山田さんの背広が
朝焼けを縫い込んだみたいに
ひかりかがやいてみえた
やるじゃん、山田
ぼくは呟いてコンビニに入り
缶ビールとつなあげを買った
防御として、骨格として
自分の骨がわかる
骨のところの、形を覚えておく
骨の使い方がわかっている人
意外な骨の使い方をしている人
突き詰めていくと
名前がひとつのハッシュタグになる
....
あの
匂い、あの
塩素の匂い、あの
匂いをかいで、早く
水に入りたい、音も
聴こえない、中にいて
水をかいている、砂まみれになって
味がするし、足がつかない
温度も冷たい、なんにも
....
さかながいちび
びじんをあいし
しばえびこいしい
いえなのさ
自分の屍の未来を
歌った 私は
街をさまよう
私は かき消されていった
大バーゲンセールの閑古鳥を
たった ひとり
夢すら 持たずに 私は
あなたの声となり さまよった
....
猫になること
グリニッジくるんで
あなたの目の前ぱっと差し出したら
子午線まわりで3・2・1
返事は「オケイ」
あたしきっと頬バハマサンセット
わりとクールな気取り入ってたけど
なんだ ....
いつも
おそろしいよかんにおわれているので
せなかをまげてしまう
せを1センチでもひくくすればそれで
ひょうてきになりにくくなる
だがかえって
おうぼうなものの
ぶつりてきなせめは
....
愛しているのは
ひとりきり
ともだちのはなしを
みつめている
そのおめめがいとしくて
だれにもまけないよ
さくらんぼがないている
なきんぼさくらんぼの
....
逃げ水にレールが沈んでいく
暑い海中のなかにベンチも沈む
電光の文字はせわしなく流れ
けだるく泳ぐ人達もホームに沈んでいく
秋のベンチで
夏の夢を見る
空を見て
深海を飲む
何かを求める
何かを探す
何かを目指す
何かに恋する
何かを愛する
目的語が明瞭な文章がタイトで力強いように
力強く輝き他人を惹きつける人間は
必ず「何か」を内に込めている
私 ....
新世紀。
とは言いながら
殺戮の大義に明け暮れの
墓穴堀りは相も変わらず
{ルビ典籍=てんせき}{ルビ天窓=てんそう}に{ルビ堆=うずたか}く、
歴史は繰り返すと錯覚させるが
掘り返せる ....
音楽からバラの香りしてる
きめの細かい鍵盤は赤い淫らなストッキングをはいて
心をノックしてくる扉はドラムスの影を覆っている まるで。
琥珀の色をした酒 海のように ....
命尽きて
力尽きて
愛が尽きて
死んでゆく
言葉にできない
苦しみだけが感じられ
溺れた人間のように
一人でもがいている。
言い訳は聞きたくない
エンジェルダストは
天使の ....
猛暑 霞む景色
誰かが1人
蜃気楼の中佇んでいる
廃墟のホテルに住んでいた
窓から見えた海の向こうに思いを馳せて
命を繋いだあの頃
心がある こことそこ
終わり行く世界の中で全て ....
掟の中に生きている。
裁きの時は今来たらん!
破門を余儀なくされても
女性を守りたい。
間違えている
怠慢だ
認識が甘い
クレームをつけるのも
意を決してやっている。
膿は出 ....
ずっと低いところで、流れの勢いがない所で 悔しさも報うこともない中で 君ら二人とけてしまえばいい
空になった子宮は
痛みをともないながら
少しずつ
小さくなっていったけれど
物語はまだ
そこに残っている
気配がした
だれもが
語りたい と
思っていた
産むという行いは
ど ....
優しい眼をしている。街角で行き交う
人たちはみな忘れている。周りにある
危険を。ふいに背後から、あるいは前
から、加えられる危害を。そうでなけ
れば互いの距離を取らないで、どうし
て正気でい ....
まあるい墓石に水をかけ清めると
{ルビ空=くう}の字の彫刻から 遅れ水が流れてくる
丁寧に拭きあげるのだが
涙の跡のように、うっすらと水垢が残ってしまう
墓石用クリーナーとウサギの形の大小のス ....
あなたが待っていると
思っていた
あの路地の入り口で
殺そうとする全てを欺いて
あなたに会いに行くには
どうしたらいいのかと
線路を渡った
....
痔核にクロロマイセチン塗って俺は今日もご機嫌だ
なにしろ週末の街角には俺のお眼鏡にかなうギャルが
俺のお眼鏡にかなうギャルがソーメニーだぜ踏まれたい
俺は今通院している歯医者の歯科助手が気になる ....
晴れて定職に就いた暁には
俺はもうこんな作風は卒業して
聖人君子のようなツラして
聖人君子のような視点から
聖人君子のような詩をかいて
あなたって聖人君子なのと訊けば
私なんてそんな全然で ....
2005年から2008年にかけての空白期間
俺は密かに山籠もりを行い超人的な能力を会得
口でちょっと言えないような悪い奴らを相手に
口でちょっと言えないような戦いをしていたんだが
口でちょっと ....
雨に捨て猫
我輩は捨て猫である 段ボール箱を住み処とし
人の流れを ここから見ている
名前はもう無い 昔はあったんだけど
ミケだかタマだか もっと凝った名前だったか
排気ガスやらで ....
∞
欲望はイライザ
めしべは開くよ金鳳花
吹きつける風は誰にも仕えない
神様の下僕だから
星は脈々と地に引き継がれ
枝に分かれ自問する小さないのちたち
進化した欲望のかけらが ....
目玉焼きみたいな台風
黄身は暴風圏内だ
そっとそっとやり過ごそう
黄身が破裂したら大変だ
吹き荒れる風
叩きつける雨
苦しくて
苦しくて
外に出て踊り狂いながら
黄身 ....
夕べから夜通し
留守宅の庭の物干しでさ
おにいちゃんのジーンズと妹のそれが
はたはた はたはた 風に踊ってるんだよ
足を竿に 通しながら
ふたりは決して仲がいいわけじゃなく
できるだけ ....
眠るとき
いつも思う
地球は誰のことも
抱き締めてくれる
さみしい人も
犯罪者も
億万長者も
名優も
美人も
ふとっちょも
凡人も
偽善者も
それは人だ ....
計算ドリルをしていると
首筋に夜明けがやってくる
近くに声の病院があるので
あたり一面、ささやきや独り言が
しん、としている
隣の人が自転車に乗って
仕事場へと向かう様子が見え ....
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