厨房では蛇口から
ぽとん、ぽとん、と水が鳴る )
初老の ....
満月の宵、何処からか琴の音のする温泉で
畳の寝台に横たわり、いちめんの夜空を仰いでいた
霞がかった雲の向こうに灯るいくつかの星は
遠くから、僕に何かを{ルビ云=い}っている。
....
デイサービスの送迎車で
君のお父さんを迎えに行き
玄関のドアを開く
お父さんに続いて君が
猫を抱きながら、顔を出した。
「 これ、うちの美人猫 」
お父さんの伸ばし ....
昼下がり 鴉の群れ 憂鬱な音楽
物云わぬ黒猫
「君はどこへ行くの?」
黄色い眼球 音もなく 瞬いて
消えてしまったんだ
踏切りの喚き声
煩い警告
”僕 ....
しってた
この空気 この色
のど飴がとけてる
いつのまにか
ぼくら季節をまたいだね
あした、またあしたと
進んでいくはずなのに 後ろ歩き 逆回り
ただトランプをきるだけの簡単なお ....
明日はきっと晴れるよね
そう願わずにはいられなくて
ふと手を休め振り返る
自由気ままに暮らしてきた日々
愚痴っぽくなってみたり
ときには人恋しいくせして無口になってみたり
....
超タカ派の男性が居りました。
間違えている!直せ!
辞めちまえ!
周りに誰もいなくなりました。
男は旅に出ました。
夜が恐いから
震える腕を噛み千切って
闇に備
えた
あぁ
何処へいくんだ
背中の穴から
ほとばしる
穴という穴から
噴出していく
「宇宙人からの信号を傍受したんだって。」
そして人はああ夢があって良いよねという
新しい素粒子も
写真も
映画も
ああ夢があって良いよねと人はいう
こんなとき
宇宙人は何を呟 ....
月の写った
水をすくう
手のひらの上で ゆるゆる揺れて
やがて消えていく
あなたとの思い出みたいに
暑さの足りない 砂漠みたいに
足のない 水母み ....
なんでもない日
幸せな日
よく寝れる日
幸せな日
今日はお月見
豆大福食べて
パソコンの前
月よりダンゴ
明日は給料日
借用書の整理
偉い人に面会
昔話をしよう
酸性雨の結晶が
そこかしこに降り注ぎ
背負った荷をさらに重くする
だからいつしか私は
四足歩行を諦めてしまった
抑揚のない耳鳴りの中
規則正しく並ぶ高層建築物の群像
そのわず ....
額縁だった庭に景色が戻ってくる
寂しい程に整えられた装置は
演歌師が
おっぺけぺーを
捻る、
舞台であった
もうすぐ演歌師がいつでも住まう
庭になる
説明のいらない
「ああ ....
妻は月に一度か二度
四、五日ずつ実家に帰る
その度に
暗い家に帰る度に
僕は何故ここに居るのかと問う
知らない土地と言葉
何をして居るのかと問う
湿気を吸い込んだ紙の様に
心が少しずつ ....
パンにしますか?
ご飯にしますか?
それとも宇宙にしますか?
コーヒーはHOTにしますか?
アイスにしますか?
それとも宇宙を愛すにしますか? ....
ありがとうございます
いともたやすく言う
ことに慣れていない月曜
またリセットされたのでしょう
はじめから
そうはじめからはじめる
真っ白な画面
夕べはない今日
それが月曜
....
人差し指と親指を差し出し
ひかりの直径にあわせる
片目をつむる
得意気な顔をして
(ほら、こんなに、小さい
(こんな狭いところで、うさぎは、ね
その指を
手を
腕を
体を
生ん ....
大学時代
教授が授業中に言った
「600万個丸を書けばそのすごさがわかる」
家に帰ってやってみた
1つ、2つ、3つ、・・・・・・・・・
700個くらいで音をあげた
その時初 ....
あったかもしれない
かこけいとしての
あしたのひるのさんじ
海底では土ぼこりがまった
まっている
まったほこり
ふかんすると
キラキラしたりもした
海流がみつかるだろう
バザーだ ....
コーヒーのミルクが
溶け合っていくようすが
宇宙の神秘みたいで好き
何も変わらない朝も
時々 好きだったりする
生まれ変わってゆくだけが
進化ってわけじゃないんだね
ああ うん ....
メダカ、メダカ
メダカが卵を産んだ
妻が喜び声を上げる
メダカ、メダカ
あれはなんだろう
そらにうかぶ
くじらのむれのようなもの
ひかりにはんしゃして
なにもみえない
そのあたりに
みえているもの
せんねんまえまで
せんこうねん
と、 ....
煙草と僕のどっちとる?
って言ったら
君はマチガイなく煙草をとるだろう
寅さん
寅さんって
結局 僕のことかよ
浅草で寅さんでも
山谷じゃ 何さん?
南無さん? ....
昼と夜がひっくり返って今宵も私独り
寂しさ押し込めてるんです。
締め付ける胸の苦しさにもがいてるんです。
高まる拍動は早鐘
ウェディングのベルみたいに、HAPPYだったらいいのにね
昼と ....
俺は今日もひどく酔いつぶれている路上で、
ただ一つの祈りも俺にはなかった。
俺は今日も非常に疲れ果てていたが、
そこでそして何をしていたのだろう。
街は本当に冷たすぎて、
誰ひとりとしてそこ ....
鳥のはばたきに
まばたきを
する
そのときの
渇きを
おとそうと
その丘に
細い針を
刺す
みな水
ならば
乳首にも
臍にも
飲んでもらえばいい
消えうせる
突起も
穴 ....
しみずさんがハンダこてをかった。
寝ぼけていたので、しみずさん、パンダ型こてをかったのかと妄想あるき。
しみずさんがパンダこてでじゅうじゅうとかしてゆくものが、しみずさんのせいりせいとんされた机 ....
【眼蓋の裏側に今も残る、面影という名の残酷さ】
馴れ合うのは好きじゃない
最後には悲しみが残ることを知っているから。
眩しい太陽は好きじゃない ....
白い肉饅に
口がしゃぶりついている
乳房か何かと間違えているのだろうか
ひとくちも食べようとしない
口は口でしかないので
赤子のものかもわからない
肉饅に見えるものも
形が似 ....
3190 3191 3192 3193 3194 3195 3196 3197 3198 3199 3200 3201 3202 3203 3204 3205 3206 3207 3208 3209 3210 3211 3212 3213 3214 3215 3216 3217 3218 3219 3220 3221 3222 3223 3224 3225 3226 3227 3228 3229 3230
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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