「じゃあね。いってくるから、いい子にしてるんだよ」
そう言ってあなたは僕の手を取ると
どこかへ行ってしまった。
だから僕はお留守番。
部屋でじっとしてるのが「いい子」
....
からだブン投げて
青柿割り
咲いた
咲いた
青柿
咲いた
婆さん
咲いた
生きてた婆さんの名前 何だった
私を愛して
咲いたか
咲いたか
あの夜
....
今日もタクシーに乗りながら夜の寂しい通りを流れていく時
私の側にはステキな女性がたたずんでいた様な気がする
そんなものは ただの寂しい願いのようなものだったけれど
ガラス越しの星だけが ぼん ....
高校生のころお気に入りの詩集があった
人に優しく、という詩集だった
わたしはその詩集をずっと持っていたかったけれど
あいにく制服のポケットにはその詩集ははいらなかった
わたしにはあんまり優しく ....
声帯の下から胃の入り口まで癌が拡がっていると
入院して一週間目の兄が一本目の点滴を受けながら
病室で静かに語る
声帯が大丈夫だったことに安堵した様子で
芸大の声楽科に入って声楽家として
....
手荒れの季節
指がぱっくり
縦にも横にも口をひらく
べぇ〜っと
舌を出すように出血する
お湯も水も洗剤も
ゴム手袋の摩擦も
ハンドクリームも
痛い
美容室でアシス ....
過去など何処にもありはしない
ちょうど幼い私が失禁して
呆然と佇んだ道端の
あの豆腐屋が
とうに消えて無くなっていたように
私はいつ、大人になり
いつから老い始めたのだろう
私はいつ ....
埼玉から都内の西に越して
一部屋減った
3LDKの都民住宅
なにも家具が入ってない
下見のときは
とても とても
広く見えた
が!!!
おとな5人と成猫2匹には
狭い ....
おそろしい緊張を保ちつつも
みすぎよすぎをしていく
自信がないといって
錠剤を買いに行ったら間違いで
気にしないのがまとも
おそろしい緊張を保ちつつも
みすぎよすぎをしていく
自信が ....
夕暮れの校庭で
少年が一人
逆上がりの練習をしている
息はすでに上がり
手のマメは破れているけれど
何度も地面を蹴り続けている
成功したところで
得られるものも
失うものも ....
――しゅるり。
白いシャツが微かに鳴いて
仄かに上気した首筋
淡い名残の花
貴方は未だ気づかぬ儚い枷
――とくり。
夜気に熱を奪われて
冷えたシャツ越しに
....
あり合わせの野菜と特売の豚ばら肉で作った野菜炒め
ちょっと辛めなのは彼の好みで
できたての熱々をふたりのお皿に取り分ける
彼はと言えば相変わらずのパソコンに熱中していて
彼のお皿にはお ....
自転車通勤がしたいと思い
16万円の高級自転車を買ったが
わたしには通勤先がない
などと今まではそういうパターンで
俺はずっとやってきたわけだが
2011年からはもう少し工夫をして
魔獣や ....
朝から晩まで年がら年中
心の病院に通い続けてる
お前はいつも楽しそうに
次々に薬を飲みこんでは
パンプキンケーキを必ず
帰り道に食ってくるよね
ティーカッププードルや
太宰やロックフェス ....
風邪を治すためなんだから
これは風邪を治すためなんだからと
周囲の人々に大声でそう弁明しながら
肛門に葱を挿入したまま往来を行くプレー
自宅の風呂である。いつから浸かっているのか、まるで思い出せない。ひだ状に醜くふやけた指を見れば、どうやら相当の間ここにいたということが分かるが、それにもかかわらず、私は、一向に風呂から出ようという気 ....
はぐるま
いつからずれたのか
まきもどしもできぬ
りせっともできぬ
からだにアルコールを流し込んでも
美味しくないマルボロを吸っても
何もかわらない
....
クリスマスが嫌いだ
精肉コーナーの銀皿に山積みされた固有名詞の無い丸鶏が嫌いだ
....
水の上の
白と黒の火
水に映らず
流れてゆく
森の奥を
森が動く
双つに分かれ
遠去かる
枝が描く枝
重なりのむこう
途切れた道のむこうに
....
夕焼けに照らされて
君の白いブラウスが
綺麗なオレンジに染まる
そんな素敵なピアスをしてたんだ
やっぱりオレンジに輝いて
太陽を見つめる瞳は
遥か宇宙まで見つめているようだ
....
夕方に
いつのまにかテストの点数を消しさられたって
やはり怒っていて
勝手口の裾っぽで兄ちゃんは車を壊して遊ぶよ。
ゴインゴインのシュートだゴキン! 嫉妬シット だネ!
夏の夕暮れの虫たちの ....
なにもしないで 頷き
馬鹿は ただ眠る
見つめる 空虚
あなたの世界
わたしの 夢
もてあまし
すり減ったいのち
尖らずに
曲がらずに
瞳のなかで 笑 ....
ふたつの冬が互いを削りあっている頃
孤独な吾が身が突然痛み出す
痛みます、昨日と変わらぬ今日なのに
精神の不具であることは恥ではないはずなのに
何故、かくも私は不自由な心の持ち主なのだ ....
優しくされなかったなら
優しい心って育たないの?
人それぞれってどんなときにも
きちんとあてはまるの?
それは違うと思う自分の心
親ならねじふせていいの?
親のいうことなら
....
ほこりの匂い、黒板には雑巾で拭いた跡、汗と赤ちゃんの匂い、小さな机に折り紙が入っている、F1の描いてあるカラフルなえんぴつが転がっている、壁の黒ずみは小さな手に触れる高さ、しの字のフックに体操着がかけ ....
世界の距離が
もう測れなくなっている
ゆっくり水が染み込むように
着実に到達してくる
空気で感じられぬうちに
世界は離れていく
あなたがみている世界と
わたしがみている世界は ....
花が枯れています
つまさきのところで花が枯れています
名前はわからないけれど小指ほどにちいさなのが何本も何本も
破った約束のような色をしています
ここはせかいのせなかなのだと
あなた ....
今日もかわいいね、じゃなくて
会うたびにひとつずつ
かわいいところを見つけて欲しいの
たまには、髪飾りを褒めたりして逃げてもいいから
大切なものほど
すぐに指紋でベタベタになっ ....
あさいちのJRに乗っている
コートの大人たちでふつうに混んでいる
ぼくは中二の秋くらいの気持ちになっていた
電車のなかにいると引きこもってしまうのだ
みんなが立派そうに見える
みんなが上 ....
木枯らしがわがままに通り過ぎる新月の夜
きみとぼくは人気の疎らな
寂れた駅のプラットフォームで出会う
互いにはにかみながら
それでも幼少期からそばにいる
竹馬の友を真似た笑顔で
触 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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